Zen JDBC 2 ドライバーを使用したプログラミング
Zen の JDBC 2 機能の概要
以下のトピックでは、JDBC 2.0 について説明します。
環境設定の方法
このトピックでは、JDBC インターフェイスを使用する場合の適切な設定について説明します。
CLASSPATH システム変数の設定
Java アプリケーションおよびアプレットが Zen JDBC ドライバーを認識できるように、CLASSPATH 環境変数に pvjdbc2.jar、pvjdbc2x.jar、および jpscs.jar ファイルを含めるように設定してください。Windows プラットフォームでは、デフォルトでこれらのファイルは Program Files フォルダー下の <インストールディレクトリ>\bin に存在します。Linux、macOS、および Raspbian では、このファイルはデフォルトで /usr/local/actianzen/bin/lib にインストールされます。
Windows の場合
set CLASSPATH=%CLASSPATH%;<pvjdbc2.jar ディレクトのパス>/pvjdbc2.jar
set CLASSPATH=%CLASSPATH%;<pvjdbc2x.jar ディレクトのパス>/pvjdbc2x.jar
set CLASSPATH=%CLASSPATH%;<jpscs.jar ディレクトのパス> /jpscs.jar
Linux および macOS の場合
export CLASSPATH=$CLASSPATH:<pvjdbc2.jar ディレクトリのパス>/pvjdbc2.jar
export CLASSPATH=$CLASSPATH:<pvjdbc2x.jar ディレクトリのパス>/pvjdbc2x.jar
export CLASSPATH=$CLASSPATH:<jpscs.jar ディレクトリのパス>/jpscs.jar
PATH システム変数の設定
共有メモリを使用してデータベース エンジンに接続する場合、JDBC ドライバーは pvjdbc2.dll を見つける必要があります。PATH 環境変数に DLL の場所を含めてください。
set PATH=%PATH%;<pvjdbc2.dll ディレクトリのパス>
ソケットを使用してデータベースに接続する場合、DLL は必要とされません。
JDBC ドライバーの Java 環境への読み込み
CLASSPATH 変数を設定すると、Java アプリケーションから Zen JDBC ドライバーを参照することができます。 これは、次の java.lang.Class クラスを使用して行います。
Class.forName("com.pervasive.jdbc.v2.Driver");
IPv6 環境
IPv6 のみの環境で Zen JDBC ドライバーを使用する場合は、Java JRE 1.7 も使用することをお勧めします。IPv6 のみの環境でアプリケーションが Java JRE 1.6 より前のバージョンを使用した場合、ライセンス数に関する問題やクライアント追跡の問題が生じる可能性があります。
また、次のような条件が組み合わさった場合にも、ライセンス数に関する問題が生じることがあります。
1 1 台のマシンが Zen JDBC ドライバーを使用して複数のアプリケーションを実行しており、それらのアプリケーションが IPv4 アドレスと IPv6 アドレスを併用してデータベース エンジンに接続している。
データ ソースの指定
Java 環境に PervasiveDriver クラスを読み込んだ後、Zen データベースに接続するために URL 形式の文字列を java.sql.DriverManager クラスに渡す必要があります。JDBC ドライバーの URL の構文は次のとおりです。
jdbc:pervasive://<machinename>:<portnumber>/<datasource>
<machinename> | データベース エンジンを実行するマシンのホスト名または IP アドレス。 |
<portnumber> | データベース エンジンが受信を行うポート。このポートのデフォルト値は 1583です。 |
<datasource> | アプリケーションが使用する予定のデータベース サーバー上の ODBC DSN の名前。 |
たとえば、Zen エンジンが DBSERV というマシン上にあって、Demodata データベースに接続したい場合の URL は次のようになります(サーバーがデフォルトのポートを使用するように設定されているものとします)。
jdbc:pervasive://dbserv/demodata
DriverManager クラスを使用してデータベースに接続するには、次の構文を使用します。
Connection conn = DriverManager.getConnection("jdbc:pervasive://dbserv:1583/demodata", loginString, passwordString);
loginString はユーザーのログイン名を表す文字列で、passwordString はユーザーのパスワードを表す文字列です。
メモ:JDBC アプレットおよびアプリケーションがデータにアクセスするためには、指定したホスト マシンで Zen エンジンが実行されている必要があります。
JDBC アプレットの開発
JDBC を使用して Web ベース アプリケーションを開発するには、アプレット クラスを含むコード ベース ディレクトリに JDBC jar ファイルを置いておく必要があります。
たとえば、MyFirstJDBCapplet と呼ぶアプリケーションを開発する場合は、MyFirstJDBCapplet クラスを含むディレクトリに pvjdbc2.jar ファイルを置く必要があります。たとえば、C:\inetpub\wwwroot\myjdbc\ となります。
これにより、クライアント Web ブラウザーは JDBC ドライバーをダウンロードし、データベースに接続できます。
また、<applet> タグ内に archive パラメーターを指定する必要があります。たとえば、次のようになります。
<applet CODE="MyFirstJDBCapplet.class"
ARCHIVE="pvjdbc2.jar" WIDTH=641 HEIGHT=554>
アプレットのホストとなる Web サーバーで Zen エンジンが実行されている必要があることに留意してください。
JDBC プログラミング作業
ここでは、JDBC プログラミングの重要なコンセプトに焦点を当てます。
接続文字列の概要
JDBC ドライバーは、データベースの接続に URL を必要とします。JDBC ドライバー用の URL 構文は以下のとおりです。
jdbc:pervasive://machinename:port number/datasource[;encoding=;encrypt=;encryption=]
machinename は、Zen サーバーを実行するマシンのホスト名または IP アドレスです。
port number は、Zen サーバーが受信を行うためのポートです。このポートのデフォルト値は 1583です。
datasource は、アプリケーションが使用する予定の Zen サーバー上の ODBC エンジン データ ソースの名前です。
encoding= は、文字エンコードです。これは指定したコード ページを介して読み込んだデータにフィルターをかけることができます。これによりデータが正しく書式設定およびソートされます。値 "auto" は、接続時にデータベースのコード ページを決定し、エンコードをその文字エンコードに設定します。また、値 "auto" により、SQL クエリ内の NCHAR リテラルが保持されます。"auto" でない場合は、SQL クエリはデータベースのコード ページに変換されます。
encrypt= は、JDBC ドライバーが暗号化ネットワーク通信(ワイヤ暗号化とも呼ばれます)を使用する必要があるかどうかを決定します。
encryption= は、JDBC ドライバーが許可する暗号化の最低レベルを指定します。
メモ:JDBC アプリケーションを実行するためには、Zen エンジンは指定したホストで実行されている必要があります。
接続文字列の要素
JDBC を使用して Zen データベースに接続する方法を次に示します。
ドライバー クラスパス
com.pervasive.jdbc.v2
ドライバーを読み込むステートメント
Class.forName("com.pervasive.jdbc.v2.Driver");
URL
jdbc:pervasive://server:port/DSN[;encoding=;encrypt=;encryption=]
または
jdbc:pervasive://server:port/DSN[?pvtranslate=&encrypt=&encryption=]
表 1 接続文字列の要素
引数 | 説明 |
---|
server | ID または URL を使用したサーバー名。 |
port | リレーショナル エンジンのデフォルトのポートは 1583 です。ポートが指定されていない場合、このデフォルトが使用されます。 |
DSN | 通常の ODBC メソッドを使用してサーバーで設定する DSN の名前。 |
encoding | |
encrypt | JDBC ドライバーが暗号化ネットワーク通信(ワイヤ暗号化とも呼ばれます)を使用する必要があるかどうかを決定します。(『 Advanced Operations Guide』の ワイヤ暗号化を参照してください。) 値:always(常時)、never(しない) このオプションを指定しなかった場合、ドライバーにはサーバーの設定が反映されます。これは、"必要な場合" と同等です。 値 "always" を指定した場合、JDBC ドライバーは暗号化を使用します。ただし、サーバーがワイヤ暗号化を許可していない場合はエラーを返します。値 "never" を指定した場合、JDBC ドライバーは暗号化を使用しません。サーバーがワイヤ暗号化を要求した場合はエラーを返します。 JDBC ドライバーでワイヤ暗号化を使用するには、別の JAR ファイルが classpath に必要となります。この JAR ファイル jpscs.jar はデフォルトでインストールされ、Java Cryptography Extensions(JCE)を使用します。 |
encryption | JDBC ドライバーが許可する暗号化の最低レベルを決定します。 値:low(低)、medium(中)、high(高) デフォルト:medium(中) これらの値はそれぞれ 40 ビット、56 ビット、および 128 ビット暗号化に対応しています。 次の例では、JDBC ドライバーは UTF-8 エンコードを使用し、常に暗号化を要求し、最低でも "低" レベルの暗号化を必要とすることを指定しています。そうでない場合はエラー コードを返します。 jdbc:pervasive://host/demodata?encoding=UTF-8&encrypt= always&encryption=low |
JDBC 接続文字列の例
JDBC ドライバーを使用して Zen データベースに接続する方法を次に示します。
// JDBC ドライバーを読み込みます。
Class.forName("com.pervasive.jdbc.v2.Driver")
// JDBC の URL 構文
// jdbc:pervasive://<ホスト名または IP アドレス> :
// <ポート番号(デフォルト 1583)>/<ODBC エンジン DSN>
String myURL = "jdbc:pervasive://127.0.0.1:1583/demodata";
try
{
// m_Connection = DriverManager.getConnection(myURL,username, password);
}
catch(SQLException e)
{
e.printStackTrace();
// その他の例外処理
}
文字エンコードを使用する
Java は文字列にワイド文字を使用します。データベースのエンコードがワイド文字でない(たとえば、UCS-2 である)場合は、データベース エンジンによって文字データを正しく変換するために、ドライバーはデータベースのコード ページを知っている必要があります。データベースの文字データ エンコードは、ドライバー マネージャーに渡す接続文字列の中で"encoding" 属性を使用して指定します。
encoding 属性
encoding 属性は、文字データの変換に使用する特定のコード ページを指定します。encoding 属性を "auto" に設定することで、これを自動化できます。これは、データベースで使用されているコード ページを自動的に使用するよう、ドライバーに指示します。特定のコード ページを指定することもできます。encoding 属性をが指定されない場合は、クライアント マシンに用いられているデフォルトのオペレーティング システムのコード ページが使用されます。これはクライアントとサーバーが同じオペレーティング システムのエンコードを使用していることが前提です。
また、encoding 属性を "auto" に設定すると、SQL クエリ テキストが、データベース コード ページのエンコードではなく UTF-8 エンコードを使用して送信されるようになります。これにより、クエリ テキスト内の NCHAR 文字列リテラルが保持されます。
文字エンコードの使用例
public static void main(String[] args)
{
// latin 2 エンコードを指定
String url = "jdbc:pervasive://MYSERVR:1583/SWEDISH_DB;encoding=cp850";
try{
Class.forName("com.pervasive.jdbc.v2.Driver");
Connection conn = DriverManager.getConnection(url);
Statement stmt = conn.createStatement();
ResultSet rs = stmt.executeQuery("select * from SwedishTable");
rs.close();
stmt.close();
conn.close();
}
catch(Exception e)
{
e.printStackTrace();
}
}
文字エンコードの注意点
Zen JDBC ドライバーは、コード ページの Java ネイティブ サポートを使用します。サポートされるコード ページの一覧は Oracle Corporation の Web サイトから入手できます。
Web ベース アプリケーションの開発
ここでは、Zen JDBC ドライバーを使用して Web ベースのアプリケーションを作成する方法を説明します。
アプレット
JDBC を使用して Web ベース アプリケーションを開発するには、アプレット クラスを含むコードベース ディレクトリに JDBC jar ファイルを置いておく必要があります。
たとえば、MyFirstJDBCapplet というアプリケーションを開発する場合は、MyFirstJDBCapplet クラスを含むディレクトリに pvjdbc2.jar ファイルまたは Zen jdbc パッケージを置く必要があります。たとえば、C:\inetpub\wwwroot\myjdbc\ と指定できます。これにより、クライアント Web ブラウザーはネットワークから JDBC ドライバーをダウンロードし、データベースに接続できます。
また、JAR ファイルを使用する場合、<APPLET> タグ内にアーカイブ パラメーターを設定する必要があります。たとえば、次のようになります。
<applet CODE="MyFirstJDBCapplet.class" ARCHIVE="pvjdbc2.jar" WIDTH=641 HEIGHT=554>
メモ:Zen エンジンは、アプレットのホストとなる Web サーバー上で運用しなければなりません。
サーブレットと Java Server Page
JSP を使用して、Zen JDBC ドライバーを用いる Web ベースのアプリケーションを作成することができます。
次に示すのは、Zen に含まれるサンプル データベース Demodata のテーブルの 1 つを表示する Java Server Page の例です。
<%@ page import="java.sql.*" %>
<%@ page import="java.util.*" %>
<%
Class.forName("com.pervasive.jdbc.v2.Driver");
Connection con = DriverManager.getConnection("jdbc:pervasive://localhost:1583/demodata");
PreparedStatement stmt = con.prepareStatement("SELECT * FROM Course ORDER BY Name");
ResultSet rs = stmt.executeQuery();
%>
<html>
<head>
<title>JSP Sample</title>
</head>
<body>
<h1>JSP Sample</h1>
<h2>Course table in Demodata database</h2>
<p>
この例は、Demodata データベースの Course テーブルを開き、
そのテーブルの内容を表示します
</p>
<table border=1 cellpadding=5>
<tr>
<th>Name</th>
<th>Description</th>
<th>Credit Hours</th>
<th>Department Name</th>
</tr>
<% while(rs.next()) { %>
<tr>
<td><%= rs.getString("Name") %></td>
<td><%= rs.getString("Description") %></td>
<td><%= rs.getString("Credit_Hours") %></td>
<td><%= rs.getString("Dept_Name") %></td>
</tr>
<% } %>
</table>
</body>
</html>
サーブレットと JSP に関する情報
サーブレットと JSP の詳細については、Oracle の Web サイトを参照してください。
JDBC 2.0 Standard Extension API
接続文字列はベンダー固有であるため、Java は DataSource インターフェイス仕様を作成しました。これは、Java レジストリとして機能する JNDI を利用します。DataSource インターフェイスにより、JDBC 開発者は名前付きデータベースを作成することができます。開発者は、JNDI にデータベース名とベンダー固有のドライバー情報を登録します。そうすると、JDBC アプリケーションはデータベースをまったく知る必要がなく、「ピュア」な JDBC となります。
Zen JDBC ドライバーは JDBC 2.0 Standard Extension API をサポートしています。現在、Zen JDBC ドライバーは次のインターフェイスをサポートしています。
•javax.sql.ConnectionEvent
•javax.sql.ConnectionEventListener
•javax.sql.ConnectionPoolDataSource
•javax.sql.DataSource
•javax.sql.PooledConnection
メモ:これらのインターフェイスは、コア JDBC API を 100% Pure Java として維持するため、pvjdbc2x.jar に別にパッケージされています。
現時点では、Zen は RowSet インターフェイスの実装を提供していませんが、Zen JDBC ドライバーは Oracle の RowSet インターフェイスの実装で検証済みです。
DataSource
Java はアプリケーション開発者がドライバーに依存しないアプリケーションを作成する方法を提供しています。DataSource インターフェイスと JNDI を使用することにより、アプリケーションは標準の方法でデータにアクセスでき、接続文字列のようなドライバー固有の要素をなくすことができます。DataSource インターフェイスを使用するには、データベースを JNDI サービス プロバイダーに登録する必要があります。そうすると、アプリケーションはデータベースに名前でアクセスすることができます。
次に DataSource インターフェイスの使用例を挙げます。
// このコードは、DataSource を
// 登録するために、管理者が実行する
// 必要があります。
// このサンプルは、Oracle の参照 JNDI
// 実装を使用します。
public void registerDataSources()
{
// この例では JNDI ファイルシステム
// オブジェクトをレジストリとして使用します。
Context ctx;
jndiDir = "c:\\jndi";
try
{
Hashtable env = new Hashtable (5);
env.put (Context.INITIAL_CONTEXT_FACTORY,
"com.sun.jndi.fscontext.RefFSContextFactory");
env.put(Context.PROVIDER_URL, jndiDir);
ctx = new InitialContext(env);
}
catch (Exception e)
{
System.out.println(e.toString());
}
// demodata を通常のデータ ソースとして登録
com.pervasive.jdbc.v2.DataSource ds = new com.pervasive.jdbc.v2.DataSource();
String dsName = "";
try
{
// ユーザー名、パスワード、ドライバーの種類、およびネットワーク プロトコルを設定
ds.setUser("administrator");
ds.setPassword("admin");
ds.setPortNumber("1583");
ds.setDatabaseName("DEMODATA");
ds.setServerName("127.0.0.1");
ds.setDataSourceName("DEMODATA_DATA_SOURCE");
ds.setEncoding("cp850");
dsName = "jdbc/demodata";
// バインド
try
{
ctx.bind(dsName,ds);
System.out.println("バウンド データ ソース [" + dsName + "]");
}
catch (NameAlreadyBoundException ne)
{
System.out.println("データ ソース [" + dsName + "] は既にバインドされています");
}
catch (Throwable e)
{
System.out.println("JNDI バインド エラー:");
throw new Exception(e.toString());
}
}
}
// この DataSource をアプリケーションで使用するには、次のコードを実行することが必要
public DataSource lookupDataSource(String ln) throws SQLException
{
Object ods = null;
Context ctx;
try
{
Hashtable env = new Hashtable (5);
env.put (Context.INITIAL_CONTEXT_FACTORY,
"com.sun.jndi.fscontext.RefFSContextFactory");
// JNDI ディレクトリを作成し、
// その名前を返す
// ただしそのディレクトリがまだ存在していない場合のみ
String jndiDir = "c:\\jndi";
env.put(Context.PROVIDER_URL, jndiDir);
ctx = new InitialContext(env);
}
catch (Exception e)
{
System.out.println(e.toString());
}
try
{
ods = ctx.lookup(ln);
if (ods != null)
System.out.println("データ ソース [" + ln + "]"+"が見つかりました");
else
System.out.println("データ ソース [" + ln + "]"+"が見つかりません");
}
catch (Exception e)
{
throw new SQLException(e.toString());
}
return (DataSource)ods;
}
// ConnectionPoolDataSource も
// 同様に扱われることに注意
接続および並行制御
単一の Zen JDBC 接続は、簡単に複数スレッドをサービスすることができます。ただし、接続がスレッド セーフのとき、その接続によって作成されたオブジェクトはスレッド セーフにはなりません。たとえば、ユーザーは 4 つのスレッドを作成できます。これらのスレッドは、それぞれの Statement オブジェクトを与えられます(すべて同じ Connection オブジェクトによって作成されます)。4 つのスレッドはすべて同一接続を使用し、同時にデータを送ったり要求したりすることができます。これは、4 つの Statement オブジェクトが同一 Connection オブジェクトを参照し、読み取りと書き込みがこのオブジェクト上で同期することにより、動作します。ただし、このアクセスが同期していなければ、1 番目のスレッドは 2 番目のスレッドの Statement オブジェクトにアクセスすることはできません。このことは、JDBC API 内のほかのすべてのオブジェクトにも当てはまります。
スクロール可能な結果セット
スクロール可能な結果セットにより、結果セット内を前方または後方へ移動することができます。このタイプの移動は、それぞれ相対または絶対に分類されます。first()、last()、beforeFirst()、afterLast()、および absolute() メソッドを呼び出すと、スクロール可能な結果セットに絶対的に位置付けることができます。相対的な位置付けは next()、previous()、および relative() メソッドを使用します。
また、スクロール可能な結果セットは更新可能または読み取り専用にすることができます。これは、その基盤にあるデータベースに変更を加えることができるかどうかに関係します。そのほかの用語として、センシティビティは、これらの変更が現在の結果セットに影響するかどうかに関連します。
センシティブな結果セットは、これに行われた Insert、Update、Delete の結果をすべて反映します。Zen の場合、インセンシティブな結果セットはデータの静的なスナップショットであるため、これに加えられた変更を一切反映しません。言い換えると、自身またはほかの人が行った変更を知ることができません。
センシティブおよびインセンシティブな結果セットは、それぞれ ODBC の動的および静的に対応します。センシティブな結果セットは、トランザクション分離レベルに READ_COMMITTED が設定されている場合、自身で行った変更およびほかの人が行った変更を反映します。トランザクション分離レベルは、Connection オブジェクトを使用して設定します。結果セットのタイプはステートメント作成で設定されます。
結果セットがインセンシティブの場合、現在の行番号を判断するために getRow() メソッド呼び出しを行うことができます。また、インセンシティブな結果セットでは、isLast()、isFirst()、isBeforeFirst()、および isAfterLast() 呼び出しを行うことができます。センシティブな結果セットでは、isBeforeFirst() および isAfterLast() のみを呼び出すことができます。また、インセンシティブな結果セットでは、ドライバーはユーザーが指示したフェッチ方向を受け入れます。センシティブな結果セットでは、ドライバーは指示されたフェッチ方向を無視します。
JDBC プログラミング例
次の例では、"MYSERVER" サーバー上の "DB" という名前のデータベースへの接続を作成します。それから、その接続上にセンシティブで変更可能な Statement オブジェクトを作成します。その Statement オブジェクトを使用して "SELECT" クエリを実行します。結果セット オブジェクトが取得されると、"absolute" 呼び出しを行い、5 番目の行に移動します。5 番目の行の 2 番目の列が整数値 101 に変更されると、"updateRow" 呼び出しで実際にその更新を行います。
Class.forName("com.pervasive.jdbc.v2.Driver");
Connection conn=
DriverManager.getConnection("jdbc:pervasive://MYSERVER:1583/DB");
Statement stmt =
conn.createStatement(ResultSet.TYPE_SCROLL_SENSITIVE, ResultSet.CONCUR_UPDATABLE);
ResultSet rs =
m_stmt.executeQuery("SELECT * FROM mytable");
rs.absolute(5);
rs.updateInt(2, 101);
rs.updateRow();
rs.close();
stmt.close();
conn.close();