PSQL v13 での 新機能
新機能および変更された機能の概要
以下のセクションでは、PSQL v13 の一般リリース、バージョン 13.00 おける新機能と旧バージョンからの変更点を説明しています。
リリース ノートは、製品リリース後にも更新される可能性があります。最新バージョンは、
弊社 Web サイトからダウンロードできます。
Client Reporting Engine
大規模なレポートのクエリを行うと、Pervasive PSQL Server に大きな負荷がかかるため、小さなトランザクションから成る標準的なストリームでもリソースの競合が発生する可能性があります。レポート実行の Pervasive PSQL Server への負荷を減らすには、プロキシ サーバーとして Pervasive PSQL Client Reporting Engine をセットアップします。この 64 ビット エンジンは、Pervasive PSQL リレーショナル エンジンと Pervasive PSQL クライアント キャッシュ エンジンの機能を組み合わせた特別なものであり、SQL レポート ジョブによるサーバー動作への影響を低減するために、ジョブの負荷を削減することができます。大規模なレポートのクエリをサーバーでなくレポート エンジンで実行すると、通常の実稼働オペレーションのサーバー パフォーマンスが改善されます。
Reporting Engine の設定
Client Reporting Engine の設定では、すべてのデータのマスター コピーが存在し続ける Pervasive PSQL Server の名前が「ストレージ エンジン」として使用されます。Client Reporting Engine を設定すると、そのサーバー上にあるのと同じデータベースがすべて SQL クライアントにも公開されるため、すべての SQL クエリをこのレポート エンジンに送信できます。Reporting Engine を使用するには、クエリなどの関連する要求がサーバーでなくこのクライアントに送信されるように設計を変更する必要があります。
新しいパフォーマンス カウンターおよび修正されたパフォーマンス カウンター
Pervasive PSQL Client Reporting Engine には、キャッシュの使用状況を追跡するための Windows パフォーマンス カウンターが搭載されています。Pervasive PSQL Server と Vx Server でも Windows パフォーマンス カウンターが搭載されるようになり、アプリケーションの直接の使用と、レポート エンジンなどリモートのキャッシュ エンジンによるアプリケーションの使用を識別できるようになりました。さらに、キャッシュ ヒット率のカウンターが、累計のアクティビティでなく最近のアクティビティを反映するように変更されました。
メモ:この特別なエンジンは、大部分のデータベース オペレーションを正常に実行できるものの、読み取りが主体のレポート ジョブ向けに設計されています。Client Reporting Engine は、Btrieve アプリケーションにより、常時接続のクライアント キャッシュ エンジンとして使用することができます。
新しい Btrieve API
PSQL v13 には、Btrieve 向けの簡素化された新しい C/C++ API が搭載されています。この API に必要な Windows DLL は Pervasive PSQL とともに自動的にインストールされます。
この新しい Btrieve API の SDK に同梱されている SWIG ファイルは、Python、perl、および PHP などのスクリプト言語と一緒に使用することで、同 API をそれらの言語環境でネイティブ オブジェクトとして機能させることができます。
新しいプラットフォーム用のベータ リリース
PSQL v13 は以下の新しいプラットフォームで実行されます。
•x86 および 32 ビット ARM のための Windows IoT Core
•Windows Nano Server(日本語版は非サポート)
•Raspbian(32 ビット ARM)
本リリースでは、これらのプラットフォームのサポートはベータ版の段階であり、以下のような制限があります。
•Server および Client のエディションでのみ使用できます。
•Windows 版のインストールでは .zip アーカイブとスクリプトを使用します。
•Raspbian 版のインストールは .tar ファイルとスクリプトです。インストール手順は、Linux 版 Pervasive PSQL の場合と同じです。
•ライセンス管理では、製品キーでなくライセンス キーを使用します。
•Windows IoT Core では、Pervasive PSQL は CLI ユーティリティのみをサポートし、ローカル アクセス方法は Btrieve、直接リンクによる ODBC(ドライバ マネージャーなし)、および DTI になります。
•Windows Nano Server(日本語版は非サポート)では、Pervasive PSQL は CLI ユーティリティのみをサポートし、ローカル アクセス方法は Btrieve、直接リンクによる ODBC(ドライバ マネージャーなし)、および DTI になります。
•Raspbian では、Pervasive PSQL は PCC と DDF Builder をサポートしません。
•Windows Nano Server(日本語版は非サポート)では新しい Pervasive PSQL Client Reporting Engine がサポートされます。
Pervasive PSQL のインストールは、Docker for Windows との動作確認が完全に行われています。
PCC による新しいスキーマのエクスポートおよびインポート
PSQL v13 はスキーマ管理機能を拡張し、データベース レベルの全メタデータを SQL スクリプトにエクスポートできるようになりました。このスクリプトを新しいデータベースにインポートすると、以下のような有益なことができるようになります。
•データベース全体の再作成
•V1 形式から V2 形式への移行
•元のデータベースでのメタデータに関する問題の検出とトラブルシューティング
キャッシュ管理
PSQL v13 に含まれる butil ユーティリティに、2 つの新しいコマンド オプションが加わりました。
•-cache:ファイルのページをキャッシュへ事前ロードします。ただし、ファイルが完全にキャッシュされているか、またはキャッシュがいっぱいの場合にはロードされません(コマンド プロンプに戻ります)。
•-purge:ファイルの不要なキャッシュ ページをすべて消去します。ファイルがオープン ハンドルを持つ場合は消去されません(ただちにコマンド プロンプトに戻ります)。
これら 2 つのコマンドは補完的なものです。これらのアクションが適用されるのは、クライアント エンジンまたはレポート エンジンのキャッシュではなく、サーバー エンジンのキャッシュのみです。
SDK アクセス方法
以下の設定方法が本リリースで更新されました。
ADO.NET
PSQL v13 では、Pervasive PSQL ADO.NET SDK が ADO.NET Entity Framework プロバイダー 4.3 で更新され、Microsoft Entity Framework 6.1 と skip() の構文がサポートされるようになりました。
メモ:ADO.NET Entity Framework プロバイダー 4.0 は本リリースからサポートされなくなりました。
DTI
Microsoft Windows のヘッダー ファイル security.h との競合を回避するため、PSQL v13 DTI SDK 内の同名のファイルが dtisecurity.h と名前変更されました。動作に変更はありません。
SQL 構文の拡張
PSQL v13 での SQL のサポートが拡張され、以下の新機能が追加されました。
•クエリの結果から一連の行を抽出するために、TOP でなく LIMIT… OFFSET… 構文がサポートされるようになりました。
•ビューやプロシージャなどすべてのデータベース オブジェクト用に、DROP IF EXISTS 構文がサポートされるようになりました。
•ORDER BY がテーブル サブクエリだけでなく式サブクエリでもサポートされるようになりました。
廃止予定の機能
PSQL v13 では以下の項目がサポートされなくなりました。
•Windows Vista および Windows Server 2008。Windows Server 2008 R2 のサポートは続行されます。
•ADO.NET Entity Framework プロバイダー 4.0
•旧バージョンの Backup Agent、AuditMaster、DataExchange が搭載されているシステムを PSQL v13 にアップグレードすることは現時点ではできません。これらの製品を PSQL v13 にアップグレードするには、まずそれらをアンインストールする必要があります。これら 3 つの製品を削除する前に、データをバックアップし、それらの製品の設定を保存することをお勧めします。