Zen v14 SP1 の新機能
新機能および変更された機能の概要
この Zen v14 SP1 の一般提供リリース、バージョン 14.10 では、以下の新機能と変更が含まれていました。
このドキュメントは、リリース後にも更新される可能性があります。最新バージョンは、
弊社 Web サイトからダウンロードできます。
タイムスタンプ データ型
今回のリリースでは、TIMESTAMP データ型に利用できる小数位(小数部桁数)を増やし、さらに新たなデータ型 TIMESTAMP2 をサポートします。
TIMESTAMP 列の小数位には、0(小数の秒なし)から 7(10
-7 セプタ秒)まで指定できるようになりました。TIMESTAMP(3) のように明示的な小数位を使用すると、格納とデフォルトの表示が一致するようになります。明示的な小数位を持たない TIMESTAMP 列は従来どおりに動作し、セプタ秒で格納され、ミリ秒の精度で表示されます。時刻値を表示するための ZenCC メカニズムはミリ秒に固定されています。詳細については、
TIMESTAMP を参照してください。
TIMESTAMP2 は、ファイル形式 9.5 および 13.0 に対してナノ秒単位で時間を追跡します。SQL アプリケーションでは、このデータ型を使用して、レコードを最後に更新した時点の日時をレコードにスタンプします。値は、AUTOTIMESTAMP データ型と一致するように、デフォルトの小数位 9 桁でナノ秒(10
-9 秒)を表す 8 バイトの符号なし値として格納されます。TIMESTAMP と同様に、SQL 列の作成時には小数位を選択できます。 この型で選択できる範囲は 0 から 9 です。詳細については、
TIMESTAMP2 を参照してください。
AUTOTIMESTAMP データ型は、その Btrieve キー タイプに加えて、SQL でもサポートされるようになりました。
日付と時刻のスカラー関数
今回のリリースでは、日付と時刻用に新しいスカラー関数が導入されました。
•SYSDATETIME() は、現在の現地日付と時刻を、'yyyy-mm-dd hh:mm:ss.nnnnnnnnn' 形式で表示されるタイムスタンプ値として返します。この関数では、現地時刻を表示するためのタイム ゾーン オフセットを適用することができます。
•SYSUTCDATETIME() は、現在の現地日付と時刻を、'yyyy-mm-dd hh:mm:ss.nnnnnnnnn' 形式で表示されるタイムスタンプ値として返します。この関数は UTC 時刻を返します。
•既存の SYSDATETIMEOFFSET() 関数が更新され、新たに追加されたスカラー関数用にナノ秒の小数位をサポートするようになりました。
SYSDATETIME() | 現在の現地日付と時刻をタイムスタンプ値として 'yyyy-mm-dd hh:mm:ss.nnnnnnn' 形式で返します。 デフォルトで、ローカル時計の時刻を使用します。精度については、 Windows ではセプタ秒、それ以外のすべてのプラットフォームではマイクロ秒です。Windows 以外のすべてのプラットフォームでは最後の数字が常にゼロとなります。 SET TIME ZONE を呼び出した場合、SYSDATETIME() の値は、システム時計とオペレーティング システムの地域の設定を基に UTC 日付と時刻を計算し、SET TIME ZONE のオフセット値を加算することによって決定されます。 |
SYSDATETIMEOFFSET() | 現在の日付と時刻に加えて、Zen データベース エンジンが起動しているコンピューターの現在のタイム ゾーンと UTC の間の時間と分のオフセットを返します。サマー タイム(DST)が考慮されます。 返されるデフォルトの書式は、YYYY-MM-DD hh:mm:ss[.nnnnnnn] [<+ | ->hh:mm] です。プラス記号は、現在のタイム ゾーンが UTC より進んでいることを示します。マイナス記号は、現在のタイム ゾーンが UTC より遅れていることを示します。 |
SYSUTCDATETIME() | 現在の現地日付と時刻をタイムスタンプ値として 'yyyy-mm-dd hh:mm:ss.nnnnnnn' 形式で返します。 デフォルトで、ローカル時計の時刻を使用します。精度については、 Windows ではセプタ秒、それ以外のすべてのプラットフォームではマイクロ秒です。Windows 以外のすべてのプラットフォームでは最後の数字が常にゼロとなります。 SET TIME ZONE を呼び出した場合、SYSUTCDATETIME() の値は、システム時計とオペレーティング システムの地域の設定を基に UTC 日付と時刻を計算することによって決定されます。 |
データ エクスポート ユーティリティ
deu ツールはコマンド プロンプトで実行され、SQL SELECT ステートメントの結果を区切り文字付きテキスト ファイルにエクスポートします。出力用のさまざまなコード ページを提供します。
Get/Set Delete Extended オペレーション
今回のリリースでは、削除用の Extended オペレーションが導入されました。
•Get Next Delete Extended (85)
•Get Previous Delete Extended (86)
•Step Next Delete Extended(87)
•Step Previous Delete Extended (88)
これらのオペレーションは既存の Get Extended オペレーションや Set Extended オペレーションと同様に動作します。データ ファイル間を前方および後方へ移動したり、フィルター条件を使用したりすることで、データベース エンジンが削除しようとするレコードを特定します。詳細については、『Btrieve API Guide』を参照してください。
グローバル変数 @@VERSION
この変数を使用する SQL ステートメントは、セッションが接続されている Zen サーバー エンジン、レポート エンジン、またはワークグループ エンジンに基づいて値を返します。
•Zen サーバーの場合、この値はローカル エンジンのバージョン、およびローカル オペレーティング システムのビット数、名前、およびバージョンになります。
•Zen Client Reporting Engine の場合は、ローカル レポート エンジンのバージョン、およびローカル オペレーティング システムのビット数、名前、およびバージョンになります。
•Zen Client の場合は、クライアントの接続先であるリモート Zen サーバー上のエンジンのバージョン、およびそのサーバーが実行されているオペレーティング システムのビット数、名前、およびバージョンになります。
•Zen Workgroup Engine の場合、この値はローカル エンジンのバージョン、およびローカル オペレーティング システムのビット数、名前、およびバージョンになります。
この新機能の詳細については、『
SQL Engine Reference』の
グローバル変数を参照してください。
Android および iOS における SQL クエリのサポート
Zen Core SDK では、Android および iOS プラットフォームでの SQL の使用がサポートされるようになりました。
ODBC 設定で読み取り専用 DSN を設定するためのオプション
以下の DSN 設定で、読み取り専用 DSN を設定するためのオプションが提供されるようになりました。
•Pervasive ODBC Unicode Interface(32 ビット)
•Pervasive ODBC Interface(64 ビット)
•Pervasive ODBC Unicode Interface(64 ビット)
読み取り専用 DSN の動作に関する詳細については、『
ODBC Guide』の「
ODBC Guide エンジン DSN セットアップ」の手順にある
リードオンリーを参照してください。
Butil 統計情報でオーナー ネームの保護と暗号化レベルを表示
コマンド プロンプトで butil ユーティリティの -stat オプションを使用したときに返される情報に、オーナー ネームの保護の有無と暗号化レベルが含まれるようになりました。
Butil の Cache および Purge におけるリスト ファイルのサポート
butil の -cache および -purge オプションでは、sourceFile 入力の代わりに @listFile がサポートされるようになりました。
Btrieve ファイルの書き込み可能オープン モード
MicroKernel エンジンが書き込み用にファイルを開けない場合、書き込み可能モードはエラーを返します。一般的なシナリオの 1 つは、ファイル システムの書き込みアクセス許可のないファイルです。ステータス コード 88 "アプリケーションでモードの不一致エラーが発生しました。" が返されます。
JDBC 4.1 のサポート
このリリースから、Java Database Connectivity API で JDBC 4.1 がサポートされるようになりました。
PDAC での Rad Studio 10.3 Rio サポート
このリリースから、PSQL Direct Access Components(PDAC)API で Rad Studio 10.3 Rio がサポートされるようになりました。PDAC は、Embarcadero の Delphi や C++ Builder 環境内から Zen データベース エンジンに直接アクセスできるようにする、一連の Visual Component Library(VCL)コンポーネントです。