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Linux ベースのシステム用の Zen のインストール
以下のトピックでは、Linux および Raspbian システムにおいて Zen Enterprise Server、Cloud Server および Zen Client をインストールおよびアンインストールする手順について説明します。
Linux または Raspbian にインストールする前に
Zen Enterprise Server、Cloud Server、Edge Server または Client のインストールまたはアップグレードを行う前に、以下の情報を確認してください。
Zen リリース ノート readme_zen.htm に記載のシステム要件。これには、ユーザー マニュアルには含まれない最新の更新情報も含まれています。
Zen をインストールするための準備 - プラットフォーム固有の注意などの重要な情報が記述されています。
この製品をインストールするには、root としてログインする必要があります。CD からインストールする場合は、CD のルート ディレクトリに移動する必要があります。
インストール後に問題が発生した場合は、インストール後のトラブルシューティングを参照してください。
Linux ベース システムにおけるフル インストールとクライアント インストール
Zen では、以下の 64 ビットのフル インストールとクライアント インストールを提供します。
TAR パッケージ(Linux および Raspbian 用)
フル インストールには、エンジンとクライアント ファイル、ユーティリティと完全なユーザー マニュアルが含まれています。クライアント インストールでは、ユーティリティとドキュメントを含む、クライアントのサポートに必要なファイルのみを提供します。32 ビット アプリケーションがある場合は、追加のクライアント アクセス インストールとしてサポートが提供されます。次の表は、インストール パッケージのリストです。
Zen 製品
インストール
含まれるもの
Enterprise Server 64 ビット
フル
エンジンとクライアント ファイル、ユーティリティ、マニュアル。
Edge Server 32 ビット
(Raspbian のみ)
フル サーバー インストールのサブセット
エンジンとクライアント ファイル、CLI ユーティリティのサブセット、マニュアルなし。提供される項目の詳細については Raspbian のユーティリティを参照してください。
Cloud Server 64 ビット
フル
エンジンとクライアント ファイル、ユーティリティ、マニュアル。
Client 64 ビット
クライアント
クライアント ファイル、ユーティリティ、マニュアル。
Client 32 ビット
(Raspbian のみ)
クライアントのサブセット
クライアント ファイル、CLI ユーティリティのサブセット、マニュアルなし。提供される項目の詳細については Raspbian のユーティリティを参照してください。
Client Access(32 ビット)
(Linux のみ)
クライアント
クライアント ファイルおよび制限付き 32 ビット ユーティリティ。32 ビット アプリケーション用のデータベースにアクセスできるようにするため、ほかの 3 つの製品のいずれかをインストールした後にインストールされます。
メモ:Glibc および stdc++ パッケージは Client Access をインストールするための必須条件です。Client Access のインストール前に、yum コマンドを使用して Linux ディストリビューションのリポジトリからこれらのパッケージを追加できます。
yum install glibc.i686 libstdc++.i686
Raspbian のユーティリティ
Raspbian システムの場合、Zen はフル インストールで利用できるコマンド ライン ユーティリティのサブセットを提供します。これらのユーティリティの構成は次のとおりです。
bcfg
btadmin
clipaadm
dsnadd
psregedit
pvddl
bdu
butil
dbdefrag
isql
psregsvr
pvnetpass
bmon
clilcadm
dbmaint
licgetauth
pvdbpass
rbldcli
Linux ベースのクライアントから Windows 上の Enterprise Server または Cloud Server への接続
サーバー メッセージ ブロック(SMB)プロトコルを使用すれば、Linux または Raspbian クライアントから Zen MicroKernel エンジンへのネットワーク アクセスが、Btrieve ファイル レベルで可能となります。SMB 互換のファイル共有に関する詳細は www.samba.org で確認できます。リモートでの Btrieve レベルのアクセスの詳細については、Samba 用にサポートされるパスの形式を参照してください。
お使いのデータベース サーバー エンジンが一定のシステム要件を満たさない場合は、ステータス 3031:Linux リクエスターがサーバーに接続できません。を受け取ることがあります。このステータス コードはクライアントとサーバーの互換性がないことを示します。場合によっては、ステータス 94:アプリケーションでアクセス権のエラーが発生しました。を受け取ることもあります。
TAR を使用した Zen のインストール
TAR(tape archive)形式を使用すると、Linux および Raspbian 上に Zen をインストールすることができます。以下のトピックで、TAR を使用して Zen 製品をインストールする方法について説明します。
インストール後に問題が発生した場合は、インストール後のトラブルシューティングを参照してください。
Zen Enterprise Server または Cloud Server(Linux 版および Raspbian 版)のインストール - TAR
Zen サーバーのインストール パッケージの名前は次の表に示す規則を使用します。
インストール タイプ
プラットフォーム
パッケージ名
Enterprise Server 64 ビット
x86-64
Zen-EnterpriseServer-jajp-linux-x86_64-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
Enterprise Server 64 ビット
ARM64
Zen-EnterpriseServer-jajp-linux-aarch64-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
Cloud Server 64 ビット
x86-64
Zen-CloudServer-jajp-linux-x86_64-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
Cloud Server 64 ビット
ARM64
Zen-CloudServer-jajp-linux-aarch64-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
Edge Server 32 ビット
ARM32
Zen-Edge-Server-jajp-linux-armhf-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
ファイルの名前において、yy.yy はリリース番号を示し、zzz.zzz はビルド番号を示します。実際の名前はファイルをご確認ください。
インストールは、以前のバージョンが存在しない初めてのインストールか、インストールされている既存のバージョンをアップグレードするインストールのいずれかです。
Linux および Raspbian への初めての Zen サーバー インストール
64 ビットのインストール スクリプトでは以下の作業を実行します。
必要な権限が完全にインストールされたかどうかを確認する
ユーザー zen-svc とグループ zen-data が存在していない場合は作成する
インストールされたファイルの "ユーザー:グループ" 所有権が "zen-svc:zen-data" に設定されていない場合は設定する
Zen サーバーを Linux または Raspbian にインストールするには
1. root ユーザーとしてログインします。
2. /usr/local ディレクトリに変更します。
cd /usr/local
3. 次のコマンドを入力して .tar ファイルを /usr/local にコピーします。
たとえば、インストール パッケージを /home/bholly ディレクトリにダウンロードした場合は次のようにします。
cp /home/bholly/<サーバー用のパッケージ名> .
4. 次のコマンドを使用して .tar ファイルをアンパックします。
tar -zxf <サーバー用のパッケージ名>
5. ディレクトリをインストール スクリプトがある /usr/local/actianzen/etc フォルダーに変更します。
cd actianzen/etc
6. インストール スクリプトを実行します。
./install.sh
インストールは完了しました。詳細については、TAR を使用した Zen のインストールを参照してください。
Linux および Raspbian での Zen サーバー インストレーションのアップグレード
古いバージョンの Zen が既にインストールされている場合は、そのバージョンをアンインストールしてから新しい Zen 製品をインストールする必要があります。詳細については、Linux または Raspbian での Zen のアンインストールを参照してください。
Zen Client(Linux 版および Raspbian 版)のインストール - TAR
Zen Client のインストール パッケージの名前は次の表に示す規則を使用します。
インストール タイプ
プラットフォーム
パッケージ名
Client 64 ビット
x86-64
Zen-Client-jajp-linux-x86_64-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
Client 64 ビット
ARM64
Zen-Client-jajp-linux-aarch64-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
Client 32 ビット
ARM32
Zen-Edge-Client-jajp-linux-armhf-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
Client Access(32 ビット)
x86
Zen-Client-Access-jajp-linux-x86_64-yy.yy.zzz.zzz.tar.gz
ファイルの名前において、yy.yy はリリース番号を示し、zzz.zzz はビルド番号を示します。実際の名前はファイルをご確認ください。
インストールは、以前のバージョンが存在しない初めてのインストールか、インストールされている既存のバージョンをアップグレードするインストールのいずれかです。
Linux および Raspbian への初めてのクライアント インストール
アプリケーション用に 32 ビット クライアント アクセスを提供する必要がある場合は、まず 64 ビットの Zen Client をインストールし、その後、32 ビットの Zen Client Access を追加してください。32 ビット クライアント アクセスは Raspbian システムには適用されません。
TAR を使用して Zen Client(Linux 版)をインストールするには
1. root ユーザーとしてログインします。
2. /usr/local ディレクトリに変更します。
cd /usr/local
3. 次のコマンドを入力して .tar ファイルを /usr/local にコピーします。
たとえば、インストール パッケージを /home/bholly ディレクトリにダウンロードした場合は次のようにします。
cp /home/bholly/<クライアント用のパッケージ名> .
4. 次のコマンドを使用して .tar ファイルをアンパックします。
tar -zxf <クライアント用のパッケージ名>
アンパックによって zenclient という名前のディレクトリが作成されます。
5. ディレクトリを Zen インストール スクリプトがある /usr/local/actianzen/etc フォルダーに変更します。
cd actianzen/etc
6. インストールするクライアント パッケージに従って、必要なインストール スクリプトを実行します。
Client 64 ビット:./clientinstall.sh
または
Client Access 32 ビット:./clientaccessinstall.sh
TAR インストールは完了しました。詳細については、Linux または Raspbian への Zen のインストール後およびクライアント用のネットワーク通信の設定を参照してください。
Linux および Raspbian でのクライアント インストレーションのアップグレード
古いバージョンの Zen が既にインストールされている場合は、そのバージョンをアンインストールしてから新しいバージョンをインストールする必要があります。詳細については、Linux または Raspbian での Zen のアンインストールを参照してください。
Linux または Raspbian への Zen のインストール後
以下のトピックは、Linux または Raspbian に Zen をインストールした後で役立つ可能性があります。
データベース エンジンが起動するかどうかのチェック
オプションで、インストール スクリプトが終了したら、ps コマンドを使用してデータベース エンジンが実行されているかどうかを確認できます。コマンド プロンプトで以下のように入力します。
ps -e | egrep mkded
サーバー設定
一般的に、Zen Enterprise Server および Cloud Server のデフォルト設定はそのまま使用しても問題はありません。設定を変更する必要がある場合は、設定を参照してください。
すべての設定を調査する場合は、『Advanced Operations Guide』の設定リファレンスを参照してください。
クライアント設定
Zen Client のすべての設定については、『Advanced Operations Guide』の Linux および Raspbian クライアント設定プロパティで説明しています。
クライアントについての詳細は、Zen Client(Windows 版)のインストールおよびクライアント用のネットワーク通信の設定を参照してください。
Linux および Raspbian クライアントと Monitor ユーティリティ
この情報は、静的 IP アドレスを使用する Linux または Raspbian クライアントのみを対象とした説明です。DHCP を使用し、DSN で名前付きアドレスを解決する場合この説明は無用です。
Zen Monitor ユーティリティを使用してクライアントを監視する場合、ネットワーク経由で送信されるクライアント IP アドレスにはホスト ファイルで設定されている値を使用します。システム名と IP がこのホスト ファイルに追加されていない場合は、ネットワーク通信では 127.0.0.1 または ::1(ループバック アドレス)というローカル ホストの IP アドレスが使用されます。
ループバック アドレスを正しい IP に修正するか、あるいはシステム名と IP をクライアントのホスト ファイルに追加すれば、Monitor ユーティリティにクライアント名が正しく表示されます。
ライセンス管理
インストールが完了した後で、Zen Enterprise Server のユーザー数を増やすためや、Cloud Server のセッション数の制限値および使用データの制限値を増やすために、ライセンスの更新をしなければならない場合もあります。『Zen User's Guide』のユーザー数または使用データの追加を参照してください。
インストール後の操作に関する一般的な質問
インストール後に問題が生じた場合は、インストール後のトラブルシューティングを参照してください。製品のインストール後の操作に関する一般的な質問は次のとおりです。
Linux および Raspbian 環境に Zen をインストールする場合、どのようなファイルがどのディレクトリにインストールされますか?
下記の表は、Linux または Raspbian にインストールした場合の主要なディレクトリとファイルの一覧です。$ACTIANZEN_ROOT は、ファイルがインストールされるルート ディレクトリを指します。デフォルトで、これは /usr/local/actianzen に設定されます。特に示されていない限り、主要なディレクトリやファイルは 32 ビット製品と 64 ビット製品で同じです。
アップグレード インストールの場合、既存の Zen ファイルが最新のバージョンに更新されます。
$ACTIANZEN_ROOTT からのパス
主要ファイル
説明
インストールの適用対象
./
ライセンス
ライセンス情報
サーバー
./bin
 
バイナリ ファイル、実行可能ファイル
サーバーとクライアント
./bin/plugins
 
ユーティリティやドキュメント用のファイルのディレクトリ
サーバーとクライアント
./data/Demodata
 
Zen サンプル データベース
サーバー
./data/samples
 
サンプルの Btrieve ファイル、オルタネート コレーティング シーケンス ファイルおよび DefaultDB システム データベース
サーバー
./etc
 
 
サーバーとクライアント
 
.PSRegistry
各種設定の Zen レジストリ(このディレクトリとその下位ディレクトリ)
サーバー
 
btpasswd
ユーザー パスワード ファイル
サーバー
 
dbnames.cfg
データベース名のマスター テーブル
サーバー
 
odbc.ini
ODBC 設定
サーバーとクライアント
 
 
以下の状況用のシェル スクリプト
インストール用のシェルスクリプト
アンインストール用のシェルスクリプト
サーバーとクライアント
./lib
 
32 ビット共有オブジェクトのライブラリ
サーバーとクライアント
./lib64
 
64 ビット共有オブジェクトのライブラリ
サーバーとクライアント
./log
 
トランザクション ログ ファイルのディレクトリ
サーバーとクライアント
./man/man1
 
コマンド ライン ユーティリティ用の man page
サーバーとクライアント
ドキュメントにアクセスする方法は?
Zen でインストールされるドキュメントには以下のものがあります。
コマンド ライン ユーティリティ用の man page
ドキュメント ライブラリ
リリース ノート
man page
コマンド ライン ユーティリティ用として man page が提供されます。man page を使用できるようにするには、MANPATH 環境変数に $ACTIANZEN_ROOT/man を追加します。
man page は Zen Enterprise Server、Cloud Server または Client のインストール時に一緒にインストールされます。コマンド ライン ユーティリティについては、ユーザー マニュアルでも説明しています。
ドキュメント ライブラリ
Zen のドキュメント ライブラリには、Zen エンジンおよびソフトウェア開発者キット用のユーザー マニュアルなど、ユーザー向けドキュメントの完全なセットが含まれています。
ドキュメント ライブラリは Zen Control Center(ZenCC)に組み込まれています。[ヘルプ]メニューから開く[ようこそ]タブでドキュメント ライブラリにアクセスしたり、F1 キー(Windows)または Shift+F1 キー(Linux)を押すことによって、状況依存トピックを開いたりすることができます。
リリース ノート
readme_zen.htm のリリース ノートには、リリースに関する一般的な情報や、ユーザー マニュアルではまだ取り上げていない最新の情報が記載されています。リース ノート ファイルは /usr/local/actianzen/docs/ ディレクトリに保存されており、ZenCC の[ヘルプ]メニューから開く[ようこそ]タブにファイルのリンクが含まれています。弊社 Web サイトには、最新版のリリース ノートが掲載されています。
ユーティリティを起動しようとしてエラーになった場合はどうすればよいですか?
Zen User's Guide』の Linux での ZenCC の起動、および『DDF Builder User's Guide』のコマンド ラインから DDF Builder を起動するを参照してください。
Linux または Raspbian での Zen のアンインストール
このトピックでは、Zen の各種パッケージを削除するために使用するシェル スクリプトを列挙した表を提供しています。以下の手順で示すように、Linux および Raspbian の場合とでは、TAR パッケージのアンインストール方法は少々異なります。
Linux および Raspbian で Zen の TAR インストレーションをアンインストールするには
1. コマンド プロンプトで、su コマンドを使って root ユーザーとしてログインします。
2. ディレクトリを Zen インストール スクリプトがある /usr/local/actianzen/etc フォルダーに変更します。
cd /usr/local/actianzen/etc
3. 下記の表から、インストール環境に対応するアンインストール スクリプトを使用します。
アンインストールするパッケージ
/usr/local/actianzen/etc(保存場所)から実行するスクリプト
Enterprise Server 64 ビット
./uninstall.sh
Client 64 ビット
./clientuninstall.sh
Client Access(32 ビット)
(Linux のみ)
./clientaccessuninstall.sh
このスクリプトは、clientaccesspreuninstall、clientaccesspostuninstall の順に実行してください。
メモ:64 ビット パッケージをアンインストールする前に、追加してある Client Access をアンインストールしておく必要があります。
 
最終更新日: 2024年07月12日