Zen をインストールするための準備
Zen のインストールに必要な準備
以下のトピックでは、Zen のインストールの準備を行います。各種要件の概要、Zen に含まれる主要なコンポーネント、使用可能なインストール オプション、また Zen のインストールを快適に実行するために役立つ詳細なチェックリストを提供します。
インストール要件
Zen をインストールするには、以下の要件を把握しておく必要があります。このリストは、リリース ノートにあるソフトウェアおよびハードウェア要件を補完するものです。
アクセス権
Zen Enterprise Server、Cloud Server、または Workgroup をインストールするには管理者権限を持っている必要があります。
必要な Windows 更新プログラム
インストールが成功するには、Windows システムに最低限、次の更新プログラムを適用しておく必要があります。
•Windows 8.1 または Server 2012 R2:Windows 更新プログラム 3118401
ほかの Zen データベース エンジンがインストールされていない
Zen がインストールされているマシンに、別のエディションをインストールすることはできません。まずは、その既存のエディションをアンインストールする必要があります。たとえば、 Zen サーバー エディションのいずれかと Zen Workgroup を同じマシンで実行することはできません。
新しいバージョンへのアップグレード
以前のバージョンの Zen からアップグレードする場合は、同じエディションの新しいバージョンにアップグレードする必要があります。たとえば、Workgroup を使用している場合は、Enterprise Server ではなく Workgroup の新しいバージョンへアップグレードしてください。エディションを変える場合は、まずは既存のエディションをアンインストールする必要があります。例外として、Enterprise Server から Cloud Server へ、および Cloud Server から Enterprise Server へはアップグレードすることができます。
動作要件
ライブ マイグレーションをサポートする仮想マシン環境で、エンド ユーザーに悪影響を及ぼすことなく、認証済みの Zen インスタンスをご自分のアプリケーションと共に、あるホストから別のホストへ移動することができます。
ホスト名が不変な場合は、認証済みの Zen のインスタンスは、別の物理マシンへ移動、仮想マシンへ変換、または別の仮想マシン ホストへ移行することができます。ホスト名を変更する必要がある場合は、移動、変換、または移行を行う前に Zen の製品キーを認証解除してください。Zen は、ホスト名が同じであっても、そのインスタンスごと(仮想マシン用に複製またはコピーされたものを含む)に独自の期限なしライセンス キーが必要です。詳細については、『
Zen User's Guide』の
ライセンス モデルを参照してください。
インストール オプション
Windows オペレーティング システムの場合、Zen にはインストール オプションとして[すべて]または[カスタム]があります。
Linux の場合、エディションごとに独自のインストール RPM または TAR ファイルがあり、カスタム インストール オプションは提供しません。Raspbian は TAR インストールを使用します。
macOS の場合には、Linux の場合と同様に TAR を使用してインストールするか、またはネイティブの Apple ディスク イメージ(DMG)インストーラーを使用することができます。
完全インストール
通常は、[すべて]を選択してください。インストール オプション、[すべて]では、デフォルトのインストール設定が使用され、各オペレーティング システムの標準の場所に Zen とそのすべての機能がインストールされます。
カスタム インストール
Zen のインストールを制御する必要があるユーザーは[カスタム]インストールを選択してください。カスタム インストールでは、Zen の中で特定の機能のみを選び、選択したディレクトリの場所にインストールできます。カスタマイズは、Nano Server および IoT Core 以外のすべての Windows プラットフォームで可能です。
Zen 製品
Zen には Enterprise Server、Cloud Server、Workgroup および Client のエディションがあります。このトピックでは、Zen の各エディションにおけるコンポーネントについて説明します。
Enterprise Server と Cloud Server
•MicroKernel エンジン は、Zen アプリケーションに対して Btrieve/MicroKernel API サポートを提供します。
•リレーショナル エンジン は、Zen アプリケーションに対して ODBC/SQL API サポートを提供します。
•クライアント リクエスターと Windows、Linux、macOS または Raspbian 向けの MicroKernel エンジンへアクセスするために必要なコンポーネント。
•Zen Distributed Tuning Interface(DTI)は、低レベルの(コンパイルされた)アプリケーションから Zen コンポーネントを構成および監視するために使用します。
Workgroup
•MicroKernel エンジンは、Zen アプリケーションに対し Btrieve API サポートを提供します。
•リレーショナル エンジン は、Zen アプリケーションに対して ODBC/SQL API サポートを提供します。
•クライアント リクエスターと Windows または Linux 向けの MicroKernel エンジンへアクセスするために必要なコンポーネント。
•Zen Distributed Tuning Interface(DTI)は、低レベルの(コンパイルされた)アプリケーションから Zen コンポーネントを構成および監視するために使用します。
Client
•Zen クライアント リクエスターと Windows、Linux、macOS または Raspbian 向けの MicroKernel エンジンへアクセスするために必要なコンポーネント。
•Zen Distributed Tuning Interface(DTI)は、低レベルの(コンパイルされた)アプリケーションから Zen コンポーネントを構成および監視するために使用します。
•Zen キャッシュ エンジン
メモ:Linux の場合、32 ビット クライアント アプリケーション用には、64 ビット Zen クライアント、エンタープライズ、またはクラウド パッケージのインストール後、さらに 32 ビット Zen クライアント アクセス パッケージがインストールされている必要があります。
Zen のオプション機能
カスタム インストールでは、インストールする Zen 製品から Zen の機能を除外することができます。ここで挙げている機能はオプションであるため、このセクションのすべての機能がインストールから除外されても、Zen 製品はデフォルトでインストールされます。
以下に挙げるオプション機能は、特に注記がなければ、Zen の各エディションで使用可能です。
アクセス方法
Zen へのアクセス方法には Zen ソフトウェア開発者キット(SDK)、および DOS リクエスターがあります。
ADO.NET プロバイダー
ADO.NET はマネージ コードのみで構築されている .NET 管理データ プロバイダーです。データ プロバイダーは、ネイティブのワイヤ プロトコル プロバイダーです。したがって、データ プロバイダーが、データベース クライアントの形式のアンマネージ コード(.NET Framework 外のコード)を呼び出す必要はありません。
Btrieve DOS
DOS VxD(Virtual eXtended Driver:仮想デバイス ドライバー)(DOS クライアント リクエスター)は Btrieve リクエスターであり、Windows コマンド ウィンドウを介して DOS ベースのアプリケーションを実行するために使用されます(トランザクショナル アクセスのみ)。
DTO
Zen Distributed Tuning Objects(DTO)はビジュアル開発環境から使用されます。
JCL
Java Class Library(JCL)は Java を介しデータ ファイルへ直接トランザクショナル アクセスするために使用します。
JDBC ドライバー
JDBC ドライバーは Java プログラミング言語を使用してデータ ファイルへリレーショナル アクセスするために使用します。
PDAC
Zen Direct Access Components(PDAC)には、Borland Delphi と C++ Builder 環境内で、Zen データベース エンジンへ直接トランザクショナルおよびリレーショナル アクセスできるようにする、一連の Visual Component Library(VCL)コンポーネントがあります。
各種ユーティリティ
最低限のユーティリティ セットを使用して Zen データベース エンジンのさまざまなコンポーネントの管理、構成および保守を行います。この基本ユーティリティ セットに含まれるユーティリティは、Zen の製品すべてにおいてセットとしてインストールされるので、インストールから個別に除外することはできません。
•Function Executor
•Btrieve Maintenance
•Rebuild
•Query Plan Viewer
•License Administrator
•Gateway Locator(Workgroup エンジンのみ)
Cobol Schema Executor
Zen Cobol Schema Executor ユーティリティは、COBOL ベースのアプリケーションへの SQL アクセスを可能にするために使用します。
Data Dictionary File Builder
Zen Data Dictionary File Builder は、データ辞書ファイル(DDF)を作成および変更するために使用します。
Zen Control Center
Zen Control Center は、データベース オブジェクトの作成や操作、SQL 経由のデータベース テーブルへのアクセスに使用します。
Zen System Analyzer
Zen System Analyzer ユーティリティは、ネットワーク接続のテストおよびトラブルシュート、ロード モジュールの表示、およびコンポーネント検索の実行に使用します。
ドキュメント
Zen エンジンおよび SDK のユーザー向けドキュメントは Zen Control Center(ZenCC)に統合されました。ドキュメントは、ZenCC インターフェイスの[ようこそ]タブ、[ヘルプ]メニュー、あるいは F1(Windows)または Shift + F1(Unix)キーを押すことによって開くことができます。このドキュメントは
弊社 Web サイトでも参照することができます。
メモ:マニュアルをインストールしないようにした場合は、すべての Zen ユーティリティのグラフィカル ユーザー インターフェイスから(F1 キーによる)状況依存ヘルプが使用できなくなります。
Java Runtime Environment(JRE)
Zen は、以下の機能に JRE コンポーネントが必要です。
•ZenCC
•DDF Builder
•コア ユーティリティ
•ドキュメント
これらの機能は Zen でインストールされる JRE を使用します。このローカルでプライベートな JRE は、インストール先のシステムにほかの Java 環境が存在していたとしてもインストールされます。デフォルトのインストールで、この JRE は C:\Program Files (x86)\Actian\Zen\bin\jre に配置されています。
この JRE は上記の機能によって内部的に使用されるだけです。Zen アクセス方法である Java Class Libraries(JCL)または JDBC を使用した Java アプリケーション開発のための要件には影響しません。これらの要件(Oracle から入手するコンポーネントなど)については、Zen 開発者(SDK)用ドキュメントで説明しています。『Java Class Library Guide』 および『JDBC Driver Guide』を参照してください。
Zen で使用する Java のバージョンをアップグレードする必要がある場合は、この場所にある JRE を置き換えることをお勧めします。32 ビット JRE バージョン 8 以降を使用することができます。
インストールに関する検討事項
次のチェックリストは、インストール前に確認すべき、よく寄せられる質問を記載しており、インストールの準備を行うのに役立ちます。
クイック チェックリスト
このチェックリストには、Zen をインストールするための要件が記載されています。インストールを実行する前にすべての要件を満たしておく必要があります。
システムのハードウェアが Zen をインストールする要件を満たしている。
お使いのオペレーティング システムとネットワーク環境が Zen でサポート対象となっている。
Windows オペレーティング システムに Microsoft からの最新の更新プログラムが適用されている。
Zen をインストールしようとするシステムにおいて管理者レベルの権限をすべて持っている。
完全インストールおよびカスタム インストールで使用可能なオプションの違いを理解しているので、必要なコンポーネント セットのみをインストールできる。
インストール メディアにある readme_zen.htm のリリース ノートを参照し、ユーザー マニュアルには含めることができなかったが、製品のインストールや使用に関する重要な最新の注意事項や情報を確認した。
プロキシ サーバーを使用している場合は、Zen を認証できるよう設定する必要があります。Zen をインストールする前にプロキシ サーバーを設定するか、またはインストール時には製品認証を省略し、プロキシ サーバーの設定後に製品を認証することができます。『
Zen User's Guide』の
プロキシ サーバー経由の認証アクセスを参照してください。
ユーザー アカウント制御(UAC)だけでなく、標準ユーザーと管理者との違いおよび制限についてもよく理解し、ターゲット システムにインストールするための適切な権限を持っている。
アプリケーション ベンダーが Zen エンジンをサポートしている。
ヒント: 不明確な場合は、アプリケーション ベンダーに問い合わせるか、またはベンダーからのドキュメントを再度参照して、インストールする Zen エンジンのバージョンおよびモードをベンダーがサポートしていることを確認してください。
インストール前の一般的な質問
このトピックでは、Zen のインストール前の段階で多く寄せられる一般的な質問について説明します。これらの質問では、初めてのインストールが成功するのを妨げる可能性がある特別な状況を示します。インストールを開始する前に、以下の質問で示される状況を検討し、それに加えてクイック チェックリストですべての要件を満たしているか、また特別な注意が必要な状況があるかどうかを確認してください。
Zen Enterprise Server または Cloud Server はどこにインストールすればよいですか?
Zen Enterprise Server および Cloud Server は、データベース ファイルが置かれている同じコンピューターにインストールする必要があります。
サーバー エディションのクライアント ソフトウェアはどこインストールすればよいですか?
Zen Client は、サーバー エディションと同じコンピューターにインストールしてもしなくてもかまいませんが、データベースにアクセスする必要があるすべてのコンピューターで実行することだけが必要です。
Zen Client はどのデータベース エンジンでも一緒にインストールされるため、どのエンジンもクライアントとしてほかの任意のエンジンに接続することができます。
Zen Workgroup はどこにインストールすればよいですか?
Zen Workgroup エンジンは、データベース ファイルが置かれている同じコンピューター、またはネットワーク上のデータにアクセスするほかのコンピューターのどちらでもインストールが可能です。
Workgroup 版のクライアントはどのようにインストールされますか?
Zen Client はどのエンジンでもインストールされます。ほかの Workgroup エンジンを介してリモート ファイルにアクセスする場合は、クライアント ソフトウェアが既にインストールされているので、クライアントを個別にインストールする必要はありません。
Zen はどのように Microsoft クラスター サーバー環境へインストールできますか?
Microsoft クラスター サーバー(MSCS)を使用したクラスター環境に Zen をインストールしようとお考えの場合は、まず『
Advanced Operations Guide』の
高可用性のサポートをお読みください。このトピックでは、Zen をこの環境へインストールしたり、パッチを適用したりする手順を提供しています。
MSCS 環境内で仮想マシンを実行している場合は、ハイパーバイザー ベンダー向けのドキュメントで説明されている考慮事項によって手順が異なる可能性があります。
Zen はどのように Microsoft リモート デスクトップ サービスまたは XenApp 環境へインストールできますか?
Microsoft リモート デスクトップ サービスまたは XenApp 環境へ Workgroup エンジンまたはクライアント キャッシュ エンジンをインストールする場合には、そのエンジンをサービスとしてインストールする必要があります。
Zen はどのように Microsoft Active Directory 環境へインストールできますか?
Active Directory 環境に Zen データベース エンジンをインストールするのに特別な手順は必要ありません。購入された製品に応じた説明のインストール手順に従ってください。
ドメイン コントローラーに Zen のデータベース エンジンをインストールすることができます。ただし、ドメイン コントローラー上での作業はデータベース エンジンのパフォーマンスに影響することがあります。
Web アプリケーションへアクセスする Zen Client はどこにインストールすればよいですか?
Web アプリケーションの場合は、クライアントを Web サーバーと同じコンピューターにインストールする必要があります。複数の Web サーバー プラットフォームでは各プラットフォーム上に 1 つのクライアントが必要です。
Zen Client のバージョンは Zen Server(Enterprise/Cloud)のバージョンと一致している必要がありますか?
データベース エンジンと同じバージョンの Client のインストールを使用することをお勧めします。通信するデータベース エンジンより古いのクライアント バージョンを使用することもできます。ただし、アプリケーションで使用する SDK アクセス方法のタイプによっては、古いバージョンのリクエスターがデータベース エンジンで動作しないこともあります。アプリケーションはデータベース エンジンと通信できなくなります。そのような状況の場合は、データベース エンジンと同じバージョンのクライアントを使用する必要があります。
データベース エンジンよりも新しいバージョンのクライアントの場合、正しく機能するかどうかはわかりません。新しいバージョンのクライアントと古いバージョンのエンジンを一緒に使用した場合の動作については保証できません。このため、新しいバージョンのクライアントと古いバージョンのエンジンを一緒に使用しないようにすることをお勧めします。
Zen インストーラーをダウンロードする場所について留意することがありますか?
はい、あります。ダウンロード版の Zen でインストールを行う場合、インストーラー ファイルを PATH 環境変数に含まれるディレクトリには置かないでください。セットアップ ファイルがそれらのディレクトリ内にあると、インストール中にファイルのコピーで問題が発生します。このようなインストーラーは Windows の %Temp% ディレクトリなどに置くようにしてください。
使用しているシステムは年中無休で実行しています。Zen のインストールまたはアップグレードに最適のタイミングはいつでしょうか?
インストールとアップグレードは、すべてのユーザーがシステムからログオフし、すべてのデータ ファイルが閉じている間に実行する必要があります。重要なソフトウェアのインストールを行う場合は、その前にターゲット ハード ドライブ上の重要なファイル(データ ファイルを含む)をバックアップしておいてください。
アップグレードを実行するときは、製品の前のバージョンに戻す必要がある場合に備えてインストール メディアや旧インストールの手順を保管しておいてください。
ターミナル サービスで実行しているユーザーに対し、Zen の設定の変更、DSN の作成、および Monitor ユーティリティの使用を制限する方法はありますか?
ターミナル サービス クライアント セッション内で実行する Zen クライアントは、デフォルトで Zen の管理者機能を実行することができます。たとえば、そのようなクライアントのユーザーは、Zen の構成の変更、DSN の作成および Monitor ユーティリティの使用が可能です。以前のリリースでは、管理者機能をクライアントから実行することはできませんでした。
この機能を制限する場合、システム管理者は以下の手順に従ってください。
1 ZenCC で、[ローカル クライアント]の下にある[MicroKernel ルーター]のプロパティを開きます。
2 このプロパティ ダイアログで、[WTS クライアントからの管理機能を制限]オプションのチェックをオンにします。
3 [OK]をクリックして ZenCC を終了してから再度起動すると、この設定が有効になります。
自社用に設定する必要のある、ここにリストされていない特別な設定はありますか?
はい、以下の状況など、場合によっては、Zen 構成のデフォルト設定の一部を調整する必要があります。
•複数のネットワーク インターフェイス
•スペースを含めないデータベース ファイル
•Microsoft Active Directory サービス
•中断されやすいネットワーク
詳細(特に、インストール後に予期しない動作が発生した場合の詳細)については、
特別な状況における設定を参照してください。