Windows Nano Server および Windows IoT Core への PSQL のインストール
特殊な Windows オペレーティング システムへの PSQL の追加
以下のセクションでは、Windows Nano Server と Windows IoT Core における PSQL Server、Client、および Client Reporting Engine のインストールと設定について説明します。
Windows Nano Server または IoT Core に PSQL をインストールする前に
これらのプラットフォームに PSQL をインストールする前に、
弊社の Web サイトにあるリリース ノートを確認することをお勧めします。また、PSQL マニュアル全体を通して、PSQL Server に関する説明は、Windows Nano Server および IoT Core システムにインストールされる当該製品と共通です。
この製品をインストールするには、管理者としてログインする必要があります。
PowerShell を使用した PSQL のインストール
Windows の Nano Server や IoT Core に PSQL をインストールするのに、Microsoft PowerShell および .zip アーカイブ形式が使用されます。以下のセクションでは、これらを使って PSQL をインストールする方法について説明します。
PSQL をインストールするための .Zip アーカイブの選択
次の表から、PSQL のインストール先となるオペレーティング システムに対応する .zip ファイルを選択します。
Windows プラットフォーム | サポートされる PSQL 製品 | .Zip アーカイブ |
---|
Nano Server | Server、Client、Client Reporting Engine | Install-PSQL-Any-yy.yy-zzz.zzz-winuwp.x86_64.zip |
Windows IoT Core、x86 | Server、Client | Install-Zen-IoT-yy.yy-zzz.zzz-winuwp.x86.zip |
Windows IoT Core、ARM32 | Server、Client | Install-Zen-IoT-yy.yy-zzz.zzz-winuwp.arm32.zip |
ファイルの名前において、yy.yy はリリース番号を示し、zzz.zzz はビルド番号を示します。実際の名前はファイルをご確認ください。
サーバー インストールには、エンジン関連ファイル、クライアント関連ファイル、および選択したユーティリティが含まれます。クライアント インストールには、クライアントのサポートに必要なファイルとユーティリティのみが含まれます。Client Reporting Engine のインストールは、ほかの Windows プラットフォームへの Client Reporting Engine のインストールと同じです。
インストールは、以前のバージョンが存在しない初めてのインストールか、インストールされている既存のバージョンをアップグレードするインストールのいずれかです。
Windows Nano Server または IoT Core への初めてのインストール
.zip ファイルを選択し、ターゲット システムにコピーしたら、以下の手順に進みます。手順が完了したら、
Windows ファイアウォール設定を参照してください。
►PowerShell を使って PSQL をインストールするには
1 ターゲット システムで管理者として PowerShell セッションを開始します。
2 インストールの .zip アーカイブを展開します。
PowerShell Expand-Archive コマンドレットを使用できます。たとえば、temp フォルダーにあるアーカイブを新しいフォルダー、C:\temp に展開するには、次の PS コマンドを使用します。
PS> Expand-Archive -Path "$env:temp\Install-Zen-IoT-13.20-014.000-winuwp.x86.zip" -DestinationPath "C:\temp"
3 PS コマンド Install-PSQL.ps1 を、インストールする PSQL 製品を選択する 1 つの引数を指定して実行することで、インストールを開始します。
•Windows Nano Server の場合には、有効な引数は Server、Client、または Reporting です。
•Windows IoT Core の場合には、有効な引数は Server または Client です。
たとえば、.zip ファイルを C:\temp\PSQL に展開してPSQL Server をインストールしたい場合は、以下のコマンドを実行します。
PS> C:\temp\PSQL\Install-PSQL.ps1 server
進捗情報がコンソールに表示され、ログ ファイルがユーザーの一時フォルダー $env:temp に作成されます。
インストールの後では、.zip アーカイブとそこから展開したファイルを削除することでディスク容量を再利用できます。
Windows ファイアウォール設定
Windows Nano Server システムおよび Windows IoT Core システムへの PSQL のインストールでは、Windows ファイアウォール規則によってファイアウォールを介した通信を可能にする必要があります。これらの規則はデフォルトでは有効になっていません。これらの規則を有効にするには、デフォルトの PSQL インストールの C:\Program Files\Actian\PSQL\bin に格納されている PowerShell スクリプト、Enable-PsqlFirewallRules.ps1 を実行します。指定した Windows ファイアウォール プロファイルに対してのみ規則を有効にする必要がある場合は、次の引数のいずれかを入力します。
•domain
•private
•public
•any(デフォルト)
以下は domain 引数を使ってファイアウォールを有効にしている例です。
PS> & "C:\Program Files\Actian\PSQL\bin\Enable-PsqlFirewallRules.ps1" domain
引数を入力しない場合は、すべての Windows ファイアウォール プロファイルに対して規則が有効になるため、引数 any を入力した場合と同じになります。スクリプトを実行すると、全プロファイルに対する規則の現行状態が表示されます。
Windows Nano Server または IoT Core でのアップグレード
Windows Nano Server や Windows IoT Core にインストールされている既存のバージョンの PSQL をアップグレードするには、新しい .zip アーカイブを使って同じインストール手順を実行します。
初めてのインストール後に、Windows ファイアウォール規則に対して行った変更をやり直す必要はありません。
Windows Nano Server または IoT Core への PSQL のインストール後の作業
以下のセクションは、PSQL をインストールした後で役立つ可能性があります。PSQL マニュアル全体を通して、PSQL Server に関する説明は、Windows Nano Server および IoT Core システムにインストールされる当該製品と共通です。
サーバー設定
PSQL Server 用の設定はすべて Windows Nano Server および IoT Core でも利用できます。一般的に、PSQL Server のデフォルト設定はそのまま使用しても問題はありません。これらの設定に関する詳細は、『
Advanced Operations Guide』の
設定リファレンスを参照してください。
クライアント設定
PSQL Client の基本的な設定については、
クライアント用のネットワーク通信の設定で説明しています。すべてのクライアント設定に関する詳細は、『
Advanced Operations Guide』の
Windows クライアント設定プロパティを参照してください。
ライセンス管理
Windows Nano Server および IoT Core ではいずれも、PSQL は製品キーでなくライセンス キーを使用します。
Windows IoT Core システムでのコード ページ設定
現在のリリースでは、Windows IoT Core への PSQL インストールのコード ページは、デフォルトで "Western European 1252" に設定されます。コード ページを変更するには、PowerShell を使用します。たとえば、コード ページ設定を日本語システム用に Microsoft Windows 932 に変更するには、次のコマンドを使用します。
Set-ItemProperty -Path HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\CodePage -Name ACP -Value 932
インストール後の操作に関する一般的な質問
インストール後に問題が生じた場合は、
インストール後のトラブルシューティングを参照してください。製品のインストール後の操作に関する一般的な質問は次のとおりです。
データベース エンジンが実行しているかどうかを確認する方法
インストール スクリプトが終了したら、PowerShell の Get-Service コマンドを使用してデータベース エンジンが実行されているかどうかを確認できます。そのためには、コマンド プロンプトで以下のように入力します。
Get-Service -DisplayName "Actian PSQL*"
エンジンが実行中の場合、このコマンドによって次の情報が返されます。
Status Name DisplayName
------ ---- -----------
Running Pervasive.SQL (... Actian PSQL Relational Engine
Running Pervasive.SQL (... Actian PSQL Transactional Engine
リレーショナル エンジンまたはトランザクショナル エンジンが停止している場合、以下のコマンドを記載されている順序どおりに実行することで、エンジンを手動で起動することができます。
Start-Service -DisplayName "Actian PSQL Transactional Engine"
Start-Service -DisplayName "Actian PSQL Relational Engine"
エンジン サービスは、オペレーティング システムの起動と共に自動的に開始します。サービスを停止する必要がある場合は、次のコマンドを使用します。
Stop-Service -DisplayName "Actian PSQL*"
このコマンドの実行後、Get-Service コマンドを実行すると、次のような情報が返されます。
Status Name DisplayName
------ ---- -----------
Stopped Pervasive.SQL (... Actian PSQL Relational Engine
Stopped Pervasive.SQL (... Actian PSQL Transactional Engine
どのようなユーティリティがインストールされますか?
Nano Server システムの場合、PSQL はフルインストールで利用できるようになったコマンドライン ユーティリティのサブセットを提供します。これらのユーティリティの構成は次のとおりです。
bcfg | butil | dbdefrag |
bdu | clilcadm | pvddl |
bmon | clipaadm | pvnetpass |
IoT Core システムの場合、このユーティリティの構成は次のとおりです。
bcfg | butil | dbdefrag |
bdu | clilcadm | pvddl |
bmon | clipaadm | pvnetpass |
PSQL ではどのようなファイルがどのディレクトリにインストールされますか?
次の表に、PSQL 製品用に Windows Nano Server と IoT Core にインストールされる主要なディレクトリとファイルの一覧を示します。変数 %ALLUSERSPROFILE% がファイルの場所を決定するために使用するのに対し、他の変数はデフォルトで C:\Program Files\Actian\PSQL を指します。
場所 | ファイル | 説明 | 対象となるインストール |
---|
C:\Program Files\Actian\PSQL | 「説明」を参照 | ライセンス情報があるファイル: •Windows Nano Server および IoT Core:EULA_ja.rtf または EULA_Client_ja.rtf •arm32:LICENSE | Server、Client |
C:\Program Files\Actian\PSQL\bin | | バイナリ ファイル、実行可能ユーティリティなど | Server、Client、Client Reporting Engine |
%ALLUSERSPROFILE%\Actian\PSQL\Demodata | | restore というディレクトリにある一連の SQL スクリプトから作成されるサンプルの PSQL データベース | Server |
%ALLUSERSPROFILE%\Actian\PSQL\samples | | サンプルの Btrieve ファイル、オルタネート コレーティング シーケンス ファイルおよび DefaultDB システム データベース | Server |
%ALLUSERSPROFILE%\Actian\PSQL\. | dbnames.cfg | データベース名のマスター テーブル | Server |
%ALLUSERSPROFILE%\Actian\PSQL\log | | トランザクション ログ ファイルのディレクトリ | Server、Client、Client Reporting Engine |
ドキュメントにアクセスする方法は?
Windows Nano Server または IoT Core への PSQL のインストールにはドキュメントは同梱されていません。PSQL のほかのエディションに同梱されているドキュメントか、または
弊社の Web サイトに掲載されているドキュメントを使用してください。
リリース ノートはどこにありますか?
リリース ノートには、リリースに関する一般的な情報や、ユーザー マニュアルではまだ取り上げていない最新の情報が記載されています。このドキュメントは Windows Nano Server や IoT Core への PSQL のインストールには同梱されていませんが、最新版を
弊社の Web サイトで公開しています。
Windows Nano Server および IoT Core からの PSQL のアンインストール
PSQL をお使いのシステムから削除するには、次の手順を使用します。
►Windows Nano Server や IoT Core から PSQL をアンインストールするには
システムから PSQL を削除するには、スクリプト Uninstall-PSQL.ps1 を使用します。このスクリプトは PSQL の bin フォルダー、C:\Program Files\Actian\PSQL\bin にあります。以下に使用する例に示すように、このパス外にある作業ディレクトリからこのスクリプトを実行する必要があります。
1 PSQL がインストールされているシステムで管理者として PowerShell セッションを開始します。
2 次に示すように、場所を設定します。
PS> Set-Location c:\
メモ:このスクリプトを PSQL のインストール先フォルダーのパス内の場所から実行すると、PSQL のファイルおよびディレクトリが削除されなくなるため、この削除スクリプトを実行した後で手動で削除しなければならなくなります。
3 削除スクリプトを実行します。
PS C:\> & "C:\Program Files\Actian\PSQL\Bin\Uninstall-PSQL.ps1"
ステータス情報がコンソールに表示され、ログ ファイルがユーザーの一時フォルダー $env:temp に作成されます。
PSQL の削除が完了しました。