Pervasive PSQL について
Pervasive PSQL とその機能について
この章では、Pervasive PSQL とその機能を説明します。以下の項目について説明します。
Pervasive PSQL データベース管理システムについて
Pervasive PSQL は、Pervasive Software の MicroKernel Database エンジンを中心に構成された総合的なデータベース管理システムです。Pervasive PSQL により、インストールおよび管理が容易になり、高度な信頼性とパフォーマンスが実現します。
このセクションでは製品とそのコンポーネントを説明します。
データベースとは
簡単に言えば、データベースはデータの集合体です。一般的に、データは同じ特徴を共有する情報をサブセットに分割したものによって構成されます。以下にデータベースの例をいくつか示します。
•電話帳
電話帳の各エントリは、苗字、名前、住所および電話番号という 4 つの特性で構成されます。
•デジタル写真のコレクション
ハード ディスク上の各写真は、ファイル名とそのイメージを表すデータという 2 つの特性で構成されます。
•果樹園および栽培されているフルーツのリスト
果樹園リストの各エントリは、果樹園名、住所および創設日という 3 つの特性で構成されます。フルーツに関するリストには 5 つの特性が含まれます。これらの特性は、果樹園名、フルーツ名、品種(マッキントッシュ、富士など)、価格、味の評価です。
本製品に関しては、データベースは意味を持ち明確に定義された関連情報の集合体を指します。おそらく、お使いのコンピューターまたはネットワーク上に使用可能な 1 つ以上のデータベースがあります。たとえば、備品または材料を購入するベンダーに関する情報のデータベースがあり、また、顧客あるいはメンバー情報を含むデータベースなどがあります。これらはそれぞれ別個で、明確に定義された関連情報の集合体です。
データベース管理システムとは
コンピューター時代のさなか、私達はありとあらゆる場所でデータベースという情報の集合体に取り囲まれています。残念なことに、これらのデータは、整理、検索、分析、最新状態を保つ手段を持たなければ何の役にも立ちません。
「データベース管理システム」(以下 DBMS)は大量データを管理し、そのデータをその他のコンピューター プログラムや人々が相互に利用できるようデザインされたコンピューター プログラムです。また、DBMS は略式にデータベース エンジンと呼んだり、単にエンジンと呼ぶこともあります。DBMS は以下のタスクを実行します。
•データへのアクセスを制御します。DBMS はデータの悪用を防ぐ監視役として動作させることができます。
•データが構造化されるので、ほかのアプリケーションで解釈することができます。 DBMS はすべてのデータをデータベース構造にアドレスするので、ほかのコンピューター プログラムは共通する方法を使用してデータを操作することができます。
•データの安全性を保守し、データの取り違いや喪失を防ぎます。DBMS では、大惨事による喪失に備えてデータをバックアップし、また、一貫した方法によるデータ アクセスにより、データが不注意によるダメージを受けないようにします。
•新しい情報の追加、検索、更新、削除が簡単に行えます。DBMS では新しいデータを直ちに受け付け、目的に応じて情報の検索、更新および削除に使用できるツールを提供します。挿入するデータとデータベース フィールドで定義された属性との適合性をチェックします。
•異なるデータ セット間の関係を分析することができます。DBMS では特定の手法でデータを保存し、これを使用してデータの一部がほかのデータの一部とどのように関連しているかを調べることができます。
要するに、DBMS ではデータを組織化し、その安全性を保守するので、簡単にデータを使用および理解することができます。
Pervasive PSQL のコンポーネント
Pervasive PSQL の DBMS は、データ管理の目的を達成するためにデザインされたさまざまなコンポーネントで構成されています。
MicroKernel Database エンジン
Pervasive PSQL の高いパフォーマンスの中核は、MicroKernel Database エンジン(MKDE)です。MKDE はコンピューターのハード ディスク上のデータ ファイルを使って直接動作します。リクエストされると、ユーザーやアプリケーションがデータで作業しているときであっても、新規データの挿入、不要なデータの削除を直ちに行い、また、データ ファイルの安全性と整合性を常に保守します。
SQL Relational Database エンジン
SQL Relational Database エンジン(SRDE)は、MKDE およびクライアント(後述)と相互に作用します。SRDE では、Microsoft ODBC のサポート、複雑な検索、分析機能およびセキュリティを含む多くの強力な機能を提供します。
クライアント(リクエスター)
クライアント/サーバー システムで、クライアントはコンピューター ワークステーション上に存在します。クライアントは、クライアント アプリケーションと、ネットワークを通してサーバー上の MKDE および SRDE の両方と相互に作用します。
Pervasive PSQL Control Center
Pervasive PSQL Control Center(PCC)は、データベースの作成と操作および DBMS の制御に役立つようデザインされた使いやすいグラフィカル ツールです。ここから本製品のほとんどすべての機能にアクセスすることができます。PCC 全般の説明については、第
3 章
Pervasive PSQL Control Center の使用を参照してください。
ユーティリティ
Pervasive PSQL データベース エンジンでは、Pervasive PSQL で使用できる多くのオプションや機能のテスト、設定および操作をサポートする多様なグラフィカル ツールおよびコマンド ライン ツールが提供されます。ほとんどのユーティリティは Windows 上で実行でき、Linux データベース サーバー エンジンへのリモート機能を可能にします。
表 1 Pervasive PSQL ユーティリティの概要
ユーティリティ名 | 対応しているプラットフォーム | 説明 |
Pervasive PSQL Control Center | Windows および Linux | Pervasive PSQL の主要なユーティリティ利用可能なエンジンおよびデータベースを一覧表示し、プロパティ(設定)オブジェクトを設定することができます。 Pervasive PSQL Control Center の使用を参照してください。 |
PCC 内の設定プロパティ ダイアログ ボックス | Windows および Linux | Pervasive クライアントおよびサーバー コンポーネントの設定を操作します。『 Advanced Operations Guide』の 設定リファレンスを参照してください。 |
Monitor | Windows | サーバー エンジンの動作を監視します。データベース管理およびプログラミング診断に役立ちます。『 Advanced Operations Guide』の データベース リソースの監視を参照してください。 |
Function Executor | Windows | Btrieve オペレーションを実行します。Btrieve インターフェイスの動作方法を学習したり、アプリケーションのテストおよびデバッグを行うことができます。 『 Advanced Operations Guide』の Btrieve オペレーションのテストを参照してください。 |
Maintenance | Windows および Linux | データのインポートやエクスポートなどの、Pervasive PSQL の一般的なファイルおよびデータの操作を実行します。BUTIL はコマンド ライン バージョンです。『 Advanced Operations Guide』の Maintenance を使用した Btrieve データ ファイルの操作を参照してください。 |
SQL Editor - PCC 内から起動 | Windows および Linux | SQL ステートメントを対話型で実行し、テーブルでデータを追加または編集することができます。 SQL Editorを参照してください。 |
Table Editor - PCC 内から起動 | Windows および Linux | テーブルの列の追加、削除または特性の変更を行ったり、テーブルの作成を行うことができます。 Table Editorを参照してください。 |
Rebuild | Windows | あるバージョンの MicroKernel ファイルを別のバージョンに変換します。『 Advanced Operations Guide』の データ ファイルの変換を参照してください。 |
License Administrator | Windows および Linux | Pervasive PSQL 製品キーを管理します。 ライセンス管理を参照してください。 |
ODBC アドミニストレーター | Windows | クライアント インターフェイスおよびエンジン インターフェイスのデータ ソース名(DSN)を設定します。『 SQL Engine Reference』の DSN と ODBC アドミニストレーターを参照してください。 |
Gateway Locator | Windows | ワークグループ エンジン用のゲートウェイ ロケーター ファイルの設定および管理に使用されます。『 Getting Started with Pervasive PSQL』の ゲートウェイ構成のセットアップを参照してください。 |
Pervasive System Analyzer | Windows | システム コンポーネントの分析および通信テストの実行を行います。 Pervasive System Analyzer(PSA)を参照してください。 |
Query Plan Viewer | Windows | データベース エンジンによって選択されたクエリ案を表示するので、SQL クエリの最適化方法をより簡単に決定することができます。『 SQL Engine Reference』の Query Plan Viewerを参照してください。 |
DDF Builder | Windows | 基となるデータ ファイルに変更を加えることなく、Pervasive PSQL データ辞書ファイル(DDF)の表示、作成、変更を行うことができます。『 DDF Builder User's Guide』の DDF Builder についてを参照してください。 |
Notification Viewer | Windows および Linux | ライセンス コンポーネントによって記録されるメッセージを表示します。 Notification Viewer では、システム トレイ アイコンとグラフィカル ユーザー インターフェイス(GUI)の 2 つのインターフェイスを提供します。 Pervasive Notification Viewerを参照してください。 |
ドキュメント
Pervasive PSQL にはオンライン版の完全なドキュメント一式が含まれています。ドキュメントの詳細については、
Pervasive PSQL マニュアルの使い方を参照してください。
主要なコンセプト
このセクションでは、一般的なデータベースの基本的なコンセプト、および Pervasive PSQL とその他のデータベース製品とを区別する主要なコンセプトについて説明します。
基本的なデータベース構造と用語
今日使用されているデータベース管理システムの多くは、共通する基本構造のセットを共有しています。このセクションでは、それらの構造について簡単に説明します。次の図を引用して説明を進めます。
表 2 電話帳用のテーブル例
「電話帳」テーブル |
| 列 1 | 列 2 | 列 3 | 列 4 |
列名 | 名前 | 住所 | 郵便番号 | 電話番号 |
行 1 | Fred Black | 643 Oak | 12346 | 555-2345 |
行 2 | Jane Doe | 112 Elm | 12345 | 555-1212 |
行 3 | John Doe | 112 Elm | 12345 | 555-1212 |
値
データベースの最も基本的な要素は、「値」です。値はデータの 1 つの要素であり、1 つの特性であり、特定のエンティティに使用します。たとえば、上図で氏名の "John Doe" や電話番号の "555-1212" は値です。
列またはフィールド
もう 1 つの要素は、「列」です。または、「フィールド」とも言います。列は特性を表し、特定の値を持ちません。通常、列はその特性を説明する名前を持ちます。たとえば、電話帳では「氏名」および「電話番号」が列です。これらの列は、特定の人物を検索しない限りは固有の値を持ちません。フィールドは、特定の行の一般的な特性を参照するのに使うことがあります。たとえば、前に示した表内で特定のボックスを指し、「このフィールドの値は何ですか?」と尋ねることができます。
行またはレコード
もう 1 つの要素は、「行」です。または、「レコード」とも言います。行は、ある特定のインスタンスに対するすべての値の集合体です。たとえば、電話帳で、氏名、住所、電話番号がすべて揃った 1 つのエントリが 1 つのレコードまたは行です。
セル
「セル」は、特定のレコード内の 1 つの列です。行と列が交差している部分がセルです。各セルには固有の値があります。たとえば、2 行目の第 3 列にあるセルの値は "12345" です。
テーブル
行と列の集合体は「テーブル」を構成します。テーブルは、まったく同じ構造を共有するデータのセットです。通常、テーブルはその内容を説明する名前を持ちます。たとえば、上図のテーブルは "電話帳" という名前が付けられています。Pervasive PSQL では、各テーブルはハード ディスク上で別々のデータ ファイルとして保存されます。
インデックス
「インデックス」は、特定の列に含まれるすべての値を順序付けしたリストです。テーブルには、インデックスを付けないようにすることもできますし、1 つ以上のインデックスを付けることもできます。データベース エンジンでは、インデックスを使ってデータベース内で特定のレコードを検索します。すべてのレコードを 1 つずつ順に検索していく必要はありません。データベース検索で頻繁に使用する列にインデックスを作成すると、高い確率でデータベースのパフォーマンスが向上します。
データベース
「データベース」は 1 つ以上のテーブルの集合体です。テーブル内のデータは、さまざまなテーブル間で必ずしも関連付ける必要はありませんが、通常は多くの関連付けが行われます。たとえば、後で述べる「食べ物の好み」テーブルと前に示した「電話帳」テーブルで 1 つのデータベースを構成することができます。Pervasive PSQL では、ハード ディスク上の 1 つ以上のデータ ファイルとデータ辞書ファイル(DDF)で 1 つのデータベースが構成されます。DDF は、テーブル、列のすべての定義およびデータベースの構造を定義するその他の属性が含まれる特別なデータ ファイルです。
スキーマ
「スキーマ」は、データベースの全体の構造を説明する定義の完全なセットを指します。標準のスキーマには、テーブル、列、インデックスおよびその他多くの属性の定義が含まれます。データベースの DDF にはそのデータベースのスキーマが含まれます。
表 3 食べ物の好み用のテーブル例
「食べ物の好み」テーブル |
| 列 1 | 列 2 | 列 3 | 列 4 |
列名 | 名前 | 魚肉類 | 穀物類 | 飲料類 |
行 1 | Fred Black | すし | 小麦パン | 日本酒 |
行 2 | Jane Doe | ステーキ | シリアル | ビール |
行 3 | Ann Dean | タラ | 米 | ミネラル ウォーター |
リモート
「リモート」は、現在使用しているコンピューターにはないファイル サーバーまたはデータベースなどのオブジェクトを指します。ネットワーク上のデータベースに接続した場合は、リモート データベースに接続しています。リモートは、「ローカル」の反意語です。リモートは、サーバー コンピューターまたはクライアント コンピューターのどちらで現在作業しているかによって、クライアントまたはサーバーのいずれかを指します。リモートは常に、使用しているシステム上にないオブジェクトを指します。
ローカル
「ローカル」は、現在使用しているコンピューター、またはこのコンピューターに保存されているものを指します。ローカル データベースとは、そのデータ ファイルが現在使用しているコンピューターのハード ディスク上に保存されているデータベースです。ローカルは「リモート」の反意語です。ローカルは、サーバー コンピューターまたはクライアント コンピューターのどちらで現在作業しているかによって、クライアントまたはサーバーのいずれかを指します。
リレーショナル
「リレーショナル」という語は、関連付けられたテーブルの形式で格納されているデータを指します。関連付けられたテーブルにより、データのサブセット間で関係を設定することができます。
たとえば、前に示した 2 つのテーブルには「氏名」という列があり、それぞれの値には同じ名前がいくつかあります。電話帳テーブルの氏名と食べ物の好みテーブルの氏名は相互に参照することができるので、「ステーキを好む人物の電話番号は?」などの質問に対して答える機能を持つことができます。また、「製品 A を購入した後で製品 B を最も多く購入する消費者の特徴は?」という質問にも答えることができます。
リレーショナル データベースがどれほど強力かがわかります。Pervasive PSQL の SRDE コンポーネントを使用すれば、データへの完全なリレーショナル アクセスが可能です。
結合
「結合」は、関連付けられたテーブルの列間の関係を指します。通常、結合操作は SELECT クエリの一部で、関連付けられたテーブルから情報を取得するのに使用します。
Pervasive PSQL 独自の利点
Pervasive PSQL 独自の機能は、前に述べた業界標準のリレーショナル アクセス、あるいは Btrieve インターフェイスとして知られる超高速トランザクショナル階層アクセスのどちらの方法でもアプリケーションがデータにアクセスできることです。実際、Pervasive PSQL を使用すれば、アプリケーションは両方のアクセス方法を同時に使用して同じデータにアクセスすることができます。
トランザクショナル インターフェイス
トランザクショナル インターフェイスは、高いパフォーマンス、低いオーバーヘッドのアクセス方法であり、更新、挿入および削除を他のデータベース製品よりも速く行うことができます。
トランザクショナル インターフェイスを用いたアプリケーションでは、リレーショナル インターフェイスを使用しないで MKDE と直接通信して最高のパフォーマンスを実現します。
パフォーマンスを重視し、トランザクショナル インターフェイスではファイルのパスワードと暗号化を含む基本的なセキュリティのみを提供します。トランザクショナル セキュリティを使用しないで SRDE データ アクセスを行うことはできません。
リレーショナル インターフェイス
リレーショナル インターフェイスは業界標準の ODBC を使用して、データ定義、セキュリティ、レポート作成、ストアド プロシージャ、およびアプリケーション プログラムを必要としない汎用的なアプリケーション アクセスの豊富な環境を提供します。ODBC が使用可能なデータベースは、ODBC 標準ソフトウェア プログラムでアクセスすることができます。
Pervasive PSQL に基づくアプリケーションのエンド ユーザーとしては、アプリケーションで使用するアクセス方法を選択することができないかもしれませんが、アプリケーション ベンダーは間違いなくこの方法を取り入れています。現在、この柔軟なリレーショナル アクセスと高速トランザクション スループットの組み合わせを提供している有効な DBMS はほかにありません。
その他のアクセス メソッド
トランザクショナルおよびリレーショナル インターフェイスに加え、Pervasive PSQL は、Delphi と C++ Builder で OLE DB、Java(JDBC)、ActiveX、ADO、および Pervasive Direct Access Components(PDAC)を介してデータにアクセスする方法を提供します。
用語に関する備考
Btrieve インターフェイスを使用する場合、「テーブル」および「データベース」という用語は一般的に使用せず、データ ファイルがこれらの用語に相当します。さらに、Btrieve ユーザーは通常、「行」および「列」よりも「レコード」および「フィールド」という用語を使用します。
DBMS 製品について
Pervasive PSQL には異なるバージョンがあります。これらのバージョンの大きな違いは、価格、マルチ ユーザー機能および使用されるライセンス モデルです。
•Pervasive PSQL Workgroup は低価格ですが、小さなワークグループ環境しかサポートしません。
•Pervasive PSQL Server は、大容量ボリュームにおける最高のスケーラビリティ、重要なデータベース アプリケーション向けに設計されており、専用のデータベース サーバーがあります。サーバー エンジンは、ユーザー数を増加すればするほど経済的になります。
•Pervasive PSQL Vx Server エンジンは、高度に仮想化された環境で使用するよう設計されています。
全バージョンのデータベース エンジンは Pervasive PSQL データベースと完全な互換性があり、共通するアーキテクチャで設計されています。通常、Workgroup から Server へアップグレードする場合はアプリケーションやデータベースを変更する必要はありません。新しいバージョンをインストールするだけで、動作する準備が整います。Pervasive PSQL Vx Server は異なるライセンス モデルを使用するため、完全インストールが必要です。Pervasive PSQL Server または Workgroup を Pervasive PSQL Vx Server にアップグレードすることはできません。
Pervasive PSQL Workgroup
Pervasive PSQL Workgroup では、小規模のワークグループまでのスタンドアロン、シングル ユーザー用に設計されたピアツーピア ネットワーク設定を提供します。ワークグループ エンジンは、データベース エンジンがインストールされていないコンピューター上に置かれている Pervasive PSQL データに複数のユーザーがアクセスすることができるエンジンです。
Workgroup と Server との主な違いは、Workgroup のゲートウェイ機能です。データが置かれているコンピューター上で起動しているデータベース エンジンがない場合、通常はそのデータに接続する最初のデータベース エンジンがほかのエンジンからのすべてのリクエストを処理してデータにアクセスします。この機能は、同じワークグループ エンジンが常にそのデータを提供する設定、あるいはそのデータに最初に接続するワークグループ エンジンがゲートウェイを請け負うという "動的" な設定の両方が可能です。
Workgroup 製品ではユーザー カウント ライセンス モデルを使用します。
ライセンス モデルを参照してください。
Pervasive PSQL Server
Pervasive PSQL Server は、何千にも及ぶコンカレント ユーザーに最高のパフォーマンスとスケーラビリティを提供するクライアント/サーバーの完全なアーキテクチャを備えています。サーバー エンジンではモニターおよび設定がリモートで行えます。
サーバー エンジンは、アクセスされるデータ ファイルと同じコンピューター上に存在しなければなりません。
Pervasive PSQL Server ではユーザー カウント ライセンス モデルを使用します。
ライセンス モデルを参照してください。
Pervasive PSQL Vx Server
Pervasive PSQL Vx Server は高度に仮想化された環境をサポートするよう設計されています。たとえば、Vx Server は完全仮想化、部分仮想化および準仮想化に加え、クラウド コンピューティング(プライベート、コミュニティおよびハイブリッド)にも対応しています。Pervasive PSQL Vx Server にはホスティング、接続プール、インターネットまたはイントラネットの使用に制限はありません。 ライブ マイグレーション、フェイルオーバー、フォールト トレランス(FT)、高可用性(HA)および障害回復などのハイパーバイザー機能と一緒に使用するためにライセンスを追加する必要もありません。 MAC アドレスとホスト名に一貫性があり、インターネット接続が有効であれば、Pervasive PSQL Vx Server は認証され、完全に機能し続けます。
Pervasive PSQL Vx Server では容量ベース ライセンス モデルを使用します。
ライセンス モデルを参照してください。
Pervasive PSQL Vx Server は Pervasive PSQL で用いられる技術を基に構築されているため、Pervasive PSQL Server 用に提供されているデータベース機能やドキュメントの多くが共通しています。Pervasive PSQL のマニュアル全体を通して、特に異なる点を明記していない限り、Pervasive PSQL Server に関する記述はすべて Pervasive PSQL Vx Server にも該当します。『Pervasive PSQL Vx Product Guide』は Pervasive PSQL Vx Server のみを対象に説明されているため、参照しやすくなっています。
Pervasive PSQL マニュアルの使い方
Pervasive PSQL のすべてのマニュアルはいずれも、クリックやドラッグ、ファイルのオープンや保存などコンピューターの基本的な使用に慣れていることを前提としています。これらの基本的な使用に関する情報が必要な場合は、お使いのコンピューターやオペレーティング システムに付属するドキュメントを参照してください。
ユーザー向けドキュメントのビューアーは Pervasive PSQL Control Center(PCC)に組み込まれました。ドキュメントは、PCC インターフェイスの[ようこそ]ビュー、[ヘルプ]メニュー、F1(Windows)または Shift + F1(Linux)キーを押すことによって開くことができます。
以下は、ドキュメント ライブラリで最もよく使用されるマニュアルの要約です。このライブラリにはほかのマニュアルも含まれていて、それらはすべて上で説明した PCC インターフェイスから使用することができます。
はじめに
『Getting Started with Pervasive PSQL』は、Pervasive PSQL のインストール、セットアップの実行手順やトラブルシューティング情報を提供します。 『Getting Started with Pervasive PSQL』では、以下のトピックについて説明しています。
•Pervasive PSQL v11 SP3 をインストールするための準備
•Pervasive PSQL v11 SP3 のインストール
•Pervasive PSQL または Btrieve の以前のバージョンからのアップグレード
•Pervasive PSQL v11 SP3 の設定
•Pervasive PSQL v11 SP3 のインストールでのトラブルシューティング
•Pervasive PSQL の製品情報およびテクニカル サポートの問い合わせ先
What Is New
『What Is New in Pervasive PSQL』では、Pervasive PSQL の直前のリリースと比較して今回のリリースの新機能および変更された動作の概要を説明します。このマニュアルでは新機能に関する簡潔な情報を提供し、その新機能について詳しく説明されているマニュアルの場所を示します。
User's Guide
『Pervasive PSQL User's Guide』は Pervasive PSQL の概要と一般的なユーザー タスクについて説明します。『Pervasive PSQL User's Guide』では、データベース エンジン、Pervasive PSQL のユーティリティとその他の主要なコンポーネント、サーバー エンジンとワークグループ エンジンとの違い、および ODBC と Btrieve アクセスの違いについて説明します。このマニュアルでは、Pervasive PSQL を使用してスムーズに作業するための基本事項を提供します。
Advanced Operations Guide
『Advanced Operations Guide』では、一般的な操作やいくつかの新しい操作を実行する手順を含め、管理者レベルでの詳細情報を提供します。以下のトピックが含まれます。
•データベースの一貫性のチェック
•定期的なバックアップの実行
•ネットワーク プロトコルの設定およびネットワーク トポロジの理解
•データベース セキュリティを使った作業
•基本設定のガイドライン
•設定オプションのリファレンス
•ファイルの移動、リネーム、コンパクト化およびリビルド
SQL Engine Reference
『SQL Engine Reference』では、SQL リレーショナル データベース言語の完全なリファレンスをデータベース プログラマに提供します。SQL エンジンのパラメーターおよび制限についても説明しています。
Status Codes and Messages
『Status Codes and Messages』には、Pervasive 製品を使用した場合に受け取る可能性があるステータス コードおよび番号の付いたメッセージがすべて記載されています。
Pervasive PSQL Vx Product Guide
Pervasive PSQL Vx Server 用のドキュメントは『Pervasive PSQL Vx Product Guide』に集約されているので参照しやすくなっています。ただし、Pervasive PSQL Vx Server は Pervasive PSQL で用いられる技術を基に構築されているため、Pervasive PSQL Server 用に提供されているデータベース機能やドキュメントの多くが共通しています。Pervasive PSQL のマニュアル全体を通して、特に異なる点を明記していない限り、Pervasive PSQL Server に関する記述はすべて Pervasive PSQL Vx Server にも該当します。
追加情報
以下のサイトでは、製品ドキュメント、ホワイト ペーパー、技術白書をダウンロードしたり、オンライン ライブラリを見ることができます。
http://www.agtech.co.jp/download/manual/pervasive/ (製品ドキュメント)
http://www.agtech.co.jp/support/reference/pervasive/ (参考資料)
http://www.agtech.co.jp/support/reference/pervasive/psqllib/ (PSQL ライブラリ)
ファイル システムのセキュリティ
Pervasive PSQL エンジンは、Windows のファイル共有などの特定のオペレーティング システム(OS)によって定義されたファイル システムのセキュリティ機能に対応しています。
サーバー エンジンのみが、ユーザー名に割り当てられた権限によって OS レベルのファイル セキュリティを設定することができます。ワークグループ製品ではこれを行いません。ワークグループ エンジンが最も一般的に使用される小規模オフィスでは、ネットワークの専門家が不足しており、データ アクセスに障害が少ない方がよいため、これが好ましいと考えられます。