Pervasive PSQL へようこそ
Pervasive PSQL v11 SP3 の概要
Pervasive PSQL をお買い上げいただき、誠にありがとうございます。本リリースが市場において最少のメンテナンスによる最高のパフォーマンスを備えたデータベース エンジンであることをご理解いただけるものと確信しています。
この章では、以下の項目について説明します。
Pervasive PSQL について
Pervasive PSQL は信頼性に優れ、メンテナンスの必要が少なく、高度なパフォーマンスを提供するデータベース管理システム(DBMS)です。世界中の多くの企業が Pervasive PSQL のライセンスを取得し、データ集約ソフトウェア製品の基本的なデータ ストレージ プログラムとして配布しています。これらの企業には、Pervasive PSQL を使用することで得られる簡易性、信頼性および価値によって、独自の DBMS を構築することもなく、また競合製品のライセンスを取得する必要もないことをご理解いただいています。
Pervasive PSQL を他製品の付属として入手されたか、あるいは単独で購入されたかに関わらず、このセクションでは本製品の簡単な説明とその利点について述べます。
本製品の利点
Pervasive PSQL では、同様の他製品に比べ多くの利点を備えています。ここでは、その一部を説明します。
•最低の総所有コスト(TCO)。 Aberdeen Group 社が実施した独自の調査で、Pervasive PSQL の安価な TCO に匹敵する主要なデータベース製品はほかにないとの結果がでました。なぜ最低の TCO が可能なのか?この理由については、次の項をお読みください。
•データベース管理者(DBA)が不要。この業界の求人広告では Oracle、Sybase、あるいは SQL Server のデータベース管理者に高額な給与を提示しているのを頻繁に見かけます。Pervasive PSQL では独自の Zero Database Administrator(Z-DBA™)アーキテクチャを提供します。使いやすいツール、安全なインストールおよび単純な操作性により、デスクトップ、ワークグループおよび各部門のアプリケーションの完全な運用を達成します。
•デスクトップから Web までの拡張性。Pervasive PSQL には 2 種類のエディションがあります。超軽量のワークグループ データベース エンジンは、シングル ユーザー設定から小規模のワークグループ設定までをサポートします。サーバー エンジンには 6 ユーザー ライセンスが付属しており、イントラネットおよびエクストラネット アプリケーションを含む、数百の同時ユーザーにまで拡張できます。データベース エンジンをアップグレードする場合、サポートされるアプリケーションへの変更は必要なく、新しいデータベース エンジンに入れ替えるだけで済みます。
•クロス プラット フォームのサポート。ほかの製品とは異なり、Pervasive PSQL の使用は単一プラットフォームに留まりません。Pervasive PSQL データベースはバイナリ互換で、Microsoft Windows および Linux のいくつかのバージョンでサポートされます。データがどの環境に存在しようと、またそれをどこの環境に移行しようと、Pervasive PSQL はその環境で使用できます。
•低価格で多機能なデータベース。Pervasive PSQL では、ほかの高価な DBMS 製品に見られるような、完全なセキュリティ、暗号化、管理および監視ツール、その他多数の機能を提供します。
•伝統的な安定性と信頼性。米国の Windows デスクトップ市場で、データベースの第一選択として Pervasive PSQL が使用されていることはまぎれもない事実です。重要なデータを管理する状況において、このデータベースはその期待を裏切りません。
•複数のアクセス方法。アプリケーション ベンダーは、大量のデータ操作でのパフォーマンスを著しく向上させるトランザクショナル インターフェイスを使用することができます。また一方で、データのレポート作成、セキュリティ、分析および標準互換に対応する ODBC、OLE DB、純粋な Java および JDBC インターフェイスの豊富なアクセス方法を提供します。これらのアクセス方法をすべて提供しているデータベース管理システムはほかにありません。
リレーショナルまたはトランザクショナル アクセス
Pervasive PSQL では、データベース管理市場において完全に独自のアーキテクチャを提供します。本製品を使用すれば、Microsoft ASP、Excel および Access などのアプリケーションをサポートする ODBC や OLE DB を使って、あるいは Btrieve という高速トランザクショナル インターフェイスを使って、同じデータにアクセスすることができます。ODBC は複雑なレポート作成やデータ調査に向いている一方、Btrieve は一日に何百ものレコードを表示、更新または作成する能力が要求される場合に高スループットを提供します。
どちらのインターフェイスを使用するかは、アプリケーション ベンダーの選択によって決まります。アプリケーションで使用するアクセス方法をお知りになりたい場合は、アプリケーション ベンダーに確認してください。
Pervasive PSQL トランザクショナル インターフェイス
Btrieve 上に構築された Pervasive PSQL トランザクショナル インターフェイスにより、インストールの単純化、メンテナンスの簡素化、さらに高いパフォーマンスと信頼性を実現します。Pervasive PSQL では、トランザクショナル アプリケーションを実行またはリレーショナル データベースシステムへ移行できる基盤を提供します。
トランザクショナル インターフェイスの利点
Pervasive PSQL のトランザクショナル インターフェイスである Btrieve は 25 年以上もの間、世界中の何万ものアプリケーションに使用されているデータ管理システムです。競争の激しい会計ソフトウェア市場では、信頼性と高性能が要求されますが、上位を占めるベンダーの多くが Pervasive PSQL を選択しています。アプリケーション開発業者の多くが、スピード、データの整合性、スケーラビリティ、メンテナンス費用の低さなどを理由に、Pervasive PSQL を選択しています。Pervasive PSQLの一部として、Btrieve のトランザクショナル インターフェイスには次のようなメリットがあります。
•スピード。Pervasive PSQL は高度な MicroKernel Database エンジンを使用しているため、数百人のユーザーが使用する数ギガバイトのデータベースを構築する場合でも、瞬時の応答が可能です。MicroKernel は、データの高速な取り出しと更新のためにページをキャッシュする内部インデックス アルゴリズム、ファイル サイズが大きくなっても高速のデータ アクセスを保つ自動インデックス バランスなどの機能を利用してこのような高速度を実現します。
•データの整合性。MicroKernel は豊富なトランザクション処理のサポート、参照整合性の制御、ファイルの自動修復などにより、データの整合性を保証しています。サーバーやシステムの障害発生時には、ログ機能とロール フォワード機能により、最後に完了したトランザクションの時点までデータを修復します。
•スケーラビリティ。クライアント/サーバー データベースのアプリケーションの多くはデスクトップから始まり、次第にその規模を拡大していきます。Pervasive PSQL は、ワークステーションから大規模なクライアント/サーバー環境にいたるまで、容易に実現可能なスケーラビリティを提供しています。
•低コスト。Pervasive PSQL 開発者が実感するサポート コストの低さは、Pervasive PSQL アプリケーションのエンド ユーザーにとってもメンテナンス コストが低いことを意味します。Pervasive PSQL のデータの自動修復機能や、使いやすいユーティリティによって、継続的なデータベース管理が不要になります。
トランザクショナル機能
Pervasive PSQL は、次のような多数の機能を提供する総括的なトランザクショナル データベース管理システムを提供します。
•基礎的なデータ マネージャーとしての MicroKernel Database エンジン
•複数のエンジンに分散しているデータベースヘのアクセス
•シングルサーバー システムと分散型のマルチサーバー システムの両方に、信頼性の高いトランザクションを保証
Pervasive PSQL リレーショナル インターフェイス
Pervasive PSQLRelational Database エンジン(SRDE)に構築されているリレーショナル インターフェイスは、インストールの単純化、メンテナンスの簡素化、さらに高性能と信頼性を提供します。
リレーショナル インターフェイスの利点
リレーショナル データベース アプリケーション開発者の多くが、スケーラビリティ、メンテナンス不要の操作、少ないメモリ容量などの理由から Pervasive PSQL を選択しています。
•標準インターフェイス。SQL および ODBC による、有用なアプリケーションを構築するための標準化された基盤を提供します。
•スピード。Pervasive PSQL はデータベース エンジンへの ODBC 直接アクセスを提供します。競合製品の多くは、変換レイヤーを使用して ODBC 呼び出しを独自の「ネイティブ」リレーショナル API 呼び出しに変換してからデータベース エンジンにアクセスします。これに対し、Pervasive PSQL ODBC ドライバーはデータベース エンジンを直接呼び出すため、ODBC 呼び出しを独自のリレーショナル API に変換する必要がありません。
•スケーラビリティ。Pervasive PSQL では、シングルユーザーからクライアント/サーバー環境にいたるまで、アプリケーションやデータベースを変更せずにアプリケーションを拡張することが可能です。
•メンテナンス不要の操作。Pervasive PSQL はインストールや使用が簡単です。データベース管理者による大規模なセットアップや継続的なチューニングは必要ありません。
•小さいメモリ容量。Pervasive PSQL が必要とするメモリは少量です。
リレーショナル機能
Pervasive PSQL のリレーショナル インターフェイスは、柔軟なアーキテクチャを備え、大規模なクライアント/サーバー システムから、シングルユーザー環境にいたるまで、さまざまなデータベース アプリケーションを、新たにコーディングを行わずに簡単に拡張できます。Pervasive PSQLの使用により、インストールの単純化、メンテナンスの簡素化、さらに高いパフォーマンスと信頼性、データのパスのスムーズな移行を実現します。また、マルチユーザーとシングルユーザーのランタイム サポートを提供する Pervasive PSQL の配布コンポーネントを使えば、Pervasive PSQL とアプリケーションのバンドルも容易に実現します。
Pervasive PSQL には、次のような多くの機能を提供する総括的なリレーショナル データベース管理システム インターフェイスが備わっています。
•スタンドアロンからクライアント/サーバーにいたるアプリケーションのスケーラビリティ
•フル機能のワークグループとクライアント/サーバー エンジン
•宣言型の参照整合性
•双方向型、更新可能、スクロール可能なカーソル
•アプリケーションのロケーションの透過性を提供する名前付きデータベースのサポート
•包括的かつ業界標準のデータ型のサポート
•トリガーやストアド プロシージャなどのプログラミングの拡張機能
•統計分析と高度なフェッチ アルゴリズムから打ち出されたコスト優先の最適化
•フル トランザクショナル ログなどのトランザクション処理機能の強化
•ODBC サポートなどの標準機能の強化
•その他、Windows ユーティリティの追加、大容量ファイルのサポート(最大 256 ギガ バイト)、および TIMESTAMP、UNSIGNED、CURRENCY などデータ型変数の追加機能
Pervasive PSQL エンジンについて
このセクションでは、Pervasive PSQL のサーバー エンジンとワークグループ エンジンについて基本的な情報を説明します。Pervasive PSQL のアーキテクチャについては、『
Advanced Operations Guide』の
Pervasive コンポーネントのアーキテクチャについてを参照してください。
Pervasive PSQL Server
この Pervasive PSQL サーバー データベース エンジンは、要件を満たすハードウェアにインストールした場合、多数の同時ネットワーク ユーザーをサポートするよう設計されています。信頼性やパフォーマンスが重要な Web、企業、部門およびその他のクライアント/サーバーや Web ベースのアプリケーションをサポートする機能があります。
Pervasive PSQL サーバー エンジンは、ご購入されたユーザー ライセンス数に応じて、ユーザー数が 6、10、20、50、100、250、500 または 無制限のライセンス単位でインストールされます。サーバー エンジンは、追加ライセンスを購入することによって何百もの同時ユーザーに拡張できます。
Pervasive PSQL Workgroup
Pervasive PSQL ワークグループ データベース エンジンはシングル ユーザーや小規模のワークグループ インストールをサポートするように設計されています。
Pervasive PSQL ワークグループではサーバー エンジンと同じレベルの信頼性や機能を提供します。中規模、大規模環境におけるネットワーク化およびパフォーマンスに違いがあるだけです。
Pervasive PSQL ワークグループでは、リモート サーバー上のデータへのアクセスを柔軟に行うことができ、小規模のネットワークにおけるさまざまな設定が可能です。データベース エンジンがないリモート ファイル システム上にデータ ファイルがある場合、Pervasive PSQL ワークグループを構成することによって、特定のエンジンを常にリモート データのアクセスに使用するよう設定することができます。あるいはそのデータ ファイルに最初にアクセスするエンジンがデータへのリクエストがなくなるまでそれらのファイルを「供給」するよう設定することもできます。この場合、リクエストの終了後に再度そのファイルにアクセスした最初のエンジンが、リクエストがある間そのファイルを所有します。
1 つの Pervasive PSQL エンジンを複数のマシンにインストールすることはできません。ユーザー カウント ライセンスとは、Pervasive PSQL エンジンをインストールできるマシンの台数ではなく、そのエンジンへ接続可能なクライアント数を指します。ワークグループ環境では、Pervasive PSQL データにアクセスするすべてのマシンにそれぞれワークグループ エンジンをインストールする必要があります。
エンジンの機能の比較
どちらの Pervasive データベース エンジンも、同一の強力な機能のセットを備え、プログラミング インターフェイスで完全に機能するようサポートします。次の表では、本製品の 2 つのパッケージの主な違いを示します。
表 1 サーバー版とワークグループ版の機能の比較
機能 | サーバー | ワークグループ |
Btrieve、ODBC、OLE DB、Java、JDBC、PDAC および ActiveX インターフェイスのサポート | | |
リレーショナル機能の完全なサポート(オンライン バックアップ、セキュリティ、参照整合性、管理ツールなど) | | |
すべてのプラットフォームおよびエンジンのバージョンにわたるバイナリ互換データ ファイル | | |
簡単なプラグ アンド プレイ アップグレード、エンジンの変更によるアプリケーション変更の必要なし | | |
オンライン ドキュメントの付属 | | |
データベース エンジンがインストールされていないファイル サーバー上のデータ アクセス | | |
リモート ODBC クライアント接続のサポート | | |
リモート データにアクセスする可能性のあるすべてのコンピューター上でのワークグループ エンジンの必要性 | 適用外 | |
Windows 上でのエンジンの起動 | | |
Linux 上でのエンジンの起動 | | |
小規模グループ用のマルチ ユーザー | | |
数千ユーザーへの拡張 | | |
エクストラネット ライセンスの使用 | | |
オペレーティング システムのセキュリティの実行 | | |
Pervasive PSQL SDK
Pervasive PSQL SDK には、アプリケーション開発を容易にする多くの機能が備わっています。たとえば、次のような機能があります。
•ロー レベル API。Btrieve API を直接プログラミングすることにより、最速のデータ アクセスが可能になり、作成するアプリケーションがデータを読み書きする方法を最適に制御できます。これらの機能が重要であり、ご自分の業務の規定を組み込んでコードを開発する場合は、API の直接プログラミングが非常に役立ちます。データにリレーショナル アクセスする場合は、Microsoft ODBC API に直接コーディングすることも可能です。
•ODBC。Pervasive PSQL ではネイティブな ODBC ドライバーを提供します。
•Pervasive PSQLADO.NET プロバイダー。このデータ プロバイダーは Microsoft .NET Framewor のサポートを提供するもので、マネージ コードのみで構築されている ADO.NET 管理データ プロバイダーです。
•Java。Java インターフェイスにより、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向の方法で Btrieve アプリケーションを開発することができます。Java インターフェイスは、真のヌル値と Unicode 値のほか、BLOB(Binary Large Object)もサポートしています。
•DTI/DTO(Distributed Tuning Interface/Distributed Tuning Objects)。これら 2 つの関連したインターフェイスを使用すれば、アプリケーションから(設定パラメーターやセキュリティ部分も含む)データベース自身を調整および管理することができます。
•OLE DB。OLE DB プロバイダーでは、リレーショナル インターフェイスとトランザクショナル インターフェイスの両方へのアクセスが行えます。
•ActiveX インターフェイス。ActiveX インターフェイスを使用すると、手作業のコーディングを最小限に抑えて、Pervasive PSQL エンジンのパワーとスピードを活用することができます。これらの制御は、サードパーティのグリッド制御でも容易に使用できるように設計されています。
•完全なサンプル アプリケーション。Pervasive PSQL SDK には、レンタル ビデオ店を経営するという目的に沿って設計されたサンプル アプリケーションの完全版も用意されています。Visual Basic、Delphi、Java、および C/C++ の完全なサンプル コードが付属しています。ODBC、ActiveX RDO、サード パーティ製コントロール、API の直接呼び出しを使用する例が示されています。
•Pervasive PSQL Web サイト(AG-TECH PSQL Library)は、最新のコンポーネントのダウンロードやコード サンプルへアクセスできるオンライン リソースです。
開発環境
Pervasive PSQL のオープン インターフェイスによって、さまざまなフロントエンド アプリケーションの開発が可能になります。このようなアプリケーションはすべて、共通、トランザクショナル、またはリレーショナル データベースを共有できます。一般的なプログラミング言語や環境である Java、Delphi、BASIC、Visual BASIC、.NET、C、C++、COBOL、Pascal、ODBC、PowerBuilder(ODBC を使用)、および FoxPro(ODBC を使用)を使うことができます。また、ソフトウェア ライセンスに従って、作成するアプリケーションに Pervasive PSQL エンジンをバンドルすることも簡単にできます。