Pervasive PSQL Vx Server とハイパーバイザー製品
さまざまなハイパーバイザー製品と共に Pervasive PSQL Vx Server を使用するためのヒント
この章では、ハイパーバイザー製品を用いて Pervasive PSQL Vx Server を最も効果的に使用するためのトピックを提供します。 以下の項目について説明します。
ハイパーバイザー製品のインストール
ほかの複雑なソフトウェアと同様に、ハイパーバイザー製品は非標準および特殊な設定を用いるなど、さまざまな方法でインストールすることができます。Pervasive PSQL Vx Server との互換性のため、製品ベンダーが推奨する最善手法を使用してハイパーバイザー製品をインストールおよび設定してください。
Pervasive PSQL Vx Server の使用法のヒント
ここでは、Pervasive PSQL Vx Server の使用に関する以下の項目について説明します。
物理マシンから仮想マシンへの移行
当初は Pervasive PSQL Vx Server をインストールしていた物理マシンを、ビジネスのニーズの変化に応じて仮想マシンに移行することができます。
物理マシンから仮想マシンへ移行する場合は、MAC アドレスとホスト名を移行前と同じままにすること、またインターネット接続が可能である必要があります。移行を実行する前に、移行する物理マシンの NIC ごとの MAC アドレスを必ず記録しておいてください。
いくつかのハイパーバイザー移行ユーティリティでは、MAC アドレスを手動で指定するのではなく、新しい MAC アドレスが自動的に生成されることがあります。そのような状況の場合、Pervasive PSQL Vx Server が確実に仮想マシンで実行するよう、以下のいずれかの操作を行う必要があります。
•仮想マシンの MAC アドレスを物理マシンの MAC アドレスの値へ変更します。ハイパーバイザー製品によっては、ネットワーク アダプターごとに仮想マシンのプロパティを編集する必要があるかもしれません。
•移行を実行する前に、物理マシン上の Pervasive PSQL Vx Server のキーを必ず認証解除しておきます。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
キーを認証解除するにはを参照してください。移行が完了したら、仮想マシン上でキーを再認証し、仮想マシンが適切に動作していることを確認してください。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
キーを認証するにはを参照してください。
Pervasive PSQL Vx Server は IP アドレスに依存しませんが、仮想マシン自体は依存する可能性があります。異なる MAC アドレスがネットワーク ノードに割り当てられると、仮想マシンに異なる IP アドレスが割り当てられてしまう可能性が高くなるので注意してください。お使いの仮想マシンが DNS(Domain Name System)ではなく、生の IP アドレス、またはホスト ファイルに依存する場合は、必ず IP アドレスに関して適切な対応を行なってください。
擬似インターフェイス
"ipconfig /all"(Windows)または "ifconfig -a"(Linux)などの特定のネットワーク コマンドを実行した場合は、擬似インターフェイスを見ることがあります。たとえば、Windows で IPv6 が有効な場合、Teredo および ISATAP 擬似インターフェイスを見ることができます。Linux の場合、IPv6 を有効にすると、sit0 という擬似インターフェイスを作成します(ハイパーバイザー製品によっては、Linux 上で vmnet0、vir0、vix0 または br0 などの擬似インターフェイスが見えることもあります)。
擬似インターフェイスに MAC アドレス(物理アドレスまたは HWaddr )がない場合、このインターフェイスを無視できます。Pervasive PSQL Vx Server の認証に関係するのは、MAC アドレスが割り当てられたインターフェイスのみです。
Pervasive PSQL Vx Server はどれが実際のインターフェイスであり、どれが擬似インターフェイスかを判断しようとします。ハイパーバイザー ベンダーおよびプラットフォーム ベンダーにとって、そのような判断はより困難です。擬似インターフェイスによって、指定できないまたは変更できない MAC アドレスが割り当てられている状況に遭遇した場合は、以下の手順に従ってください。
1 Pervasive PSQL Vx Server キーの認証を解除します。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
キーを認証解除するにはを参照してください。
2 ネットワーク サービス(IPv6 など)またはインターフェイス(NIC など)をインストール、有効化、無効化または削除します。
MAC アドレスは、その基になるサービスまたはインターフェイスが作成されたときに割り当てられます。サービスやインターフェイスが一度作成されると、MAC アドレスを変更しません。
3 Pervasive PSQL Vx Server キーを再度認証します。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
キーを認証するにはを参照してください。
上記の手順で、永続的な変更を仮想マシンに適用します。ネットワーク サービスまたはインターフェイスに対し、一時的、短期間の変更を行う必要がある場合は、これらの手順は省くことができます。
たとえば、デバッグ目的で NIC を追加インストールする必要があるとします。そのような NIC の追加によって、Pervasive PSQL Vx Server キーの状態は "検証失敗" に変わります。Pervasive PSQL Vx Server は検証失敗の状態でも 30 日間は正常に機能します。
デバッグが完了したら、追加した NIC を削除します。License Administrator で修復を実行します。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
キーを修復するにはを参照してください。修復後、Pervasive PSQL Vx Server キーの状態は "アクティブ" に戻ります。
仮想マシン ネットワーク サービスおよびインターフェイスが 30 日以内に元の構成に戻される場合は、検証失敗の状態でも Pervasive PSQL Vx Server は完全に機能し続けます。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
検証失敗および検証失敗期間も参照してください。
設定
ライブ マイグレーション、フォールト トレランス、高可用性、準仮想化、リソースのスケジューリングおよび障害回復などのハイパーバイザー製品機能を使用するために、Pervasive PSQL Vx Server を特別な手順で設定する必要はありません。 MAC アドレスとホスト名に一貫性があり、インターネット接続が有効であれば、Pervasive PSQL Vx Server は認証され、完全に機能し続けます。
障害回復など特定の状況ではネットワークやハードウェアの変更が必要となることもあります。以下の項目を変更しても Pervasive PSQL Vx Server には悪影響を与えません。
•仮想マシンの IP アドレス
•仮想マシンのハードウェア(CPU の種類、CPU の速度、メモリの量および記憶域の種類やサイズなど)
データベース エンジンが起動している場合、Pervasive PSQL Vx Server はメモリの増加や物理ストレージなどハードウェアの特定の変更を認識しないので注意してください。このような変更を認識させる場合は、データベース エンジンを停止して再起動する必要があります。
仮想マシン リソース プールおよびテンプレート
Pervasive PSQL Vx Server は仮想マシン リソース プールおよびテンプレートで使用することができます。両方を使用する場合は、それぞれの Pervasive PSQL Vx Server で独自の製品キーが必要となります。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
ライセンスの実施を参照してください。
リソース プール
リソースプール内の、データベース エンジンを含む各仮想マシンで Pervasive PSQL Vx Server が認証される必要があります。また、この仮想マシンは Pervasive PSQL Vx Server の動作要件を満たしている必要があります。
動作要件を参照してください。
テンプレート
テンプレートから作成した仮想マシンで Pervasive PSQL Vx Server を認証するには、構成スクリプトを使用することができます。このスクリプトは、ゲスト オペレーティング システムのカスタマイズ時に、Pervasive PSQL Vx Server キーを認証するための CLI License Administrator ユーティリティを起動することができます。この認証にはインターネット接続が必要です。『
Pervasive PSQL User's Guide』の
License Administrator のコマンド ライン インターフェイスを参照してください。
ゲスト オペレーティング システムのその他のプロパティ(ホスト名など)をカスタマイズすることを忘れないでください。それらのプロパティは Pervasive PSQL Vx Server の実行には依存しません。
フェイルオーバー クラスター サポート
一般的なガイドラインとして、共通(アフィニティ)規則を使用する場合は、必ずすべてのコアを同じソケットで実行するようにしてください。Pervasive PSQL Vx Server はマルチコアをサポートするため、これがパフォーマンスの向上に役立ちます。ご自身の構成に応じて非共通規則を使用することもできます。
MSCS 構成用のデータ デバイスとして RDM(Raw Device Mapping)を使用する場合は考慮すべき事項があります。RDM については、ベンダーのドキュメントを参照してください。
DRS(Distributed Resource Scheduler)でフォールト トレランス/高い可用性を使用する場合、ロード バランスはフェイルオーバー後にのみ行うことができることに留意してください。DRS については、ベンダーのドキュメントを参照してください。
パフォーマンス
Pervasive PSQL Vx Server で最高のパフォーマンスを実現するには、以下の事項を順守してください。
•ハイパーバイザー ベンダーからのパフォーマンス最良実施例に従うこと。
•Pervasive PSQL Vx Server をホストする仮想マシンに十分なメモリ(RAM)が確保されていること。
•ハイパーバイザー ホストには十分な数の仮想 CPU があり、同じマシン上の全仮想マシンの中で仮想 CPU の競合を最小化します。これにより、Pervasive PSQL Vx Server を実行する仮想マシンとの競合が避けられます。共通(アフィニティ)規則を使用する場合は、必ずすべてのコアを同じソケットで実行するようにしてください。
•Pervasive PSQL Vx Server データ ファイルは高速な物理ストレージに存在し、物理ストレージ デバイスに対するスピンドルの競合およびコントローラーの競合を最小化します。
データのバックアップ
ハイパーバイザー製品および Pervasive PSQL Vx Server ライセンスに関する FAQ
次の表では、ハイパーバイザー製品および Pervasive PSQL Vx Server ライセンスについてよく寄せられる質問(FAQ)を記載しています。
表 9 ハイパーバイザー製品および Pervasive PSQL Vx Server ライセンスに関する FAQ
質問 | 回答 |
Pervasive PSQL Vx Server ライセンス用の MAC アドレスはいつ設定する必要がありますか? | 以下の状況から作成された仮想マシンの場合、同じ MAC アドレスを持っている可能性が非常に高いです。 •クローンから作成された •テンプレートから作成された •既存の仮想マシンから変換された •vApp の一部としてロードされた これらの状況の場合は、Pervasive PSQL Vx Server に対して MAC アドレスを設定する必要はありません。ただし、ホスト名や MAC アドレスが同じであっても、Pervasive PSQL Vx Server はそのインスタンスごとに独自の期限なしライセンス キーが必要です。 そのため、上記の状況を実行する前に、Pervasive PSQL Vx Server 製品キーの認証を解除しておいてください。仮想マシンが作成されたら、Pervasive PSQL Vx Server の各インスタンスを一意のキーで認証します。Pervasive PSQL License Administrator は、ハイパーバイザー製品に応じてプログラムから、または手動で起動することができます。詳細については、お使いのハイパーバイザー ドキュメントを参照してください。 物理マシンを仮想マシンへ変換する場合、その仮想マシンには元の物理マシンとは異なる MAC アドレスが割り当てられる可能性が高いです。その場合、Pervasive PSQL Vx Server を使用するためにはその MAC アドレスを設定する必要があります。 Pervasive PSQL Vx Server ライセンス用の MAC アドレスはどのように設定すればよいですか?および 物理マシンを仮想マシンに変換する場合、その仮想マシンでも Pervasive PSQL Vx Server ライセンスは有効ですか?を参照してください。 |
Pervasive PSQL Vx Server ライセンス用の MAC アドレスはどのように設定すればよいですか? | 次の情報を使用して、仮想マシンに静的 MAC アドレスを割り当てます。 Windows Linux 次のコマンドを使用します。 service network stop ifconfig eth0 hw ether <割り当てる静的 MAC アドレス> service network start |
仮想マシンの再起動後に Pervasive PSQL Vx Server のライセンス検証が失敗することがありますか? | はい。仮想マシンの再起動によって新しい MAC アドレスが割り当てられることがあります。その仮想マシンは新しい MAC アドレスを自動的に生成するよう設定されている可能性があります。 新しい MAC アドレスが割り当てられないようにするためには、仮想マシンに対して静的 MAC アドレスを割り当ててください。 Pervasive PSQL Vx Server ライセンス用の MAC アドレスはどのように設定すればよいですか?を参照 |
物理マシンを仮想マシンに変換する場合、その仮想マシンでも Pervasive PSQL Vx Server ライセンスは有効ですか? | 状況によります。変換処理で静的 MAC アドレスを直接指定できるか、または変換処理によって新しい MAC アドレスが自動的に生成されるのかによってライセンスの有効性は異なります。 |