Zen v15 の新機能
新機能および変更された機能の概要
Zen v15 のこの一般提供リリース、バージョン 15.00 では、以下の新機能と変更が含まれています。
このドキュメントは、リリース後にも更新される可能性があります。最新バージョンは、
弊社 Web サイトからダウンロードできます。
システム データ v2
システム データ v2 は、Zen v15 で 13.0 形式として作成または 13.0 形式に変換された Btrieve データ ファイル用の新しいオプションです。レコードの作成および更新にタイム スタンプとキーを追加します。作成キーは、トランザクション ログに使用でき、キー番号 125 を使用し続けられるという点で、従来のシステム データに似ています。新しい更新キーではキー番号 124 を使用します。この更新キーによって、ユーザーやアプリケーションは、独自のユーザー定義のタイム スタンプを実装することなく、特定の時点以降に変更された行を特定することができます。
システム データ v2 は、従来のシステム データのように Zen のファイルの Maintenance ツールや Rebuild ツールで管理できます。さらに、butil -stat コマンドでファイルのシステム データの種類を表示できます。
システム データ v2 のタイム スタンプがある場合、それは列名 sys$create および sys$update を使用した SQL クエリでアクセスできます。これら読み取り専用の仮想列のデータ型は SQL_TYPE_TIMESTAMP (93) です。さらに、Zen の CREATE および ALTER TABLE ステートメントでは、システム データ v2 を使用した 13.0 形式のデータ ファイルを作成またはリビルドするキーワード SYSDATA_KEY_2 を使用できるようになりました。
詳細については、Zen v15 ドキュメントの特に『Advanced Operations Guide』、『Btrieve API Guide』、『Zen Programmer's Guide』および『SQL Engine Reference』を参照してください。
SQL ウィンドウ関数
このリリースでは、OVER および PARTITION BY キーワードとそれらの構文を使用して Zen SQL を拡張し、ANSI SQL ウィンドウ関数(ローリング平均など)のサブセットをサポートします。詳細については、『SQL Engine Reference』の SELECT を参照してください。
パフォーマンスの向上
Zen v15 では、パフォーマンス チューニング用の新しいまたは強化されたデータベース設定のほか、SQL エンジンのパフォーマンスに関するいくつかの改善点を提供します。
•ファイルを閉じる遅延時間
Zen v15 には[ファイルを閉じる遅延時間]( File Close Delay)という新しい機能があります。この機能によって、最後のアプリケーションがデータ ファイルを閉じた後、エンジンが一定期間そのデータ ファイルを開いたままにしておくことができます。 この機能は、新しいエンジン設定(デフォルト値は 50 ミリ秒)によって制御され、設定をゼロにすると無効になります。このデフォルト値によって、データ ファイルを繰り返し開く/閉じる Btrieve アプリケーションや SQL アプリケーションで、パフォーマンスを大いに向上させることができます。
butil ツールには、([ファイルを閉じる遅延時間]が設定されている)開いたままの状態のファイルを閉じるための新しいオプション -close が追加されています。
詳細については、『Advanced Operations Guide』を参照してください。
•トランザクション ログ バッファー サイズ
このリリースでは、トランザクション ログ ファイルのデフォルト サイズを 16 MB から 64 MB まで増やしました。トランザクション ログ エントリをキャプチャするバッファーのデフォルト サイズは、8 MB から 32 MB に増加しました。サイズが大きくなったこれらの値によって、MicroKernel がログ情報をディスクに書き込む回数が減るので、パフォーマンスが向上します。
•SQL DELETE ステートメントは DeleteExtended Btrieve オペレーションを使用することで、複数行の削除速度を向上させることができます。
•SQL エンジンが Btrieve Extended オペレーションを使用する場合、LIKE または NOT LIKE を使用する SQL ステートメントで改善が見られます。
•スカラー サブクエリを含む SQL ステートメントは、次の例のように、大幅な改善が見られます。
DELETE FROM History_Log WHERE Log_Time <
(SELECT Log_Time FROM History_Log ORDER BY Log_Time LIMIT 1 OFFSET 100000)
管理上の改善
butil -stat サブコマンドと、bcfg および bmon ツールでは -JSON オプションを受け入れるようになりました。このオプションを使用する場合、コマンド出力は JSON 形式になります。これはスクリプト言語で簡単に使用できる形式です。
Windows の場合、エンジンのエラーは Windows イベントログに記録されると同時に、zen.log ファイルにも記録されます。この改善によってエンジンのエラーは、より簡単にサードパーティー製の監視ツールで利用できるようになります。
互換性の改善点
Zen v15 では、[ファイル サイズの制限](Limit File Size)という新しい互換性設定が提供されます。新しい機能を利用できるように Btrieve ファイル形式がバージョン 13.0 へ変換された環境では、ファイルの最大サイズ 64 TB が懸念事項となるかもしれません。この設定を使用すると、バージョン 13.0 以降のファイルが バージョン 9.5 のファイルの最大サイズ 256 GB を超えないようにすることができます。
Btrieve 2 における追加
このリリースでは、Zen Btrieve 2 API に対して以下の機能および言語をサポートします。
•Btrieve 機能の強化に合わせた BulkDelete
•13.0 ファイル形式におけるシステム データ v2
•Go および Java
ADO.NET のサポート
Zen v15 ADO.NET SDK には以下の変更があります。
•ADO.NET データ プロバイダー 4.3 はサポートされなくなりました。
•ADO.NET データ プロバイダー 4.4 は変更されていません。
•Microsoft .NET Framework の全バージョンのサポート
•Microsoft Entity Framework 6.1 以降のサポート
•.NET Core 2.0 以降および .NET Entity Framework Core 3.1 以降をサポートするプロバイダーは、個別にダウンロードできる SDK で入手可能です。
•ADO.NET データ プロバイダー 4.5 が追加されました。
•Microsoft .NET Framework の全バージョンのサポート
•Microsoft Entity Framework 6.1 以降のサポート
•.NET Core 2.1 以降および .NET Entity Framework Core 3.1 以降をサポートするプロバイダーは、個別にダウンロードできる SDK で入手可能です。
Embarcadero BPL 拡張機能
メインの Zen インストーラーに、PDAC 用の BPL が含まれなくなりました。これらのライブラリは弊社の
SDK Library for Zen/PSQL でダウンロードできる PDAC SDK で入手できます。
プラットフォーム サポートの変更
•Zen v15 は Windows 10 IoT Enterprise で実行できるようになりました。インストールの手順については、『Getting Started with Zen』を参照してください。
•このリリースは Windows 10 バージョン 20H2 で正常に動作することを確認済みです。
廃止の機能およびプラットフォーム
•このリリースの開発プラットフォームとして、ActiveX SDK および OLE DB SDK は廃止されました。以前のリリースで開発された ActiveX および OLE DB アプリケーションは Zen v15 でも引き続き動作します。
•Windows 7 および Windows 2008 R2 は当リリースでサポートされなくなりました。