Windows Nano Server および Windows IoT Core へのインストール
以下のトピックでは、Windows Nano Server と Windows IoT Core における Zen Enterprise Server、Edge Server、Client、および Client Reporting Engine のインストールと設定について説明します。
Windows Nano Server または IoT Core にインストールする前に
これらのプラットフォームに Zen をインストールする前に、
弊社の Web サイトにあるリリース ノートを確認することをお勧めします。また、ドキュメント全体を通して、Zen Enterprise Server に関する説明は、Windows Nano Server および IoT Core システムにインストールされる当該製品と共通です。
Windows IoT Core で Zen をインストールするには、管理者としてログインする必要があります。
Docker コンテナーに Nano Server をインストールする前の特別な手順
Windows Nano Server 2019 のリリースは Docker コンテナーでのみサポートされます。Docker コンテナーに、Actian Zen をインストールするための Nano Server 2019 を構築する場合は、ここで示すようなプル コマンドが必要です。
Windows プラットフォーム
Windows 10 Professional の場合、コンテナーのイメージは次のコマンドによって取得できます。
docker pull mcr.microsoft.com/windows/nanoserver:1909-amd64
Windows Server 2019 の場合、コンテナーのイメージは次のコマンドによって取得できます。
docker pull mcr.microsoft.com/windows/nanoserver:1809-amd64
Windows PowerShell
Nano Server 2019 上の Actian Zen には Windows PowerShell が必要です。そのイメージは次のコマンドで取得できます。
docker pull mcr.microsoft.com/powershell:nanoserver
DLL ファイル netapi32.dll
Zen データベース エンジンでは、プロパティを読み込んで実行する netapi32.dll が必要です。この Windows 標準 DLL はデフォルトでは Nano Server イメージに含まれていません。必要なファイルを含めるには、dockerfile に以下の行を追加します。文字列 nnnn は、使用する Windows イメージを指します。
COPY --from=mcr.microsoft.com/windows/servercore:nnnn ["\\Windows\\System32\\netapi32.dll", "\\Windows\\System32"]
以上の手順を完了し、
docker run を実行して次のサンプルのような dockerfile を実行したら、
PowerShell を使用したインストールに記載の手順へ進むことができます。
Dockerfile の実例
# escape=`
# ステートメントで使用される arg はここで定義する
ARG InstallerVersion=nanoserver-1809
ARG InstallerRepo=mcr.microsoft.com/powershell
# nanoserver で powershell を使用する
FROM ${InstallerRepo}:$InstallerVersion
USER ContainerAdministrator
# 次の行の /M は、Windows Nano Server 2019 での既知の Docker 問題を解決するために必要
RUN setx PATH "%PATH%;%ProgramFiles%\PowerShell;" /M
# servercore から netapi32.dll を取り込む
## FROM mcr.microsoft.com/windows/servercore as core
COPY --from=mcr.microsoft.com/windows/servercore:1809 ["\\Windows\\System32\\netapi32.dll", "\\Windows\\System32"]
# powershell モジュールのキャッシュを初期化する
RUN pwsh `
-NoLogo `
-NoProfile `
-Command " `
$stopTime = (get-date).AddMinutes(15); `
$ErrorActionPreference = 'Stop' ; `
$ProgressPreference = 'SilentlyContinue' ; `
while(!(Test-Path -Path $env:PSModuleAnalysisCachePath)) { `
Write-Host "'Waiting for $env:PSModuleAnalysisCachePath'" ; `
if((get-date) -gt $stopTime) { throw 'timeout expired'} `
Start-Sleep -Seconds 6 ; `
}"
CMD ["pwsh.exe"]
PowerShell を使用したインストール
Windows の Nano Server や IoT Core に Zen をインストールするのに、Microsoft PowerShell および .zip アーカイブ形式が使用されます。以下のセクションでは、これらを使って Zen をインストールする方法について説明します。
インストール用の .Zip アーカイブの選択
次の表から、インストール先となるオペレーティング システムに対応する .zip ファイルを選択します。
ファイルの名前において、yy.yy はリリース番号を示し、zzz.zzz はビルド番号を示します。実際の名前はファイルをご確認ください。
サーバー インストールには、エンジン関連ファイル、クライアント関連ファイル、および選択したユーティリティが含まれます。クライアント インストールには、クライアントのサポートに必要なファイルとユーティリティのみが含まれます。Client Reporting Engine のインストールは、ほかの Windows プラットフォームへの Client Reporting Engine のインストールと同じです。
インストールは、以前のバージョンが存在しない初めてのインストールか、インストールされている既存のバージョンをアップグレードするインストールのいずれかです。
Windows Nano Server または IoT Core への初めてのインストール
Nano Server の場合、
Docker コンテナーに Nano Server をインストールする前の特別な手順を必ずお読みください。.zip ファイルを選択し、ターゲット システムにコピーしたら、以下の手順に進みます。手順が完了したら、
Windows ファイアウォール設定を参照してください。
PowerShell を使ってインストールするには
2. インストール スクリプトを実行する PowerShell セッションへアクセスできる場所に、インストールの .zip アーカイブを展開します。
3. 展開されたファイルの Install-Zen.ps1 を、Zen 製品を選択する 1 つの引数を指定して実行します。
• Nano Server の場合、この引数は enterpriseserver、edgeserver、client、または reporting です。
• IoT Core の場合、この引数は enterpriseserver または edgeserver です。
メモ:これらの手順の後、IoT Core 上の Zen Edge Server に関する情報を参照してください。
インストールの進捗情報がコンソールに表示され、ログ ファイルがユーザーの一時フォルダー $env:temp に作成されます。ログ ファイルの名前には、選択したインストールの種類が反映されます(Zen_<type>_PowerShell_Install.log)。
インストールの後では、.zip アーカイブとそこから展開したファイルを削除することでディスク容量を再利用できます。
Windows IoT Core での Zen Edge Server について
Edge Server のインストールは、以下の点を除き Enterprise Server のインストールと同じです。
• ライセンスは、4 GB メモリ以下のユニバーサル Windows プラットフォーム(UWP)システムでのみアクティブ化できます。
• install_edgeserver.cfg ファイルの一時的なライセンス キーを適用します。
• Zen_EdgeServer_PowerShell_Install.log ファイルに "INFO: Total Physical Memory : <size_in_bytes>" を追加します。
Windows ファイアウォール設定
Windows Nano Server システムおよび Windows IoT Core システムへの Zen のインストールでは、Windows ファイアウォール規則によってファイアウォールを介した通信を可能にする必要があります。これらの規則はデフォルトでは有効になっていません。これらの規則を有効にするには、デフォルトの Zen インストールの C:\Program Files\Actian\Zen\bin に格納されている PowerShell スクリプト、Enable-ZenFirewallRules.ps1 を実行します。指定した Windows ファイアウォール プロファイルに対してのみ規則を有効にする必要がある場合は、次の引数のいずれかを入力します。
• domain
• private
• public
• any(デフォルト)
以下は domain 引数を使ってファイアウォールを有効にしている例です。
PS> & "C:\Program Files\Actian\Zen\bin\Enable-ZenFirewallRules.ps1" domain
引数を入力しない場合は、すべての Windows ファイアウォール プロファイルに対して規則が有効になるため、引数 any を入力した場合と同じになります。スクリプトを実行すると、全プロファイルに対する規則の現行状態が表示されます。
Windows Nano Server または IoT Core でのアップグレード
Windows Nano Server や Windows IoT Core にインストールされている既存のバージョンの Zen をアップグレードするには、新しい .zip アーカイブを使って同じインストール手順を実行します。
初めてのインストール後に、Windows ファイアウォール規則に対して行った変更をやり直す必要はありません。
Windows Nano Server または IoT Core へのインストール後の作業
以下のトピックは、インストール後で役立つ可能性があります。ドキュメント全体を通して、Zen Enterprise Server に関する説明は、Windows Nano Server および IoT Core システムにインストールされる当該製品と共通です。
サーバー設定
Zen Enterprise Server 用の設定はすべて Windows Nano Server および IoT Core でも利用できます。一般的に、デフォルト設定はそのまま使用しても問題はありません。これらの設定に関する詳細は、『
Advanced Operations Guide』の
設定リファレンスを参照してください。
クライアント設定
Zen Client の基本的な設定については、
クライアント用のネットワーク通信の設定で説明しています。すべてのクライアント設定に関する詳細は、『
Advanced Operations Guide』の
Windows クライアント設定プロパティを参照してください。
ライセンス管理
Windows Nano Server および IoT Core ではいずれも、Zen は製品キーでなくライセンス キーを使用します。
Windows IoT Core システムでのコード ページ設定
現在のリリースでは、Windows IoT Core への Zen インストールのコード ページは、デフォルトで "Western European 1252" に設定されます。コード ページを変更するには、PowerShell を使用します。たとえば、コード ページ設定を日本語システム用に Microsoft Windows 932 に変更するには、次のコマンドを使用します。
Set-ItemProperty -Path HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\CodePage -Name ACP -Value 932
インストール後の操作に関する一般的な質問
インストール後に問題が生じた場合は、
インストール後のトラブルシューティングを参照してください。製品のインストール後の操作に関する一般的な質問は次のとおりです。
データベース エンジンが実行しているかどうかを確認する方法
インストール スクリプトが終了したら、PowerShell の Get-Service コマンドを使用してデータベース エンジンが実行されているかどうかを確認できます。そのためには、コマンド プロンプトで以下のように入力します。
Get-Service -DisplayName "Actian Zen Enterprise Server"
エンジンが実行中の場合、このコマンドによって次の情報が返されます。
Status Name DisplayName
------ ---- -----------
Running zenengine Actian Zen Enterprise Server
サーバー エンジンが停止している場合、次のコマンドを使用してエンジンを手動で起動することができます。
Start-Service -DisplayName "Actian Zen Enterprise Server"
エンジン サービスは、オペレーティング システムの起動と共に自動的に開始します。停止する必要がある場合は、次のコマンドを使用します。
Stop-Service -DisplayName "Actian Zen Enterprise Server"
このコマンドの実行後、Get-Service コマンドを実行すると、次のような情報が返されます。
Status Name DisplayName
------ ---- -----------
Stopped zenengine Actian Zen Enterprise Server
どのようなユーティリティがインストールされますか?
Nano Server システムの場合、Zen はフルインストールで利用できるようになったコマンドライン ユーティリティのサブセットを提供します。これらのユーティリティの構成は次のとおりです。
IoT Core システムの場合、このユーティリティの構成は次のとおりです。
どのようなファイルがどのディレクトリにインストールされますか?
次の表に、Zen 製品用に Windows Nano Server と IoT Core にインストールされる主要なディレクトリとファイルの一覧を示します。変数 %ALLUSERSPROFILE% がファイルの場所を決定するために使用するのに対し、他の変数はデフォルトで C:\Program Files\Actian\Zen を指します。
ドキュメントにアクセスする方法は?
Windows Nano Server または IoT Core への Zen のインストールにはドキュメントは同梱されていません。Zen のほかのエディションに同梱されているドキュメントか、または
弊社の Web サイトに掲載されているドキュメントを使用してください。
リリース ノートはどこにありますか?
リリース ノートには、リリースに関する一般的な情報や、ユーザー マニュアルではまだ取り上げていない最新の情報が記載されています。このドキュメントは Windows Nano Server や IoT Core へのインストールには同梱されていませんが、最新版を
弊社の Web サイトで公開しています。
Windows Nano Server および IoT Core からのアンインストール
Zen をお使いのシステムから削除するには、次の手順を使用します。
Windows Nano Server や IoT Core から Zen をアンインストールするには
システムから Zen を削除するには、スクリプト Uninstall-Zen.ps1 を使用します。このスクリプトは Zen の bin フォルダー、C:\Program Files\Actian\Zen\bin にあります。以下に使用する例に示すように、このパス外にある作業ディレクトリからこのスクリプトを実行する必要があります。
1. Zen がインストールされているシステムで管理者として PowerShell セッションを開始します。
2. 次に示すように、場所を設定します。
PS> Set-Location c:\
メモ: このスクリプトを Zen のインストール先フォルダーのパス内の場所から実行すると、Zen のファイルおよびディレクトリが削除されなくなるため、この削除スクリプトを実行した後で手動で削除しなければならなくなります。
3. 削除スクリプトを実行します。
PS C:\> & "C:\Program Files\Actian\Zen\Bin\Uninstall-Zen.ps1"
ステータス情報がコンソールに表示され、ログ ファイルがユーザーの一時フォルダー $env:temp に作成されます。
削除が完了しました。