Btrieve API の紹介
Zen MicroKernel エンジンは、高パフォーマンスなデータ処理とプログラミングの生産性向上を目的として設計されています。MicroKernel エンジン オペレーションを使用すると、開発アプリケーションではキー値、あるいはシーケンシャルまたはランダム アクセス方法に基づいて、レコードの取得、挿入、更新、または削除が行えるようになります。
Btrieve API は、以下のプログラミング言語および開発環境と互換性があります。
• Embarcadero C/C++
• Embarcadero Delphi
• GNU C/C++
• Micro Focus COBOL
• Microsoft Visual Basic
• Microsoft Visual C++
• Watcom C/C++
以下のセクションで API の機能について説明します。
Btrieve API 関数
Btrieve API は単一関数です。この API では、ほとんどのプログラム動作が関数名ではなくオペレーション コード パラメーターによって決定されます。アプリケーションで使用する API は、異なるプラットフォーム間でのコードの移植性を重視するか、特定のプラットフォームで可能な限り最高のパフォーマンスを重視するかを基準として選択してください。
Btrieve アプリケーションでは、データ ファイルに対して絶対に標準の I/O を実行しないでください。開発するアプリケーションでは、Btrieve API 関数を使って、すべてのファイル I/O を実行する必要があります。
次の表は、オペレーション コードで使用するための Btrieve API 関数の一覧です。
Btrieve API 関数を呼び出すための言語固有の構文を調べるには、『
Zen Programmer's Guide』の
Btrieve API プログラミングを参照してください。
BTRV
BTRV によって、アプリケーションは MicroKernel エンジン呼び出しを実行できるようになります。BTRV 関数は、プログラミング インターフェイスのインストール オプションで提供されるすべての言語インターフェイス モジュールでサポートされています。場合によって、BTRV 関数は実際に BTRCALL 関数を呼び出すことがあります。しかしながら、プラットフォームに依存しないということから、BTRV 関数の方がより好ましいでしょう。
BTRVID
BTRVID によって、アプリケーションはクライアント ID パラメーターを含む単独の MicroKernel エンジン呼び出しを実行できるようになります。このパラメーターはアプリケーションで制御できます。アプリケーションでは BTRVID を使って、自分自身を MicroKernel エンジンに対する複数のクライアント ID として割り当て、ほかのクライアントの状態に影響を与えることなく、各クライアントのオペレーションを実行することができます。詳細については、
クライアント ID を参照してください。
BTRCALL
Windows および Linux の場合、BTRCALL は BTRV 関数に相当します。BTRV で発生する若干のパフォーマンス低下が問題にならない限り、BTRCALL ではなく BTRV 関数を使用するようにしてください。
BTRCALLID
クライアント レベルの制御が必要で、アプリケーションが Windows、Linux、または Raspbian で動作する場合は、BTRCALLID 関数を使用します。
中間関数を呼び出さないこと以外は、この関数は BTRVID 関数に類似しています。
メモ: 従来の BTRCALLID32 関数は BTRCALLID 関数にエイリアスされました。
BTRVEX
13.0 および 16.0 形式ファイルのサイズが大きくなる可能性がある場合、およびより大きなデータ バッファーを使用する場合、以前の Btrieve インターフェイスが提供していたものより大きなランタイム値が必要となります。新しいエントリ ポイントである BTRVEX および BTRVEXID は、これらの要件を満たしています。これらは BTRCALL および BTRCALLID と似ていますが、いくつかの関数の引数のデータ型の幅が広くなっている点と、いくつかのデータ バッファーのレイアウトが異なっている点が違います。宣言は btrvexid.h 内にあり、実装は BTRCALL と同じファイル内にあります。
BTRVEX エントリ ポイントを使用する Btrieve オペレーションの場合、データ バッファーで渡される一部の値は、8 バイトのレコード アドレスやレコード カウントのように幅が広くなっています。8 バイト動作は BTRVEX エントリ ポイントに起因するものであり、アクセスするファイルの形式バージョンによって決まることでないことに留意してください。BTRVEX を使用する場合、次のオペレーションはデータ バッファーのレイアウトの変更を必要とします。
• Create (14)、Create Index (31)
• Stat (15)
• Get Position (22)
• Get Direct (23)
• Get Next Extended (36)、Get Previous Extended (37)
• Step Next Extended (38)、Step Previous Extended (39)
• Insert Extended (40)
• Find Percentage (45)
• Stat Extended (65) サブファンクション 3 および 8
• Unlock (27)
エントリ ポイントの選択は、レコード データには影響しません。
上述のとおり、データ バッファー サイズの引数は BTRCALL が 16 ビット整数を使用する箇所が BTRVEX では 32 ビット整数へのポインターになっています。このため、データ バッファーを 64 KB より大きくすることができます。
新しいファイル形式へ移行する場合、ポジション ブロックとクライアント ID の値は BTRCALL と BTRVEX の両方で使用できるため、すべてのコードを一度に BTRVEX に変換する必要はないことを覚えておいてください。
BTRVEX のキー番号の引数は 32 ビット整数であるのに対し、BTRCALL は 8 ビットの符号付き整数を使用します。既存のコードを BTRVEX へ簡単に変換するためには、BTRVEX エントリ ポイントはキー値 128 ~ 255 を -128 ~ -1 に再マップします。これは、符号付きバイト(例:-2)としてでなく符号なしバイト(例:0xFE)として指定された定数に対応します。
BTRVEXID
BTRVID および BTRCALLID と同様、BTRVEXID は BTRVEX の利点に加えて、クライアント ID の制御が可能です。
旧バージョンの関数
次の関数は、以前のバージョンの Btrieve API に対応して書かれた古いアプリケーションとの互換性を維持するためだけにサポートされています。
• BTRCALLBACK
• BTRVINIT
• BTRVSTOP
• RQSHELLINIT
• WBRQSHELLINIT
• WBTRVINIT
• WBTRVSTOP
• BRQSHELLINIT
現在のバージョンではこれらの関数を使用しませんが、これらの関数を呼び出す古いアプリケーションは v6.15 以降の MicroKernel バージョンでも正常に実行されます。
Btrieve API 関数のパラメーター
どの関数呼び出しもすべてのパラメーターを提供する必要があります。これは、MicroKernel エンジンがすべてのオペレーションですべてのパラメーターを使用するわけではなく、場合によっては、パラメーター値を無視することがある場合にも、当てはまります。一般に、それぞれのオペレーションでは異なるパラメーターが送られ、返されます。各 Btrieve API オペレーションのパラメーターの詳細については、
Btrieve API オペレーションを参照してください。
メモ: C 開発者:C 言語インターフェイスで使用されるプラットフォームに依存しないデータ型とポインターについては、btitypes.h ファイルを参照してください。
Btrieve API 関数は次のパラメーターを使用します。
• クライアント ID(BTRVID、BTRCALLID、および BTRVEXID 関数のみ)
• キー長(BTRCALL、BTRCALLID、BTRVEX、および BTRVEXID 関数のみ)
オペレーション コード
オペレーション コード パラメーターは、Btrieve API 関数の動作を決定します。たとえば、1 つまたは複数のレコードの読み取り、書き込み、削除、更新などのオペレーションです。アプリケーションでは、すべての Btrieve API 呼び出しに対してオペレーション コードを指定する必要があります。このコードを MicroKernel エンジンが変更することはありません。オペレーション コードについては、
Btrieve API オペレーションで説明しています。
メモ: C 開発者:指定する変数のデータ型は、BTI_WORD(符号なし short integer)または BTI_INT(符号付き 32 ビット integer)のいずれかである必要があります。BTI_INT は BTRVEX および BTRVEXID でのみ使用されます。どちらの場合も、変数は値で渡されます。
ステータス コード
BASIC および COBOL アプリケーションでは、MicroKernel エンジンは符号付き整数としてステータス コードを返します。ほとんどのプログラミング環境で、ステータス コードは Btrieve API 関数呼び出しの戻り値です。ただし、一部の BASIC および COBOL 言語インターフェイスでは、ステータス コード パラメーターが必要となります。このパラメーターには、オペレーションの実行中にエラーが発生したかどうかを示す、コード化された値が格納されます。Btrieve API 呼び出しの終了後、アプリケーションではステータス変数の値を必ずチェックして、正常に終了したかどうかを判断する必要があります。
Zen コンポーネントによって、呼び出しから API へステータス コードが返されます。これらの API に書き込む場合は、以下の 3 つの状態に対して処理を行う必要があります。
• API の成功
• 予期された API の失敗
• 予期されなかった API の失敗
以下は、3 つすべての状態を処理する C コードの例です。
status = BTRVID(B_VERSION, posBlock1, &versionBuffer, &dataLen, keyBuf1, keyNum, (BTI_BUFFER_PTR) &clientID);
if (status == B_NO_ERROR)
{
/* 通常のオペレーションを続行 */
status = BTRVID(...);
}
else if (status == B_RECORD_MANAGER_INACTIVE)
{
/* 予期されたエラーの処理 */
printf("Btrieve Get Version() returned B_RECORD_MANAGER_INACTIVE\n");
}
else
{
/* 予期されなかったエラー */
printf("Btrieve Get Version() returned %d\n", status);
} /* 別の場合は終了 */
このステータス コードの処理方法に従うと、アプリケーションの将来的な安定性を確保するうえで役立ちます。
メモ: 古い BTRV 関数では、ステータス コードは 2 バイト整数でしたが、新しい BTRVEX および BTRVEXID では 4 バイト整数を返します。
ポジション ブロック
ポジション ブロック パラメーターは、128 バイト配列のアドレスで、MicroKernel エンジンがファイル I/O 構造体や Open(0)オペレーションに関連するポジショニング情報を格納するために使用されます。アプリケーションは、ファイルを開くたびに固有のポジション ブロックを割り当てる必要があります。MicroKernel エンジンは、アプリケーションが Open オペレーションを実行する際にポジション ブロックを初期化し、その後ファイルの操作中にこのポジション ブロックを参照して更新します。このため、アプリケーションでは、そのファイルに対する以降すべての Btrieve API オペレーションで同じポジション ブロックを指定する必要があります。
メモ: ポジション ブロックへの書き込みを行ってはいけません。書き込みを行うと、ポジション喪失エラーやその他のエラー、あるいはファイルの損傷などの原因となります。
一度に複数のファイルを開く場合、MicroKernel エンジンはポジション ブロックを使って、特定の呼び出しで対象となるファイルを判別します。同様に、同じファイルを複数回開く場合、エンジンは Open オペレーションごとにそれぞれ異なるポジション ブロックを使用します。さらに、エンジンは、同じファイルを開くクライアントごとにも別個のポジション ブロックを使用します。クライアント間でポジション ブロックを共有することはできません。
メモ: ポジション ブロックはエントリ ポイントにバインドされません。そのため、BTRV を使用してデータ ファイルを開き、BTRVEX を使用してデータを読み取り、BTRCALL を使用してファイルを閉じることが可能です。
データ バッファー
アプリケーションでファイルとデータをやり取りする場合は、データ バッファーを使用します。データ バッファーを使って MicroKernel エンジンとの間でやり取りされる情報は、実行される Btrieve API オペレーションによって異なります。しばしば、データ バッファーには、アプリケーションとファイルの間で相互に転送される 1 つまたは複数のレコードが格納されています。しかし、Btrieve API オペレーションによっては、ファイル仕様やキー仕様、MicroKernel エンジンのバージョン情報など、その他の情報がデータ バッファーに格納されることもあります。
必ず、ファイル内の最長レコードを収容できるだけの長さのデータ バッファーを割り当ててください。データ バッファーの割り当てサイズよりも大きな値をデータ バッファー長パラメーターに指定した場合、MicroKernel エンジン変更オペレーションによって、データ バッファーの後に続くデータが破壊される可能性があります。
メモ: エントリ ポイントに応じて、同じオペレーションで異なるレイアウトを使用します。BTRV、BTRVID、BTRCALL、および BTRCALLID は従来のレイアウトを使用します。BTRVEX および BTRVEXID は新しい、少し異なるレイアウトを使用します。レイアウトが異なっても、ユーザー データ レコードには影響しません。
データ バッファー長
データ バッファーを必要とするオペレーションでは、アプリケーションはデータ バッファーのサイズ(バイト単位)を示す変数を渡す必要があります。このデータ バッファーは、オペレーションによって返されるデータを十分格納できるだけの大きさでなければなりません。
メモ: BASIC 開発者:データ バッファー長パラメーターとして、長整数の ByRef を渡す必要があります。
C、COBOL、Pascal の開発者:古い BTRV 関数の場合は、データ バッファー長パラメーターとして 2 バイト整数へのポインターを渡す必要がありますが、新しい BTRVEX および BTRVEXID 関数は 4 バイト整数を使用します。
可変長レコードを含むファイルにレコードを挿入したり、そのファイルを更新したりする場合、データ バッファー長は、ファイルを最初に作成したときに指定したレコード長に、固定長部分を超えて含まれる文字数を加算した値と等しくなければなりません。可変長レコードを取得する場合、データ バッファー長はファイル内の最長レコードに対応できる長さである必要があります。1 件のレコードが最大データ バッファー サイズより長い場合は、チャンク オペレーションを使用して、レコードの部分を操作する必要があります。
MicroKernel エンジンはデータ バッファー長パラメーターによって、データ バッファーに使用可能なスペース量を判断します。割り当てたデータ バッファーより長いデータ バッファー長を渡すと、MicroKernel エンジンによってメモリが上書きされる場合があります。データ バッファー長は、実際に割り当てられたデータ バッファーのサイズを常に正確に表すようにしてください。
メモ: データ バッファー長は、古い BTRV 関数の場合は 2 バイト、新しい BTRVEX および BTRVEXID 関数の場合は 4 バイトです。最大データ バッファー サイズは、古い関数の場合は 64 KB、新しい関数の場合は 252 KB です。
キー バッファー
Btrieve API オペレーションでキー バッファーが使用されない場合でも、アプリケーションは各 Btrieve API オペレーションにキー バッファー パラメーターを渡す必要があります。オペレーションによっては、アプリケーションがキー バッファーのデータを設定する場合や、Btrieve API 関数がこれを返す場合があります。
メモ: BASIC 開発者:キー バッファー パラメーターとして文字列を渡す必要があります。キー値が整数である場合、アプリケーションでは Btrieve API 関数を呼び出す前に、MKI$ ステートメントを使用してキー値を文字列に変換しておく必要があります。キーが複数のセグメントから構成されている場合は、それらを結合して 1 つの文字列変数にし、その変数をキー バッファーとして渡す必要があります。
キー バッファーとして渡した文字列変数が定義されたキー長より短い場合、MicroKernel エンジンからエラーが返されます。最初のアプリケーション呼び出しがキー バッファーの初期化を必要としない場合は、文字列変数に SPACE$(x) の値を割り当てます。この x は、キーの定義されている長さを表します。アプリケーションが文字列変数に BASIC の値を割り当てるまで、その長さは 0 です。
C 開発者:キー バッファー パラメーターとしてキー値を含む変数のアドレスを渡す必要があります。btitypes.h ファイルは、キー バッファーを VOID ポインター(BTI_VOID_PTR)として定義しています。キー バッファーのデータ型は、必要に応じてアプリケーションで定義できます。
COBOL 開発者:キー バッファー パラメーターとしてレコード変数を渡す必要があります。キーが複数のセグメントから構成されている場合は、01 レベルのレコード下の個別フィールドとして、それらを正しい順序でリストします。これで、レコード全体をキー バッファーとして渡すことができます。
Pascal 開発者:キー バッファー パラメーターとしてキー値を含む変数を渡す必要があります。キーが複数のセグメントから構成されている場合は、レコード構造体を使ってキーに含まれる個々のフィールドを定義します。
ほとんどの環境で、アプリケーションが Btrieve API 呼び出しを実行するとき、MicroKernel エンジンはキー バッファー長を決めることができません。バッファーは少なくとも、キーを作成したときに選択したキー長と同じだけの長さがあるようにしてください。そうでないと、Btrieve オペレーションにより、メモリ内でキー バッファーの後に格納されているデータが破壊される可能性があります。13.0 以前の形式のファイルを使用している場合は、キーの最大長は 255 なので、キー バッファーは 255 バイトにすることをお勧めします。16.0 形式のファイルの場合は、1024 バイトにすることをお勧めします。
キー番号
キー番号パラメーターで渡される情報は、実行しているオペレーションによって異なります。ほとんどの場合、キー番号には、特定のオペレーションが最高 119 あるキー(アクセス)パスのうちのどれに従っているかを示す値が含まれます。すべての関数で、キー番号は 0 から 118 までの範囲の値となります。
キー番号のサイズは次のように異なります。
• BTRV および BTRVID では、このパラメーターは 2 バイト整数です。
• BTRCALL、BTRCALLID、BTRCALL32、および BTRCALLID32 では、これは 1 バイトの符号付き文字(BTI_CHAR)です。
• BTRVEX および BTRVEXID では、これは 4 バイト整数です。BTRVEX へコードを移行するための便宜上、キー値 128 ~ 255 は -128 ~ -1 にマップされます。これは、大きな符号なしバイト値(例:0xFF)から BTRCALL の符号付きバイト引数への変換をシミュレートします。
Btrieve API 関数がキー番号パラメーターを変更することはありません。
ファイルを開くときのモードを示す値など、その他の情報がキー番号パラメーターから渡されたり、キー番号パラメーターに返される場合もあります。
クライアント ID
クライアント ID パラメーターは、BTRVID、BTRCALLID、および BTRVEXID 関数でのみ使用されます。クライアント ID パラメーターは、MicroKernel エンジンがコンピューター上のクライアントを区別できるようにする 16 バイト構造体のアドレスです。クライアント ID には次のような構造体を使用します。
キー長
キー長パラメーターは、BTRCALL、BTRCALLID、BTRVEX、および BTRVEXID でのみ使用されます。
キー長の値は次のように使用されます。
• BTRCALL および BTRCALLID の場合は、キー長は符号なし文字の型 BTI_BYTE として、割り当てられたキー バッファーの長さの値を渡します。指定できる最大長は 255 です。これは、13.0 以前の形式のファイルにおけるキーの最大長です。
• BTRVEX および BTRVEXID の場合は、キー長は符号なし文字の型 BTI_INT として渡します。これは、16.0 形式のファイルの長いキーに有用です。
キー バッファーを利用する場合には、次のことを考慮してください。
• 4 つの関数すべてについて、オペレーション コードによっては、指定されたキー長までのキー バッファーのバイトは読み取り可能または書き込み可能である必要があります。
• BTRV および BTRVID は、255 のキー長を想定しているため、少なくともその大きさのキー バッファーを提供する必要があります。
• BTRCALL および BTRCALLID の場合は、Zen クライアント コンポーネントが実際のキー長を決定しようとしたり、場合によっては、キー バッファーの小さな部分を読み書きしたりすることがあります。
• BTRVEX および BTRVEXID は、指定されたキー長をそのまま受け取ります。
Btrieve API オペレーションの要約
Btrieve API には、アプリケーション プログラムから呼び出すための 40 以上のオペレーションが用意されています。このトピックでは、これらのオペレーションの概要を説明します。詳細については、
Btrieve API オペレーションを参照してください。オペレーション コード順の簡単な説明については、
Btrieve オペレーションのクィック リファレンスを参照してください。
セッション固有のオペレーション
次のオペレーションを使用すると、現在のディレクトリの設定と取得、ワークステーション MicroKernel エンジンのシャットダウン、MicroKernel エンジン バージョン番号の取得、サーバー MicroKernel エンジンに接続されているクライアントの終了、トランザクションの開始、終了または中止といった処理を実行できます。複数のクライアントを処理するアプリケーションでは、これらのオペレーションは呼び出し元のクライアントに固有のものとなります。
ファイル固有のオペレーション
次のオペレーションは特定のファイルを取り扱います。このため、操作対象となるファイルを識別するためにポジション ブロック パラメーターが使用されます。ファイル固有のオペレーションは次の 3 つのタイプに分類されます。
ファイル アクセスおよび情報
次の表はファイルのアクセス オペレーションおよび情報オペレーションを示します。これらのオペレーションでは、ファイルの作成、オープン/クローズ、統計情報の取得、オーナー ネームの設定とクリア、Continuous オペレーション モードの開始と終了、ロック解除、インデックスの作成と削除を行えます。
データ取得
次の表はデータ取得オペレーションを示します。これらのオペレーションでは、指定した条件に基づいて単一レコードまたはレコードのセットの取得を行えます。Btrieve API は、インデックス パスによる論理的位置、または物理的位置に基づくデータ検索をサポートしています。レコードのアクセスの詳細については、『Zen Programmer's Guide』を参照してください。
さらに、オペレーション コードにバイアスを適用して、マルチクライアント状況にあるファイルやレコードのロックを制御することもできます。複数のクライアントのサポートの詳細については、『Zen Programmer's Guide』を参照してください。
データ操作
次の表は、データを挿入、更新、削除するためのオペレーションを示します。
サポートされないオペレーション
MicroKernel エンジン トレースや SDK ヘッダー ファイルを見たときに Btrieve API オペレーションのリファレンスに記載されていないオペレーションがあるかもしれません。これらは Zen が内部的に使用するもので、アプリケーションで使用する必要はありません。以下に示すオペレーションはサポートされません。
Btrieve API オペレーションの実行における一連のイベント
Btrieve API オペレーションを実行するには、アプリケーションで以下のタスクを完了する必要があります。
1. オペレーションが要求する必要条件をすべて満たします。たとえば、ファイルの I/O オペレーションを実行する前に、対象となるファイルで Open(0)オペレーションを実行し、そのファイルを使用可能な状態にしておく必要があります。
2. Btrieve API オペレーションが要求するパラメーターを初期化します。パラメーターとはプログラム変数またはデータ構造体のことで、その型とサイズは、MicroKernel エンジンがオペレーションに期待する特定の値に対応していなければなりません。
将来の互換性を維持するため、使用するかどうかに関係なく、すべてのパラメーターを初期化してください。INTEGER 型のパラメーターの場合、値をバイナリ 0 に設定します。文字列配列の場合、バッファーへのポインターを渡します。この場合は、バッファーの先頭バイトをバイナリ 0 に初期化します。
4. 関数呼び出しの実行結果を評価します。すべての Btrieve API オペレーションからステータス コードが返されます。アプリケーションではステータス コードをチェックし、適切な操作を行う必要があります。また、オペレーションからはその目的に基づいて、個々のパラメーターにデータやその他の情報も返されます。