PSQL System Analyzer(PSA)
診断での PSA の使用
以下のセクションでは、PSQL によるシステム分析について説明します。
PSA の概念
PSQL System Analyzer(PSA)は、以下の操作を実行できるユーティリティです。
•システム上の PSQL コンポーネントをバージョン情報、使用状況、サイズ、およびロケーションと共に表示します。
•システム上の重複コンポーネントを識別します。
•ネットワーク通信をテストし、接続性を検査します。
•MicroKernel エンジンとの接続性を検査します。
•リレーショナル エンジンとの接続性を検査します。
モジュールの表示
このオプションを使用すると、すべての PSQL コンポーネントと指定した任意のファイルを表示することができます。コンポーネントを検索リストに追加することができます。バージョン、使用状況、ファイル サイズおよびロケーションが表示されます。重複するファイルが判明するので、発生する可能性のある競合を解決することができます。
表示モジュールはマシン上の PSQL コンポーネントをスキャンし、どのコンポーネントがメモリにロードされているかを判断します。
アクティブ インストールのテスト
このオプションを使用すると、PSQL クライアントと、MicroKernel エンジン/リレーショナル エンジン間のネットワーク接続をテストすることができます。エラーが検出された場合、PSA は詳細なトラブルシューティング情報を示し、問題解決の役に立ちます。
ネットワーク
ネットワーク通信テストは、クライアントまたはワークステーションがネットワーク プロトコルを使用して PSQL データベース エンジンがインストールされているマシンと通信できるかどうかを検証します。TCP/IP プロトコルの場合、IPv4 および IPv6 はどちらも数字および名前によるアドレスがサポートされます。IPv6 の詳細については、『
Getting Started with PSQL』の
ドライブ ベースの形式も参照してください。
[
詳細設定]を使用すると、テストするプロトコルだけでなくストレス テストのメッセージ数も指定することができます。デフォルトでは、ネットワーク テストは、使用可能なすべてのプロトコルを使って接続します。これは、システムにインストールされているプロトコルのうち、PSQL での使用が設定されているプロトコルです。『
Advanced Operations Guide』の
サポート プロトコルに記載されている設定パラメーターを参照してください。
選択されたすべてのテストの終了まで、プログレス バーが表示されます。ネットワーク通信のテストの手順は以下のとおりです。
1 使用可能なプロトコルの検証
2 ネットワーク クライアントの使用可否を検証
3 ターゲット名の修飾
4 ネットワーク アドレスのターゲット ロケーションの解決
5 サーバー アドレスの検証
6 サーバー接続の検証
7 ストレス テストの実行
トランザクショナル エンジン
このテストでは、MicroKernel エンジンを介して PSQL データベースへ接続するためのクライアント機能をチェックします。
PSA では、このテストを実行すると、ほとんどの MicroKernel エンジン アプリケーションに共通する基本的なデータベース操作の実行を試行します。コンピューターでこのテストを行うと、以下のことが確認できます。
•MicroKernel エンジンが応答するかどうか。
•クライアント インターフェイス コンポーネントが正しくインストールされているかどうか。
•クライアントおよびデータベース エンジン間のネットワーク通信は正しく機能しているかどうか。
•コンピュータ上で実行している MicroKernel エンジン アプリケーションが正しく機能しているかどうか。
リレーショナル エンジン
このテストでは、リレーショナル エンジンを介して PSQL データベースへ接続するためのクライアント機能をチェックします。このテストを実行すると、PSA は一般的な SQL データベース操作の実行を試行します。テスト中は進行状況を示すダイアログ ボックスが表示されます。
コンピューターでこのテストを行うと、以下のことが確認できます。
•リレーショナル エンジンは起動しているかどうか。
•クライアント インターフェイス コンポーネントが正しくインストールされているかどうか。
•クライアントおよびデータベース エンジン間のネットワーク通信は正しく機能しているかどうか。
•コンピューター上で実行している SQL アプリケーションが正しく機能しているかどうか。
よく寄せられる質問
PSA について、よく寄せられる質問を以下に挙げます。
デフォルトのログ ファイルの名前は何ですか?
ログ ファイルのデフォルトのファイル名は psa.log です。
別のログ ファイル名を使用することができますか?
ファイルの名前は変更できますが、その名前が適用されるのは PSA のそのセッションのみです。次回 PSA を実行した際は、デフォルトの psa.log に戻ります。
ログ ファイルのローカル ロケーションはデフォルトでどこですか?
ログ ファイルのデフォルトの保存場所は、Application Data ディレクトリ内にある logs フォルダー内です。
PSQL ファイルのデフォルトの保存場所については、『
Getting Started with PSQL』の
PSQL ファイルはどこにインストールされますか?を参照してください。
ログ ファイルのリモート ロケーションはデフォルトでどこですか?
ログ ファイルのデフォルトのロケーションは、常に Windows マシン上の psawizrd.exe が存在する場所です。
ログ ファイルにはどのような種類の情報が含まれていますか?
ログ ファイルは PSA が実行した処理をすべて記録し、関連するタイムスタンプも含みます。
ユーティリティが実行されるたび、ログ ファイルの情報はどのようになりますか?
[
ログ ファイルに追加]オプション(図
22 を参照)を選択すると、PSA が実行するたびに新しい情報がログ ファイルへ追加されます。このオプションをクリアすると、ログ ファイルにはその PSA セッションに関する情報のみが含められます。
PSA の実行方法は?
どのような場合に PSA を使用するのですか?
PSA を使用する最も一般的な状況を次にリストします。
•ネットワーク エラーが発生したので、クライアントから PSQL データベース エンジンが起動しているコンピューターへの接続をテストしたい場合。
•アプリケーションが正しく機能しないので、データベース エンジンへの接続をテストしたい場合。
•システム上にある、またはメモリにロード済みの PSQL コンポーネントを表示したい場合。
PSA GUI のビジュアル リファレンス
次の PSA のダイアログにより、PSA の機能にアクセスできます。スクリーンショット上の各項目の領域をクリックすると、その項目の詳細が表示されます。
図 22 PSA メイン ダイアログ
GUI のオブジェクト | 説明 | 関連情報 |
---|
ロード済みの PSQL モジュールを表示する | 現在あるすべての PSQL コンポーネントとバージョン情報を表にして示します。また、表にコンポーネントを追加することもできます。 | |
アクティブ インストールをテストする | PSQL のインストール テストには、ネットワーク接続、MicroKernel エンジン機能、およびリレーショナル エンジン機能の 3 つの方法があります。実行したいテストに対応するオプションを選択します。 | |
ネットワーク通信をテストする | データベース エンジンを実行するマシンへのネットワーク接続をテストします。ネットワークのテストは、テスト中に発生した問題に関する詳細情報を表示し、問題の解消方法のアドバイスを提供します。 結果を表示するのに埋め込み HTML コンポーネントを使用するため、Internet Explorer がインストールされていない場合、このテストは実行できません。 | |
トランザクショナル エンジンをテストする | MicroKernel エンジンをテストします。 | |
リレーショナル エンジンをテストする | リレーショナル エンジンをテストします。 | |
ログ ファイル | デフォルトとは異なるログ ファイルの場所を指定することができます。PSA は実行したテストの詳細情報をログに出力します。このログ ファイルを使用して、後でテスト結果を見直したり、テストの状況によっては PSQL テクニカル サポートに送ったりすることもできます。 [ログ ファイルに追加]オプションを選択すると、ログ ファイルに処理内容を累積的に追加して実行履歴を提供します。このオプションをクリアすると、ログ ファイルはセッションごとに新たに開始され、現在の PSA セッションの情報のみを記録します。 | |
PSA のタスク
一般的な作業
►PSA を起動するには
1 オペレーティング システムの[スタート]メニューまたはアプリ画面から、あるいはコマンド プロンプトから psawizrd.exe を実行して、PSQL System Analyzer にアクセスします。
PSQL ファイルのデフォルトの保存場所については、『
Getting Started with PSQL』の
PSQL ファイルはどこにインストールされますか?を参照してください。
モジュールのタスク表示
►モジュール表示のオプションを選択するには
1 PSA を起動し、[次へ]をクリックします。
2 [ロード済みの PSQL モジュールを表示する]をクリックします。
3 [次へ]をクリックします。
次の図のようなダイアログが表示されます。
図 23 PSA のモジュール表示セクション
[メモリ内]を選択すると、PSQL コンポーネントがどのロケーション(PATH 内またはほかの指定したロケーション)にあるかに関わらず、PSA はメモリ内にロードされているすべての PSQL コンポーネントを検索します。
検索リストにコンポーネントを追加したい場合は、次のようにしてください。
a. [追加モジュール]をクリックします(まだ選択されていなかった場合)。
b. ファイル名(ドライブ文字もパスも付けない)を入力します。
c. コンポーネントの追加ボタン
をクリックします。
d. 追加したコンポーネントがパスにない場合、検索ロケーションにパスを追加します。
検索ロケーションにパスをさらに追加したい場合は、次のようにしてください。
a. [追加ロケーション]をクリックします。
b. ロケーションの追加ボタン
をクリックします。
c. ロケーションを参照して選択し、[OK]をクリックします。
d. 指定したロケーション内にあるすべてのディレクトリも検索する場合は、[サブフォルダーも探す]をクリックします。
4 [次へ]をクリックします。
5 見つかったコンポーネントを示すグリッドが表示されます。
同一の名前のファイルが検出された場合、その複数存在するファイル名の左側にアイコン
が表示されます。
同一コンポーネントが複数回検出された場合、その同一コンポーネントがまとめて表示されるよう並べ替えることができます。これを行うには、[モジュール]列見出しをクリックします。
同じファイルが複数存在しても、必ずしも設定で問題となるわけではありません。これらを識別することは、状況によってコンポーネントに関する問題のトラブルシュートに役立ちます。たとえば、2 つの PSQL コンポーネントが両方とも同一バージョンと記されている場合、どれがメモリにロードされているか、またそのコンポーネントが期待している場所に存在しているかを調べたいでしょう。
6 [次へ]をクリックします。
7 PSA の使用を終了する場合は[完了]をクリックし、ログ ファイルを見る場合は[ログ ファイルを表示する]をクリックします。
アクティブ インストールのテスト
以下の 3 つの方法で、インストールされている現在アクティブなサーバーをチェックできます。
ネットワーク レベルでのテスト
►ネットワークをテストするには
1 PSA を起動し、[次へ]をクリックします。
2 オプション ダイアログで[アクティブ インストールをテストする]をクリックします(まだ選択されていなかった場合)。
3 [ネットワーク通信をテストする]をクリックします(まだ選択されていなかった場合)。
4 [次へ]をクリックします。
5 [ターゲット マシン]フィールドにはテスト対象のマシンの名前または IP アドレスを入力します。ローカル マシンを指す「localhost」を入力することもできます。マシンは現在使用しているマシンでもリモート マシンでもかまいません。
6 テストの実行方法を制御したい場合は、[詳細設定]をクリックし、以下の手順を実行してください。
a. デフォルトで、PSA は使用可能な最初のプロトコルを使用します。[以下のプロトコルのみ使用する]をクリックすると、PSA で使用するプロトコルを 1 つまたは複数指定できます。
b. PSA でテストするプロトコル オプションを選択します。NetBIOS プロトコルは PSQL Server ではサポートされないので注意してください。SPX プロトコルは PSQL Workgroup ではサポートされていません。
c. 送信するストレス テスト メッセージ数を指定するには、[テスト メッセージ]に値を入力します。デフォルト値は 75 です。プロトコルを使用して接続に成功したら、PSA はストレス テスト メッセージを送信して接続が正しく機能しているかどうかを確認します。
d. [OK]をクリックして変更を保存します。
7 [次へ] をクリックして、テストを開始します。
PSA は一連のテストを実行し、結果を表示します。
テストが成功すると、PSA はすべてのテスト メッセージが正常に送信されたことを通知します。テストが失敗した場合、PSA ではエラーを通知し、それを解決するためのヒントも提示します。このヒントは PSA ログ ファイルにも記録されます。
8 [次へ]をクリックします。
9 PSA の使用を終了する場合は[完了]をクリックし、ログ ファイルを見る場合は[ログ ファイルを表示する]をクリックします。
MicroKernel レベルでのテスト
►MicroKernel(トランザクショナル)エンジンをテストするには
1 PSA を起動し、[次へ]をクリックします。
2 オプション ダイアログで[アクティブ インストールをテストする]をクリックします(まだ選択されていなかった場合)。
3 [トランザクションル エンジンをテストする]をクリックします(まだ選択されていなかった場合)。
このテストは一連のトランザクショナル操作を実行し、クライアント リクエスターとデータベース エンジンとの交信をシミュレートします。
4 [次へ]をクリックします。
5 データベース エンジンが実行しているマシン上の samples ディレクトリのパス名を入力します。データベース エンジンがローカル マシンで実行している場合は、デフォルトのパスを修正する必要があります。パスを入力するか、
をクリックするとパスを参照することができます。
6 MicroKernel エンジンに対して実行する操作を選択します(デフォルトではすべて操作オプションが選択されています)。
•データ ファイルの作成(書き込みアクセス権が必要)
•データ ファイルの読み取り
•データ ファイルの更新(書き込みアクセス権が必要)
•データ ファイルの挿入(書き込みアクセス権が必要)
7 [次へ]をクリックします。
PSA はテストを実行し、結果を表示します。チェック マークはテストが成功したことを示し、"x" はテストが失敗したことを示します。
すべてのテストが成功すると、クライアント リクエスターはデータベース エンジンと通信できます。
8 [次へ]をクリックします。
9 PSA の使用を終了する場合は[完了]をクリックし、ログ ファイルを見る場合は[ログ ファイルを表示する]をクリックします。
リレーショナル レベルでのテスト
►リレーショナル エンジンをテストするには
1 PSA を起動し、[次へ]をクリックします。
2 オプション ダイアログで[アクティブ インストールをテストする]をクリックします(まだ選択されていなかった場合)。
3 [リレーショナル エンジンをテストする]をクリックします(まだ選択されていなかった場合)。
このテストは一連の SQL 操作を実行し、クライアント リクエスターとデータベース エンジンとの交信をシミュレートします。
4 [次へ]をクリックします。
5 [
マシン名]にエンジンのデータ ソース名(DSN)が存在するマシンの名前または IP アドレスを入力するか、またはマシンを参照します(
をクリック)。
ローカル マシンをテストする場合は名前として "localhost" が有効です。
6 [エンジン DSN]には、テストするデータ ソースの DSN 名を入力します。デフォルトの demodata は、データベース エンジンと一緒にインストールされたサンプル データベースの DSN を使用します。
7 リレーショナル エンジンに対して実行する操作を選択します(デフォルトではすべて操作オプションが選択されています)。
•テーブルの作成
•データの読み取り
•データの更新(書き込みアクセス権が必要)
•データの挿入(書き込みアクセス権が必要)
8 [次へ]をクリックします。
PSA はテストを実行し、結果を表示します。チェック マークはテストが成功したことを示し、"x" はテストが失敗したことを示します。
すべてのテストが成功すると、PSQL クライアントはリレーショナル エンジンと通信できます。
9 [次へ]をクリックします。
10 PSA の使用を終了する場合は[完了]をクリックし、ログ ファイルを見る場合は[ログ ファイルを表示する]をクリックします。
ログ ファイル内のタスク
►PSQL System Analyzer の実行後にログ ファイルを表示するには
1 [ログ ファイルを表示する]をクリックして PSA ログ ファイルを表示します。
このファイルには、PSA で実行されたタスクの一覧が示されます。
►PSA ログ ファイルに異なるロケーションを指定するには
1 PSA を起動し、[次へ]をクリックします。
2 [ログ ファイル]フィールドに PSA ログファイルの名前を入力するか、目的の場所を参照します。
ログ ファイルに現在の PSA セッションに関する情報のみを含めたい場合は、[ログ ファイルに追加]チェック ボックスをオフにします。
ログ ファイルについて異なる名前やロケーションを入力することもできますが、入力した名前やロケーションはこの PSA セッションにのみ適用されます。次回ウィザードを実行した際は、デフォルトの C:\ProgramData\Actian\PSQL\logs\PSA.log に戻ります。