Pervasive PSQL Vx Server の概要
Pervasive PSQL Vx Server およびその基本機能の紹介
この章では Pervasive PSQL Vx Server について理解を深めるため、以下の項目について説明します。
Pervasive PSQL Vx Server
従来のコンピューティング環境では、クライアントおよびサーバーがそれぞれ別々の物理マシンとして存在しています。そのような環境は一定のビジネス モデルには適しているので、今後も引き続き必要な構成としての役目を果たすことは間違いないでしょう。
しかし、特定のビジネスは次第にハイパーバイザー製品や仮想マシン環境に対応しつつあります。たとえば、アプリケーションはクラウド コンピューティングのサポートに加え、完全仮想化、部分仮想化および準仮想化もサポートする必要があるかもしれません。
仮想マシン環境
高度に仮想化された環境では、ほかのソフトウェア製品によるさまざまな機能が必要です。従来のコンピューティング環境をサポートする機能だけでは、仮想マシン環境に十分に対応できません。動作条件は異なり、管理上の課題が追加され、また製品ライセンスには固有の要件があります。
これらの理由から、Pervasive Software はハイパーバイザー製品および仮想マシン環境専用に設計された製品 Pervasive PSQL Vx Server を提供します。Pervasive PSQL Vx Server にはホスティング、接続プール、インターネットまたはイントラネットの使用に制限はありません。ライブ マイグレーション、フェイルオーバー、フォールト トレランス(FT)、高可用性(HA)および障害回復などのハイパーバイザー機能と一緒に使用するためにライセンスを追加する必要もありません。
物理マシン環境
Pervasive PSQL Vx Server は物理マシンでも実行します。たとえば、物理マシンの環境を、ライブ マイグレーションを提供する仮想マシン環境へ移行する可能性もあります。当初は Pervasive PSQL Vx Server をインストールしていた物理マシンを、ビジネスのニーズの変化に応じて仮想マシンに移行することができます。
動作要件
ライブ マイグレーションをサポートする仮想マシン環境で、エンド ユーザーに悪影響を及ぼすことなく、認証済みの Pervasive PSQL Vx Server インスタンスをご自分のアプリケーションと共に、あるホストから別のホストへ移動することができます(これは物理サーバーが通常一貫して変わらない、従来のクライアント/サーバー環境とは対照的です。 クライアントは接続および切断することができますが、これらは専用サーバーと通信します)。
仮想マシン環境と従来の環境は根本的に異なるため、Pervasive PSQL Vx Server の動作要件は明らかに Pervasive PSQL Server や Pervasive PSQL Workgroup とは異なります。
次の表では、Pervasive PSQL Vx Server の動作要件について説明します。
表 1 Pervasive PSQL Vx Server の動作要件
マシン要件 | 説明 |
インターネットの常時接続 | Pervasive PSQL Vx Server は、データベース エンジン用のキーが有効かどうかを定期的に検証します。この検証にはインターネット接続が必要です。 ネットワークがインターネット接続を失った場合、接続を復旧して本製品を再検証するための期間が 30 日間設けられます。 |
ホスト名および NIC(ネットワーク インターフェイス カード)の MAC アドレスの一貫性 | 認証済みの Pervasive PSQL Vx Server のインスタンスは、別の物理マシンへ移動、仮想マシンへ変換、または別の仮想マシン ホストへ移行することができます。 1 ただし、仮想マシンに設定されるホスト名および NIC の MAC アドレスは元のものと同じにしておく必要があります。それらの 1 つを変更する必要がある場合は、移動、変換または移行を行う前に Pervasive PSQL Vx Server のキーを認証解除しておきます。 ハイパーバイザー製品および Pervasive PSQL Vx Server ライセンスに関する FAQも参照してください。 |
1 Pervasive PSQL Vx Server は、ホスト名や MAC アドレスが同じであっても、そのインスタンスごと(仮想マシン用に複製またはコピーされたものを含む)に独自の期限なしライセンス キーが必要です。 ライセンスも参照してください。 |
ライセンス
このセクションでは、Pervasive PSQL Vx Server のライセンスに関する以下の項目について説明します。
ライセンス モデル
Pervasive PSQL Vx Server は高度に仮想化された環境をサポートするよう設計されています。たとえば、Vx Server は完全仮想化、部分仮想化および準仮想化に加え、クラウド コンピューティング(プライベート、コミュニティおよびハイブリッド)にも対応しています。Pervasive PSQL Vx Server にはホスティング、接続プール、インターネットまたはイントラネットの使用に制限はありません。ライブ マイグレーション、フェイルオーバー、フォールト トレランス(FT)、高可用性(HA)および障害回復などのハイパーバイザー機能と一緒に使用するためにライセンスを追加する必要もありません。
仮想化環境による技術および動作は従来のものとは異なるため、その仮想環境に適したライセンス モデルが必要です。Pervasive PSQL Server および Workgroup 用のユーザー カウント ライセンス モデルでは不十分です。このモデルは、多くのユーザーまたはデバイスが別々のデスクトップから頻繁にレコードを追加、更新および削除するような従来型のクライアント/サーバー アプリケーションに適しています。
Pervasive PSQL Vx Server が使用するライセンス モデルでは、ユーザー数ではなくデータベース サーバー処理の作業量に重点を置くようになりました。このモデルは容量に基づいており、仮想化環境におけるライセンス執行に対応しています。たとえば、Pervasive PSQL Vx Server のインスタンスごとに、使用セッション数および使用データの両方に対して容量制限が設けられています(各インスタンスは仮想ホスト名およびすべての仮想 MAC アドレスによっても識別されます)。
使用セッション数(セッション数)
「セッション」とは、トランザクショナル エンジン インターフェイスによって使用されるクライアント ID、またはリレーショナル エンジン インターフェイスへの接続と定義されます。「クライアント ID」とは、データベース トランザクション コンテキストを一意に識別するために、アプリケーション、クライアント プラットフォームおよびデータベース エンジンによって提供される要素を組み合わせた 16 バイトの構造体と定義されます。
使用セッションの数は同時セッションの数です。「使用セッション数」は端的に「セッション数」ともいいます。「セッション数の制限値」とは、使用許諾契約書に従って許可される最大同時セッション数をいいます。
セッション数に関するメッセージは、Pervasive PSQL のさまざまなログ リポジトリに記録されます。
メッセージ ログを参照してください。
データベース エンジンは、Pervasive PSQL システム ファイル、メタデータ ファイル、dbnames.cfg およびデフォルトのシステム データベースへのアクセスなど、独自の内部処理用にさまざまなセッションを使用します。これらの内部セッションについてはセッション数を消費しません。
使用データ
「使用データ」とは、同時に開く全データ ファイルの合計サイズと定義されます(データ ファイルは、アプリケーションで処理されるデータを提供するために、そのアプリケーションによって作成されるファイルです)。「使用データの制限値」とは、使用許諾契約書に従って許可される、同時に開く全データ ファイルの総量です。
使用データの値は、データ ファイルが初めて開かれたときに増加します。データ ファイルが既に開かれていれば、それ以降に開く際には総量に加算されません。使用データは、開くファイルのサイズが増加した場合にも増えます。既に開かれているファイルのサイズが大きくなって使用データの制限を超えても、そのファイルに対する操作は引き続き許可されます。
使用データの値は、データ ファイルを開いた最後のユーザーがそのデータ ファイルを閉じたとき減少します。複数のユーザーが同じデータ ファイルにアクセスできるので、そのデータ ファイルを開いたすべてのユーザーがそのファイルを閉じないと使用データは減少しません。
使用データに関するメッセージは、Pervasive PSQL のさまざまなログ リポジトリに記録されます。
メッセージ ログを参照してください。
データベース エンジンは、Pervasive PSQL システム ファイル、メタデータ ファイル、dbnames.cfg およびデフォルトのシステム データベースなど、独自の内部処理用にさまざまなファイルを使用します。内部処理に使用するファイルによって使用データの値が増えることはありません。
セッション数と使用データの見積もり
PSQL Server から PSQL Vx Server へ移行する前に、ご自分のビジネスで必要とするライセンスのサイズを決定する必要があります。決定を下すには、セッション数と使用データの使用量に関する情報が必要です。Pervasive Software は、その情報を提供するために Capacity Usage ビューアーを用意しています。
Capacity Usage ビューアーは、毎日のセッション使用数のピークとデータ使用量のピークを記録するユーティリティです。これらの数字を 2 つのグラフに表し、長期にわたって表示します。Capacity Usage ビューアーでは、期間を "全期間" から "先週" までの範囲で選択できます。また、カスタマイズされた期間について、データの表示を拡大することもできます。
容量の要件を見積もるには、最大のライセンス要件と最小のライセンス要件を含んでいる期間を選択します。たとえば、ビジネスが四半期ごとのサイクルである場合、少なくとも 90 日分のデータを対象にしてください。データ使用量と同時セッション使用数を長期にわたって調査することで、確実に、PSQL Vx ライセンスの容量がピーク時の使用要件を満たす、または上回るようにすることができます。
Capacity Usage ビューアーのアクセス方法と使い方の詳細については、『
Pervasive PSQL User's Guide』の
Capacity Usage ビューアーを参照してください。
メモ: Monitor も、セッション数と使用データの見積りに役立ちます。『
Advanced Operations Guide』の
データベース リソースの監視、および『
Pervasive PSQL User's Guide』の
Monitor を参照してください。
制限に達したときの動作
次の表では、セッション数および使用データが制限に達したときに予想される動作と推奨される対処方法をまとめています。
表 2 セッション数と使用データが制限に達したときに予想される動作
制限に達した項目 | 動作 | 対処方法 |
セッション数 | データベース エンジンは新しいセッションのリクエストを拒否し、ステータス コード 161 をアプリケーションに返します。 セッション数の制限に達する前に確立していたセッションは引き続き動作し、中断されたり接続が切断されたりすることはありません。 セッション数に関するメッセージは、Pervasive PSQL のさまざまなログ リポジトリに記録されます。 | セッション数に対する追加キーを認証します。追加キーはいつでも認証可能で、セッションを閉じたりデータベース エンジンを停止したりする必要はありません。この追加キーは直ちに使用できます。 現在のセッションをいくつか閉じるという対処の仕方もあります。ただし、この対処法の場合、閉じても安全なセッションを把握している必要があります。セッションを閉じた結果、データが不正になる、レコードが不完全になる、またはトランザクションが中止されることがないようにしなければなりません。 |
使用データ | データベース エンジンは新たにファイルを開くことを拒否し、ステータス コード 161 をアプリケーションに返します。1 既に開かれているデータ ファイルを別ユーザーが後から開くこともできます。つまり、ファイルが既に開かれていれば、使用データが制限に達した場合または制限を超えた場合でも、ほかのユーザーはその開いているファイルにアクセスすることができます。 開いているファイルのサイズが大きくなった場合には、使用データも増加することに注意してください。既に開かれているファイルのサイズが大きくなって使用データの制限を超えても、そのファイルに対する操作は引き続き許可されます。 使用データの値は、データ ファイルを開いた最後のユーザーがそのデータ ファイルを閉じたとき減少します。複数のユーザーが同じデータ ファイルにアクセスできるので、そのデータ ファイルを開いたすべてのユーザーがそのファイルを閉じないと使用データは減少しません。 使用データに関するメッセージは、Pervasive PSQL のさまざまなログ リポジトリに記録されます。たとえば、使用データがその制限値の 90% に達したときに、最初にメッセージによって警告します。 | 使用データに対する追加キーを認証します。追加キーはいつでも認証可能で、データ ファイルを閉じたりデータベース エンジンを停止したりする必要はありません。この追加キーは直ちに使用できます。 現在開いてるデータ ファイルをいくつか閉じるという対処の仕方もあります。ただし、この対処法の場合、閉じても安全なデータ ファイルを把握している必要があります。データ ファイルを閉じた結果、データが不正になる、レコードが不完全になる、またはトランザクションが中止されることがないようにしなければなりません。 |
1開かれるファイルが使用データの制限の 110% を超えた場合は、ステータス コード 161 が返されます。現在開かれているデータ ファイルのサイズが大きくなったことが原因で使用データが増加する可能性もあるので、100% を少し上回るバッファが提供されます。 |
製品キーと追加キー
Pervasive PSQL Vx Server は容量ベースのライセンス モデルを使用するため、独自の製品キーが必要です。Pervasive PSQL Server または Pervasive PSQL Workgroup 用のキーを使用して Pervasive PSQL Vx Server を認証することはできません。Pervasive PSQL Vx Server のインスタンスごとにキーが必要です。
セッション数および使用データは、Pervasive Software またはアプリケーション ベンダーによって発行される Pervasive PSQL Vx Server キーに定義されています。キーは、セッション数の制限および使用データの制限に対するさまざまな値の組み合わせで利用することができます。詳細については、http://www.agtech.co.jp/products/pervasive/ をご覧ください。
セッション数または使用データの値の増加
Pervasive Software またはアプリケーション ベンダーでは、セッション数の制限値、使用データの制限値、またはその両方の制限値を上げるキーを提供します(概念上、このキーは Pervasive PSQL Server または Pervasive PSQL Workgroup 用と同じユーザー数追加キーです)。
キーを認証すると直ちに、セッション数の制限値、使用データの制限値またはその両方の制限値が増加します。データベース エンジンの再起動は必要ありません。追加キーは、期限なしキーがなければ認証できません。一時キーに対して追加キーを認証することはできません。
期限なしキーを認証解除する場合、そのキーに関連付けられている追加キーもすべて認証解除されます。
セッション数または使用データに対する制限値が増えると、データベース エンジンは Pervasive PSQL ログ リポジトリにメッセージを記録することに留意してください。このメッセージには現在の制限値と使用量が記録されています。
メッセージ ログも参照してください。Monitor ユーティリティでセッション数と使用データの現在値、ピーク値および最大値を監視することができます。『
Advanced Operations Guide』の
データベース リソースの監視を参照してください。
影響を受けるステータス コード
以下のステータス コードについては、両方のライセンス モデル(ユーザー数および容量ベース)に対応するように変更されています。
影響を受ける ユーティリティ
以下のユーティリティは容量ベース ライセンス モデルに適応させるため変更されました。
License Administrator(GUI および CLI)
License Administrator では、キーに対するセッション数の制限値および使用データの制限値を表示します。セッション数の制限値および使用データの制限値を増やすキーを認証することもできます。キーによっては、単独の追加キーで両方の値を増やすことができます。詳細については、『
Pervasive PSQL User's Guide』の
ライセンス管理を参照してください。
Monitor
Monitor にはセッション数と使用データに関して以下の変更があります。この変更の概要はグラフィカル ユーザー インターフェイスを対象としています。コマンド ライン インターフェイス(bmon)にも必要に応じて同様の変更があります。詳細については、『
Advanced Operations Guide』の
データベース リソースの監視を参照してください。
Monitor を変更することで、セッション数と使用データのライセンス要件が見積もりしやすくなります。たとえば、Monitor ではセッション数と使用データのピーク値を表示し、データベース エンジンの実行時間が通知されます。継続時間とピーク値を使用すれば、より正確な見積もりを行うことができます。容量を見積もる場合は、ピークの状態から測定される値を含めます。
•[アクティブ ユーザー]メニュー コマンドおよび[MicroKernel アクティブ ユーザー]ダイアログは、それぞれ[アクティブ セッション]および[MicroKernel アクティブ セッション]という名称に変更されました。このダイアログはセッション情報を示すために変更されました。
•[MicroKernel リソース使用状況]ダイアログは、ユーザー数、セッション数および使用データの現在値、ピーク値および最大値を示します。[使用中ライセンス数]項目は削除されました。
•[MicroKernel アクティブ ファイル]ダイアログでは、指定したファイルの物理ファイル サイズをキロバイト(KB)単位で示します。
•[MicroKernel 通信統計情報]ダイアログおよび[MicroKernel リソース使用状況]ダイアログでは、データベース エンジンが実行されている時間([MicroKernel 稼働時間]といいます)が、週、日、時、分、秒で示されます。
メッセージ ログ
容量ベース ライセンス モデルに関するメッセージは、Notification Viewer、PVSW.LOG およびオペレーティング システムのイベント ログの全ログ リポジトリに記録されます。 Notification Viewer へ記録されるメッセージは、オペレーティング システムのイベント ログおよび PVSW.LOG へも記録されます。 オペレーティング システムのイベント ログへ記録されるメッセージは、PVSW.LOG へも記録されます。 メッセージに、開いているファイルの一覧が含まれる場合、その一覧は PVSW.LOG にのみ記録されます。 『
Pervasive PSQL User's Guide』の
Pervasive PSQL メッセージ ログも参照してください。 .
セッション数または使用データに対する容量が増加または減少した場合、データベース エンジンはメッセージを記録します。このメッセージには現在の容量値と使用量が記録されています。Monitor ユーティリティでセッション数と使用データの現在値、ピーク値および最大値を監視することができます。『
Advanced Operations Guide』の
データベース リソースの監視を参照してください。
セッション数
セッション数に関するメッセージはすべて情報メッセージです。セッション数のメッセージは、セッション数がその制限値に達したとき、セッション数がある一定期間後に許容範囲に戻るとき、セッション数の容量が変更したときに通知されます。
アクティブな同時セッションの総数がセッション数の制限値と等しくなった場合、データベース エンジンは新しいセッションのリクエストを拒否し、ステータス コード 161 をアプリケーションに返します。確立済みのセッションはそのまま動作し続け、中断されたり接続が切断されたりすることはありません。
セッションがそのファイル ハンドルをすべて閉じると、セッション数は減少します。セッション数を減らすためにリセット操作を行う必要はありません。しかし、セッションがリセットされないと、そのセッションによってセッション数が増えないとしても、Monitor でアクティブ セッションの一覧にそのセッションが表示されるので注意してください。『
Advanced Operations Guide』の
セッション情報の表示を参照してください。
使用データ
使用データに関するメッセージのタイプは、情報、警告またはエラーです。必要に応じて、メッセージは修正方法に関するアドバイスを提供します。
使用データがその制限値の 90% に達したときに、最初にメッセージによって警告します。このメッセージでは、使用データがその制限値に近づいているので、まもなく対処する必要があると注意を促します。使用データが制限値の 100% に達した、または 100% をやや上回ったときは、追加メッセージが頻繁に表示されるようになります(現在開かれているデータ ファイルのサイズが大きくなったことが原因で使用データが増加する可能性もあるので、100% を上回るバッファが提供されます)。
メッセージが単なる説明であれば、ファイルに対する操作が可能です。ファイルを初めて開いた場合、または既にファイルが開かれており、そのサイズが増加した場合のいずれを問わずメッセージが記録されます。
開かれるファイルによって使用データの制限値の 110% を超える場合、データベース エンジンはそのファイルを開くリクエストを拒否し、ステータス コード 161 をアプリケーションに返します。PVSW.LOG およびオペレーティング システムのイベント ログに記録されるエラー メッセージには、そのファイルの名前、サイズおよび使用データの制限値が記載されます。既に開かれているファイルは引き続き使用可能で、それらのファイルへのアクセスが中断されたり接続が切断されたりすることはありません。
影響を受けるアクセス方法
以下の SDK アクセス方法は、容量ベース ライセンス モデルに適応させるため変更されました。
DTI
•PvGetProductsInfo 関数で返される XML 文字列には、セッション数、セション数の制限値、使用データ、使用データの制限値の要素が追加されています。製品が Pervasive PSQL Vx Server の場合、ユーザー数および最大ユーザー数について返される要素は常に 0 です。製品が Pervasive PSQL Server または Workgroup の場合、セッション数、セション数の制限値、使用データ、使用データの制限値について返される要素は常に 0 です。『
Distributed Tuning Interface Guide』の
PvGetProductsInfo()を参照してください。
•monitor.h の PVMKDEUSAGEEX 構造体は以下の項目が含まれるよう変更されました。
•セッションおよび使用データの現在値、ピーク値および最大値
•データベース エンジンが実行されている([エンジン稼働時間]といいます)継続時間(秒)
PVMKDEUSAGEEX 構造体は PvGetMkdeUsageEx で使用されます。『
Distributed Tuning Interface Guide』の
PvGetMkdeUsageEx()を参照してください。
•monitor.h の PVFILEINFO 構造体は、ファイルの物理サイズ(キロバイト)が含まれるよう変更されました。この構造体は PvGetFileInfo で使用されます。『
Distributed Tuning Interface Guide』の
PvGetFileInfo()を参照してください。
•PvGetEngineInformation の引数 pserverClientType では新たに 2 つのタイプ VXWIN_SERVER(6) および VXLINUX_SERVER(7) を返します。『
Distributed Tuning Interface Guide』の
PvGetEngineInformation()を参照してください。
DTO
DTO への変更はすべて DTO2 にのみ適用します。『
Distributed Tuning Objects Guide』の
DTO2を参照してください。
•DtoMonitor オブジェクトには以下のプロパティが追加されています。『
Distributed Tuning Objects Guide』の
DtoMonitor オブジェクトを参照してください。
CurLicDataInUseMB | 使用データの現在値をメガバイト(MB)単位で返します。 |
CurSessionCountInUse | 現在使用中のセッション数(現在のセッション数)を返します。 |
EngineUpTimeSecs | データベース エンジンの実行時間を秒数で返します。 |
MaxLicDataMB | 使用データの許容最大サイズ(使用データの制限値)をメガバイト(MB)で返します。16 進値 0xFFFFFFFF は無制限を意味します。 |
MaxSessionCount | ライセンスによって許可される最大セッション数(セッション数の制限値)を返します。16 進値 0xFFFFFFFF は無制限を意味します。 |
PeakLicDataInUseMB | 同時に使用されているデータの最大値をメガバイト(MB)単位で返します。 |
PeakSessionCountInUse | 同時に使用されているセッションの最大数を返します。 |
•DtoOpenFile オブジェクトには以下のプロパティが追加されています。『
Distributed Tuning Objects Guide』の
DtoOpenFile オブジェクトを参照してください。
PhysFileSizeKB | ファイルの物理サイズをキロバイト(KB)で返します。 |
•DtoEngineInformation オブジェクトの ServerClientType プロパティには以下の値が追加されました。
•6 = VXWIN_SERVER
•7 = VXLINUX_SERVER
『
Distributed Tuning Objects Guide』の
DtoEngineInformation オブジェクトを参照してください。
アプリケーションで必要となる変更
通常、アプリケーションに対する変更は必要ありません。お使いのアプリケーションが既に Pervasive PSQL Server または Workgroup で動作しているのであれば、Pervasive PSQL Vx Server でも動作します。
アプリケーションで DTI または DTO を使用しており、容量ベースのライセンス モデル用の追加機能を使用する場合は、アプリケーションを修正する必要があります。
影響を受けるアクセス方法を参照してください。
キーの検証
Pervasive PSQL Vx Server は、データベース エンジン用のキーが有効かどうかを定期的に検証します。この検証にはインターネット接続が必要です。
定期的な検証処理でキーが無効と判定されると、そのキーの状態は "アクティブ" から "検証失敗" に変わります。この状態でも 30 日間はデータベース エンジンが正常に機能するので、検証失敗を修正するための時間は十分にあります。
検証失敗への対応を適時に行う必要があるため、キーの状態の変更は Pervasive PSQL Vx Server で使用されるさまざまなログ リポジトリからできるだけ早く通知されるようになっています。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
Pervasive PSQL メッセージ ログを参照してください。
この期間が終わる前に検証失敗を修正しなかった場合は、キーの状態が "無効" に変わります。これにより、このキーは無効となりデータベース エンジンはデータ ファイルにアクセスできなくなります。
たとえば、ネットワークがインターネット接続を失った場合、接続を復旧し Pervasive PSQL Vx Server を再検証するための期間が 30 日間設けられます。 Pervasive PSQL Vx Server はさまざまなメッセージ リポジトリにメッセージを記録して、インターネット接続が失われていることを通知します。猶予期間内にインターネット接続が復旧されない場合、Pervasive PSQL Vx Server キーは無効になります。
データのバックアップ
『
Advanced Operations Guide』の
ログ、バックアップおよび復元 の章では、Pervasive PSQL で提供されるデータ バックアップ ソリューションについて説明しています。Pervasive PSQL Vx Server では、従来のソリューションに加え 以下のようなソリューションが含まれています。
ご自分のバックアップ ソフトウェアが Microsoft のボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)を認識しない場合は、Pervasive Backup Agent をご自分のバックアップ ソフトウェアと連携して使用することができます。VSS フレームワークは Windows Server 2003 以上のオペレーティング システムに含まれています。
バックアップ ソフトウェアが VSS を認識する場合は、VSS によるバックアップ時に Pervasive PSQL VSS Writer が自動的に起動します。バックアップ ソフトウェアが既に VSS を認識している場合は、Pervasive Backup Agent を使用する必要はありません。
Pervasive PSQL VSS Writer と Pervasive Backup Agent は併用できますが、それに伴う利点は特にありません。どちらか一方の方法を選択すれば、バックアップ処理はより簡潔になります。
Pervasive Backup Agent
Pervasive Backup Agent は Pervasive PSQL Vx Server に含まれるオプション製品です。この製品はデフォルトではインストールされません。Pervasive PSQL Vx Server のインストール後に、Backup Agent をインストールしたい場合は、Pervasive PSQL Vx Server インストール メディアからインストールする必要があります。インストール選択ダイアログで Pervasive Backup Agent を選択してください。Pervasive PSQL Vx Server がインストールされている同じマシンに Pervasive Backup Agent をインストールする場合、別個のライセンスは必要ありません。
Pervasive Backup Agent を使用すれば、Pervasive PSQL データベース ファイルに対する Continuous オペレーションの設定と管理を簡単かつ迅速に行うことができます。 Continuous オペレーションの設定と管理は、Pervasive PSQL データベースのバックアップを行う際の重要な部分です。これには Microsoft のボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)を使用しません。 Backup Agent は開いているファイルに対する Continuous オペレーションの設定と管理を自動的に処理し、バックアップ中でもアプリケーションからデータを利用できるようにします。バックアップ作業が完了すると、Backup Agent は自動的に Continuous オペレーションからファイルを取り出し、バックアップ中にキャプチャされたすべての変更をロール インします。
Pervasive Backup Agent は、市販されている多くのバックアップ アプリケーションと互換性があります。そのバックアップ アプリケーションでは、ほかのアプリケーションを開始および停止できるコマンドを発行できる必要があります(そのコマンドで Pervasive Backup Agent を開始および停止できます)。
Pervasive Backup Agent に関する詳細については、『Pervasive Backup Agent Guide』を参照してください。
Pervasive PSQL VSS Writer
Microsoft のボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)は、ライター、プロバイダーおよびリクエスター コンポーネントで構成されています。 Pervasive PSQL Vx Server はライター コンポーネントである Pervasive PSQL VSS Writer のみで VSS をサポートします。Pervasive PSQL VSS Writer はデータベース エンジンの機能であり、Pervasive PSQL Vx Server のインストール後に使用可能となります。Pervasive PSQL VSS Writer は Windows オペレーティング システムでのみ使用可能です。
(ボリューム シャドウ コピー サービスの詳細については、Microsoft Web サイトのテクニカル ドキュメント「SQL Server バックアップ アプリケーション ベンダ向けガイド」を参照してください)
概要
VSS によるスナップショット時、Pervasive PSQL VSS Writer は Pervasive PSQL データおよびトランザクション ログ ファイルすべてに対し、それらが存在するボリュームに関係なく、すべてのディスク I/O 書き込み動作を停止します。スナップショットの作成後、Pervasive PSQL VSS Writer はすべてのディスク I/O を再開させます。これには停止中に遅延された書き込みも含まれます。
Pervasive PSQL VSS Writer はディスク I/O 読み取り動作を停止することはありません。書き込みが不要である限り停止中に通常のデータベース処理を継続させることができます。Pervasive PSQL VSS Writer は、VSS サービスおよび VSS リクエスターのバックアップ動作によりパフォーマンスが低下するかもしれませんが、バックアップ フェーズ時は正常に動作します。
Microsoft ボリューム シャドウ コピー機能を使用すれば、バックアップおよび復元製品はバックアップ用にシャドウ コピーを作成することができます。それに含まれるファイルは次のいずれかの状態になります。
1 定義済みで、かつ整合状態にある
2 "crash-consistent state"(クリーン リストアに適さない可能性があります)
以下の条件をすべて満たせば、VSS スナップショットのファイルは定義済み、かつ整合性のとれた状態になります。
1 ファイルのライターが VSS 対応である
2 バックアップおよび復元製品が VSS 対応ライターを認識し、そのライターにスナップショットの準備を通知する
3 VSS 対応ライターはスナップショットの準備に成功する
条件を満たさない場合、ライターのファイルは "crash-consistent state" でバックアップされます。
VSS Writer の詳細
ここでは、Pervasive PSQL VSS Writer の仕様について説明します。
•サポートされるオペレーティング システム
Pervasive PSQL Server がサポートされる Windows オペレーティング システムは Pervasive PSQL VSS Writer もサポートします。VSS フレームワークは Windows Server 2003 以上のオペレーティング システムに含まれています。
Pervasive PSQL VSS Writer は、マシンのオペレーティング システムおよびインストールされている Pervasive PSQL と同じビット数に対応して機能します。.Pervasive PSQL VSS Writer(32 ビット版)は 32 ビット マシンのみでサポートされ、64 ビット版は 64 ビット マシンのみでサポートされます。ビット数が一致しない場合、Pervasive PSQL は正しく機能しますが VSS Writer は利用できません。
•サポートされるバックアップの種類
Pervasive PSQL VSS Writer はデータ ボリュームの手動バックアップまたは自動バックアップをサポートします。Pervasive PSQL VSS Writer は完全ボリューム バックアップおよびコピー ボリューム バックアップに対応し、増分、差分およびログ バックアップはサポートされません。VSS は Pervasive PSQL VSS Writer をコンポーネントとして認識します。ただし、Pervasive PSQL VSS Writer はコンポーネントのバックアップをサポートしません。VSS リクエスターがコンポーネントのバックアップで Pervasive PSQL VSS Writer を呼び出すと、VSS Writer は完全ボリューム バックアップまたはコピー ボリューム バックアップでの同じアクションを実行します。
•仮想化環境のサポート
Pervasive PSQL VSS Writer は仮想化環境で VSS バックアップをトリガーする VSS リクエスターをサポートします。仮想マシンのスナップショットを実行しても VSS バックアップは起動しません。
•マルチ ボリューム Pervasive PSQL データ ファイル
Pervasive PSQL ファイルおよびトランザクション ログが複数のボリューム上に存在することもあります。Pervasive PSQL ファイルをバックアップする場合、ほかのボリューム上にあるトランザクション ログと関連ファイルは同時にバックアップする必要があります。互いに独立しているファイルは、関連しない Pervasive PSQL ファイルと同時にバックアップする必要はありません。
•バックアップ ソリューションの互換性
特定のバックアップおよび復元製品が Pervasive PSQL VSS Writer を認識するかどうか、スナップショットの準備をライターに通知するかどうかを判断するためには、その製品でバックアップを開始します。バックアップ処理の進行中に、pvsw.log で PSQL VSS Writer が Frozen または Thawed 状態を記録するかどうかを調べます。バックアップおよび復元製品が PSQL Writer に対しバックアップの準備を通知しない場合は、PSQL Backup Agent などの別のソリューションを使用して定義済みかつ整合状態で PSQL データ ファイルをバックアップする必要があります。
•Pervasive PSQL VSS Writer と復元操作
バックアップ ソフトウェアで復元操作を実行する前に Pervasive PSQL サービスを停止してください。これを行わないと、VSS Writer が VSS リクエスターに対し、復元に参加できないことを通知します。データの整合性を保証するためには、トランザクション ログがデータ ファイルと共に復元される必要があります。Pervasive PSQL が実行している間に Pervasive PSQL データとトランザクション ログ ファイルが復元された場合、その復元結果は予測不能でデータの破損を招く恐れがあります。
•Pervasive PSQL VSS Writer および Pervasive Continuous オペレーション
もう既に Pervasive Continuous オペレーションまたは Pervasive Backup Agent を使用する既存のバックアップ処理を利用されている場合もあるでしょう。そのバックアップ処理を Pervasive PSQL Vx Server および Pervasive PSQL VSS Writer でも引き続き使用することができます。Pervasive PSQL VSS Writer は Continuous オペレーションや Backup Agent の機能を妨げることはありません。ただし、Pervasive PSQL VSS Writer と Continuous オペレーション(または Backup Agent)を併用しても利点はありません。どちらか一方の方法を選択すれば、バックアップ処理はより簡潔になります。
Pervasive PSQL VSS Writer が呼び出されたときにファイルが Continuous オペレーション モードに置かれている場合、VSS Writer はすべての Continuous オペレーションから独立して動作します。VSS バックアップが進行中にファイルが Continuous オペレーション モードに置かれた場合は、バックアップが完了した後に PVSW.LOG を見てください。Frozen および Thawed 状態が問題なく完了していること、またデータが定義済みかつ整合状態にあることを確認してください。
Pervasive PSQL VSS Writer は Microsoft VSS フレームワークも必要とします。Backup Agent では Microsoft VSS フレームワークを使用しません。したがって、Microsoft VSS フレームワークが Pervasive PSQL VSS Writer を呼び出し、I/O 操作が停止された場合でも、Backup Agent はバックアップに参加しません。Backup Agent は別途バックアップ処理に追加する必要があります。そのバックアップ処理は Backup Agent の開始と停止を行う必要もあります。
ハイパーバイザー製品との互換性
Pervasive PSQL Vx Server は以下の製品との互換性があります。
•VMware vSphere(vMotion および vLockstep を含む)
•VMware Distributed Resource Scheduling
•VMware High-Availability
•VMware Fault Tolerance
•VMware Site Recovery Management
•VMware View
•VMware ThinApp
•Microsoft
•Hyper-V ライブ マイグレーション
•App-V
•Citrix
•XenServer と XenMotion
•XenDesktop
•XenApp
各製品の詳細については、そのベンダーの Web サイトを参照してください。それらの製品を用いて Pervasive PSQL Vx Server を最も効果的に使用する方法については、
Pervasive PSQL Vx Server とハイパーバイザー製品のトピックを参照してください。
Pervasive PSQL Vx Server に関する FAQ
次の表では、Pervasive PSQL Vx Server についてよく寄せられる質問(FAQ)を記載しています。
表 3 Pervasive PSQL Vx Server についてよく寄せられる質問
質問 | 回答 |
Pervasive PSQL Server または Workgroup を Pervasive PSQL Vx Server へアップグレードすることはできますか? | いいえ。Pervasive PSQL Vx Server は別の製品であるため、個別にフル インストールする必要があります。 |
Pervasive PSQL Server 用のキーで Pervasive PSQL Vx Server を認証することができますか? | いいえ。Pervasive PSQL Vx Server には専用のキーが必要です。 |
Pervasive PSQL Vx Server は手動認証またはオフライン認証をサポートしますか? | いいえ。手動認証やオフライン認証用のユーティリティは不要で含まれてもいません。Pervasive PSQL Vx Server はインターネット常時接続が要件となっているからです。 |
Pervasive PSQL Vx Server はワークグループで使用可能ですか? | いいえ。Pervasive PSQL Vx Server はサーバーでのみ使用可能です。 |
物理マシンで Pervasive PSQL Vx Server を実行することはできますか? | |
Pervasive PSQL Vx Server と Pervasive PSQL Server を同じ物理マシンまたは同じ仮想マシンへ同時にインストールすることはできますか? | いいえ。これらは別個の製品であり、同じマシンに対して同時にインストールすることはできません。 |
License Administrator は Pervasive PSQL Vx Server を単独の製品として識別しますか? | はい。Pervasive PSQL Server と Pervasive PSQL Workgroup が別々の製品であるように、この製品も個別の製品です。 |
Pervasive PSQL Vx Server はどのオペレーティング システムで使用可能ですか? | Pervasive PSQL Vx Server は Windows および Linux オペレーティング システムでサポートされます。 詳細については、 Pervasive PSQL Web サイト http://www.agtech.co.jp/products/pervasive/ をご覧ください。 |
自分の仮想化製品が仮想マシン用の機能をサポートする場合、Pervasive PSQL Vx Server は複製またはコピーすることができますか? | はい。コピーまたは複製された仮想マシン用など、Pervasive PSQL Vx Server の追加インスタンスには個別にライセンスが必要なので注意してください。 Pervasive PSQL Vx Server の動作要件も参照してください。 |
自分の仮想化製品がリソース プールやテンプレートをサポートする場合、Pervasive PSQL Vx Server はリソース プールおよびテンプレートで使用することができますか? | |
どのようなクライアントが Pervasive PSQL Vx Server と互換性がありますか? | Pervasive PSQL v11 SP2 以上のクライアントは Pervasive PSQL Vx Server に付属のクライアントと同一のものです。 Pervasive PSQL v10 のクライアントと Pervasive PSQL v11 SP2 より前のクライアントは Pervasive PSQL Vx Server と完全に互換性があります。ただし次のような 2 つの制限事項があります。 •そのクライアントで提供された License Administrator では Vx Server ライセンスのすべての属性を表示しません。 •旧バージョンの Pervasive PSQL で使用した同じアプリケーションを使用する場合、そのクライアントの API によって(ライセンス数を超える)より多くのライセンスを消費する可能性があります。 Pervasive PSQL Vx Server とはライセンスが異なるため、Pervasive Software では Pervasive PSQL Vx Server に付属のクライアント、または Pervasive PSQL v11 SP2 以上のクライアントを使用することをお勧めします。これにより、アプリケーションはライセンスを正確にカウントすることができ、またクライアントによる License Administrator でライセンス準拠を正しく監視できます。 メモ: Pervasive PSQL v11 Client にはアップデートが利用できます。最新のアップデートを適用すれば、アプリケーションはライセンスを正確にカウントし、Pervasive PSQL v11 Client による License Administrator でライセンス準拠を正しく監視できます。このアップデートの対象は Pervasive PSQL v11 のみで、Pervasive PSQL v11 より前の製品には使用できません。 |
ネットワークがインターネット接続を失った場合、Pervasive PSQL Vx Server の動作は直ちに停止しますか? | いいえ。接続を復旧し、Pervasive PSQL Vx Server を再検証するための期間が 30 日間設けられます。Pervasive PSQL Vx Server はさまざまなメッセージ リポジトリにメッセージを記録して、インターネット接続が失われていることを通知します。 |
Pervasive PSQL Vx Server には製品マニュアルがありますか? | 独自のマニュアル セットはありません。なぜなら、Pervasive PSQL Vx Server は Pervasive PSQL で用いられる技術を基に構築されており、Pervasive PSQL Server 用に提供されているデータベース機能やドキュメントの多くが同じだからです。ほかのマニュアル全体を通して、特に異なる点を明記していない限り、Pervasive PSQL Server に関する記述はすべて Pervasive PSQL Vx Server にも該当します。このマニュアル『Pervasive PSQL Vx Server Product Guide』は Pervasive PSQL Vx Server のみを対象に説明されているため、参照しやすくなっています。 |
Pervasive PSQL Vx Server に関する詳しい情報がほかにありますか? | 既存の全情報については、http://www.agtech.co.jp/products/pervasive/ をご覧ください。 |
定義
ハイパーバイザー製品には、聞き慣れない用語があるかもしれません。このセクションでは、より一般的な用語や Pervasive PSQL Vx Server でのみ用いられる用語について説明します。用語が Pervasive PSQL ドキュメントで使用されている場合は、以下の定義により Pervasive PSQL Vx Server を指します。
表 4 ハイパーバイザー製品および Pervasive PSQL Vx Server に関する用語
用語 | 定義 |
アプライアンス | 仮想マシンをホストするハイパーバイザーを実行する物理マシン。 |
複製操作 | 元のマシンと同じ MAC アドレスおよびシステム ID(SID)を持つ仮想マシンを作成する手順。 |
クローン | 仮想マシンの複製。完全クローンとは、元の仮想マシンの完全なコピーで、関連する仮想ディスクもすべて含まれます。リンク クローンとは、元の仮想マシンのコピーです。このコピーの場合は、親仮想マシンの仮想ディスクへアクセスする必要があります。リンク クローンは、仮想ディスクに対する変更を別個のファイル セットに保存します。 |
コンバーター(Converter) | 物理マシン イメージを仮想マシンに変換する、または、ある仮想マシン フォーマットを別の仮想マシン フォーマットへ変換するためのツール。デフォルトで、変換される仮想マシンには別の MAC アドレス、IP アドレスおよびシステム識別子(SID)が設定されますが、変換時にこれらのプロパティを簡単に編集することができます。 |
コピーされた仮想マシン | 仮想マシンがコピーされるよう修正された場合、その仮想マシンはコピーされたと見なされます。コピー後には 2 つの異なる仮想マシンが存在します。 |
コピー操作 | 元のマシンとは異なる MAC アドレスおよびシステム ID(SID)を持つ仮想マシンを作成する手順。 |
DPM | DPM(Distributed Power Management)は VMware, Inc. によって提供される機能であり、作業負荷の要求に応じて DRS クラスターの容量の動的なライトサイジングを行うことで電源を節約します。 DRSも参照してください。 |
DRS | DRS(Distributed Resource Scheduler)は VMware, Inc. によって提供される機能であり、論理リソース プールに統合された一連のハードウェア リソース全体で、コンピューティング キャパシティの動的な調整を行います。DRS は、リソース プールの物理マシン間で仮想マシンを再配置することにより、追加リソースを自動的に割り当てます。 リソース プールを参照してください。 |
ESXi | VMware, Inc. によって提供されるエンタープライズ レベルのコンピューター仮想化製品であり、基盤となるオペレーティング システムを追加することなくサーバー ハードウェア上で直接実行します。 |
EVC | EVC(Enhanced vMotion Compatibility)は VMware, Inc. によって提供される機能であり、これを使用すれば異なる世代の CPU 間で仮想マシンを移行することができます。 |
FCoE | FCoE(Fiber Channel over Ethernet)は、Fiber Channel プロトコルを Ethernet ネットワークを通じて利用するための標準規格です。 |
FT(フォールト トレランス) | FT(Fault Tolerance:フォールト トレランス)は、ハードウェアやソフトウェアで予期せぬ障害が発生したときに、システムが正常な動作を保ち続ける能力です。フォールト トレランスの最低レベルは、電源障害が発生したときにも動作を継続できる能力です。多くのフォールト トレラント コンピューター システムでは、すべての動作をミラー化し各動作は 2 つ以上の複製システム上で実行されるため、一部で障害が発生してもほかのシステムでその動作が継続されます。 |
FT/HA | Fault Tolerance(フォールト トレランス)/High Availability(高可用性)。 FT(フォールト トレランス)および HA(高可用性)を参照してください。 |
完全仮想化 | 仮想化のタイプの 1 つ。仮想マシンがハードウェアを完全にシミュレートすることで、ゲスト オペレーティング システムは修正されることなく独立して実行できます。 |
ゲスト | 仮想マシンで実行するオペレーティング システム。1 つのハイパーバイザーに複数のゲストはあり得ますが、1 台の仮想マシンには 1 つのみです。 ホストも参照してください。 |
HA(高可用性) | HA(High Availability:高可用性)とは、システムでコンポーネントの障害が発生した場合の、コンピューター システムにおけるリソースの可用性を指します。可用性とは、新しい動作を送信する、既存の動作をアップデートまたは変更する、あるいは前の動作の結果を収集するのいずれを問わず、ユーザー コミュニティーがシステムにアクセスする能力を指します。 |
ハードウェア アシストによる仮想化 | 仮想化のタイプの 1 つ。仮想マシン モニターの構築を容易にする構造上のサポートをハードウェアが提供することで、ゲスト オペレーティング システムは独立して実行できます。ハードウェアが仮想化への取り組みの改善に大きく貢献するので、最も強力な仮想化の形態です。 |
HBA | HBA(Host Bus Adapter)はホスト コンピューターのバスとファイバ チャネル ループ間に存在する I/O アダプターで、2 つのチャネル間における情報の転送を管理します。ホスト プロセッサーのパフォーマンスに与える影響を最小限に抑えるためには、ホスト バス アダプターは自動的に多くの低レベル インターフェイス機能を実行するか、あるはい最小プロセッサーを伴って実行します。 |
ホスト | 仮想化ソフトウェアを使用して仮想マシンを実行するコンピューター。ホスト マシンまたはホスト コンピューターとも呼ばれます。仮想化ソフトウェアがインストールされている物理コンピューターです。 |
ハイパーバイザー | 複数のオペレーティング システムを 1 台のホスト コンピューターで同時に実行できるプラットフォーム。 |
アイドル状態 | 仮想マシンは実行中であるが、オンラインで操作が行われていない、または実際の動作を行なっていない状態。 vLockStepも参照してください。 |
ライブ マイグレーション | Microsoft の用語で、ネットワーク接続が切断されることなく、またユーザーにダウンタイムを認識させることもなく、仮想マシンを実行したまま別のアプライアンスへ移動させること。 |
MAC アドレス | MAC(Media Access Control)アドレスは、ネットワークの各ノードを一意に識別するハードウェア アドレスです。 |
移動動作 | 仮想マシンを構成するファイルをある場所から別の場所へ移動させる動作で、移動後、仮想マシンのインスタンスは 1 つのみになります。 クローン とは対照的です。 |
OVF | OVF(Open Virtualization Format)は、仮想アプライアンスの移植と配置のために策定されたパッケージングのための標準です。OVF を使用すれば、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)は、顧客各自が選択した仮想化プラットフォームで実行させることができる、パッケージ化された単一のアプライアンスを作成できます。http://dmtf.org/jp/technology/vman で、DMTF(Distributed Management Task Force)の仮想化管理も参照してください。 |
準仮想化 | 仮想化のタイプの 1 つ。仮想マシンはハードウェアをシミュレートする必要はありませんが、その代わりに特別な API を提供します。この API を用いて、ゲスト オペレーティング システムは、ハイパーバイザーに対し従来とは異なる方法で動作するよう依頼する特殊なハイパーコール(Hypercall)を行うことができます。たとえば、準仮想化環境は、実際にできる以上に、完全に異なるハードウェア上で実行されているように装うことができます。 |
部分仮想化 | 仮想化のタイプの 1 つ。ターゲット環境の一部がシミュレートされます。通常、これはオペレーティング システム全体を仮想マシンで実行できない(これを実行できるのが完全仮想化)が、多くのアプリケーションが実行できることを意味します。ターゲット環境の特定のハードウェア機能がシミュレートされない場合、それらの機能を使用するアプリケーションはエラーになります。 |
物理的 Pervasive PSQL Vx Server | 物理マシン上の Pervasive PSQL Vx Server インスタンス。 Pervasive PSQL Vx Server インスタンスも参照してください。 |
プール | 仮想マシンのアクセス制御、組織および制限を論理的にグループ化したもの。それらの仮想マシンは既にロード、設定および認証されており、アイドル/サスペンド状態になっています。仮想マシンをホストするアプライアンスの可能性を除けば、仮想マシンがプールから開始されたときその仮想マシンは何も変更されません。 |
Pervasive PSQL Vx Server インスタンス | 物理マシンまたは仮想マシンにインストールされた Pervasive PSQL Vx Server。 |
クイック マイグレーション | Microsoft の用語で、仮想マシンをサスペンドし、それを別のアプライアンスへ割り当てた後、その仮想マシンを再開します。この仮想マシンへの接続は削除されます。 |
リソース プール | リソース(CPU、メモリ、電源、ストレージおよびネットワーク リソースを含む)を柔軟に管理するための論理的な抽象概念。 |
シャドウ コピー | ストレージ配列内で選択可能なデータ部分のバックアップ コピー。 |
SRM | SRM(Site Recovery Manager)は VMware, Inc. より提供されるディザスタ リカバリ製品で、リカバリ プランの一元管理を提供し、パフォーマンスに影響を与えないテストを可能にし、そしてサイトのリカバリや移行処理を自動化します。 |
Storage vMotion | VMware, Inc. が提供する製品で、重要なアプリケーションのサービスを中断することなく、ストレージ アレイ間で仮想マシン ディスク ファイルのライブ マイグレーション(ストレージ マイグレーション)を可能にします。 |
サスペンド状態 | 仮想マシンの状態の 1 つ。オペレーティング システムや実行しているアプリケーションが実行途中で中断されるため、そのデータをサスペンド状態ファイルに書きこむことができます。その後、サスペンドした仮想マシンは、サスペンド状態が開始されたときと同じ場所からすべてのアプリケーションとデータを伴い再開することができます。サスペンド状態は、さまざまなオペレーティング システムによって提供される休止状態機能に似ています。 |
テンプレート | 仮想マシン テンプレートは、繰り返し使用できるハードウェアおよびソフトウェア設定の標準グループを提供して、それらの設定で構成される仮想マシンを新たに作成します。通常、テンプレートから作成された新しい仮想マシンには、異なる MAC アドレスとシステム ID(SID)が生成されます。それ以外の構成やソフトウェアのプロパティは、テンプレートの開始時および新しい仮想マシンの作成時にそれらを変更しない限り、テンプレートのソースである仮想マシンと同じです。 ハイパーバイザー製品によっては、一度だけ実行されるスクリプトを指定して、仮想マシンごとのカスタマイズ処理を起動させることもできます。たとえば、Pervasive PSQL Vx Server の clilcadm ユーティリティを起動する 1 回実行スクリプトを使用してキーを認証できます。 |
TrueCopy | Hitachi Data Systems が提供する製品の 1 つで、障害回復または離れた場所間でのデータ移行に対し、継続的、非破壊的およびホスト非依存のリモート データレプリケーションを提供します。 |
UCNA | UCNA(Universal Converged Network Adapter)は、Emulex 社が提供する高性能の Ethernet(10GbE)多機能アダプターです。これは、TCP/IP、TOE(TCP Offload Engine)、FCoE(Fiber Channel over Ethernet)および iSCSI 用のプロトコル オフロードを使用して、最適化されたネットワークとストレージ パフォーマンスを提供します。 |
USP | USP(Universal Storage Platform)は、Hitachi Data Systems 製品ラインにおけるエンタープライズ向けストレージ アレイ用のブランド名です。 |
vLockStep | VMware, Inc. のフォールト トレランスの背後にある機能で、2 つの仮想マシンを同期させます。 |
仮想マシン | 仮想マシン(Virtual Machine)。マシン(コンピューター)のソフトウェア実装で、物理マシンのようにプログラムを実行します。 |
vMotion | VMware, Inc. の機能の 1 つで、継続的なサービスの可用性、完全なトランザクションの整合性を維持しながら、ダウンタイムなしで実行中の仮想マシンをある物理サーバーから別のシステムへライブ マイグレーションすることができます。 |
XenMotion | Citrix の製品 XenServer に含まれる機能の 1 つで、停止またはダウンタイムなしで、ある物理ホスト システムから別のシステムへ仮想マシンの実行をライブ マイグレーションすることができます。 |