レプリケーション配置
 
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レプリケーション配置
レプリケーション配置に関する作業の概観
この章では、2 つのマシン間でのレプリケーションのためのデータベースを配置する方法を簡潔なチュートリアル形式で説明します。以下の項目が含まれます。
配置処理
Demodata サンプル データベースを使った作業
データベースを使った作業
本チュートリアルの手順については、『Pervasive DataExchange User's Guide』でより詳細に説明しています。
配置処理
この章では、データベースを 2 台のマシン間でリアルタイム バックアップするために準備する簡単な配置手順について説明します。この手順は、DataExchange ユーティリティである DXDeploy の使用と手作業で行うファイル コピーの組み合わせです。
配置手順には 4 段階あります。
1 DXDeploy ユーティリティで使用する XML 配置記述子ファイルを編集します。
2 XML 配置記述子ファイルをパラメーターとして、第 1 サイトの DXDeploy ユーティリティを実行します。
3 第 1 サイトからパートナー サイトへレプリケーション可能なファイルをコピーします。
4 パートナー サイトで、第 1 サイトで使用したのと同じ XML 配置記述子ファイルを指定して DXDeploy ユーティリティを実行します。
5 番目の手順として、DataExchange Manager を使用してレプリケーション スケジュールを設定します。これは省略可能です。
この手順を理解する最も簡単な方法は、サンプルのデータベース Demodata を使用して配置の例を実行することです。この例で、まずどのような作業をするのかを集中的に学習します。その各作業についてより理解するには、データベースを使った作業をお読みください。
ヒント: この章で説明する配置の処理は、DataExchange Deployment Wizard を使用して実行することもできます。Deployment Wizard は対話型で、すばやく簡単にレプリケーションを配置するための自動化された方法です。
Demodata サンプル データベースを使った作業
このセクションでは、サンプル データベース DEMODATA をレプリケーション用にどのように配置したらよいかを説明します。Demodata は Pervasive PSQL サーバーおよびワークグループの両方で提供されます。
このセクションで示す手順では、作業内容に集中できるよう、その作業を行う理由については説明していません。この作業の目的は、Demodata をレプリケーション用にすばやく配置することです。作業する内容を理解したら、次のセクションのデータベースを使った作業をお読みください。このセクションでは作業を行う理由について説明しています。
このセクションでは、2 つの手順を示します。それぞれの手順には複数の作業項目があります。
レプリケーション用の Demodata を配置する
作業 1:XML 記述子ファイルの編集
作業 2:第 1 サイトで DXDeploy を実行
作業 3:第 1 サイトの配置を確認(省略可能)
作業 4:テンプレートをパートナー サイトにコピー
作業 5:パートナー サイトで DXDeploy を実行
配置されたサンプル データベースを削除する
作業 1:両サイトのサンプル データベースを非アクティブ化する
作業 2:第 1 サイトで Template Remover を実行する
作業 3:第 1 サイトでファイルを削除する
作業 4:パートナー サイトでサンプル データベースとファイルを削除する
この配置は一例であり、レプリケーション スケジュールの設定は行いません。
メモ: Pervasive PSQL には Btrieve アプリケーションのセキュリティ モデルが含まれています。このセクションでは、サイトにクラシック セキュリティ モデル(デフォルトのモデル)を使用して Demodata が配置されていることを前提としています。
DefaultDB が混合セキュリティ モデルまたはデータベース セキュリティ モデルを使用している場合、Demodata が配置できることを確認してください。これを行う最も簡単な方法は、セキュリティが設定されている各サイトの DefaultDB のパスワードを一時的に削除することです。
DefaultDB のパスワードを一時的に削除するには、PCC で DefaultDB を右クリックし、[プロパティー]を選択します。[セキュリティ]ページの[データベース セキュリティ]タブをクリックし、[セキュリティを有効にする]チェックボックスをオフにして[適用]をクリックします。DefaultDB にログインしていない場合、マスター パスワードを指定します。[OK]をクリックします。このサンプルの配置を完了した後に、DefaultDB のセキュリティを再度有効にすることを忘れないようにしてください。
セキュリティを保持したまま Demodata を配置したい場合は、『Pervasive DataExchange User's Guide』の Pervasive PSQL セキュリティを参照してください。
レプリケーション用の Demodata を配置する
Pervasive DataExchange のインストールで説明したとおり、この作業を実行する前に第 1 サイトとパートナー サイト(バックアップ サイト)両方のインストールが既に終了している必要があります。
この例では、以下の作業を実行します。
作業 1:XML 記述子ファイルの編集
作業 2:第 1 サイトで DXDeploy を実行
作業 3:第 1 サイトの配置を確認(省略可能)
作業 4:テンプレートをパートナー サイトにコピー
作業 5:パートナー サイトで DXDeploy を実行
ヒント: この配置の例を試した後で Demodata を元の状態に復元できるように、操作を始める前にデータベース ファイルのコピーを保存しておくことをお勧めします。
作業 1:XML 記述子ファイルの編集
1 第 1 サイトのマシンで C:\<インストール ディレクトリ>\Replication\Docs フォルダーを開きます。
2 XML 記述子ファイルの EXPRESS.XML をテキスト エディターで開きます。
ファイルは次のようになっています(コメントは除いてあります)。
<?xml version="1.0"?>
<DXDeployment>
  <Configuration Project="DXProj" Network="DXNet"
   Release="1.0" Method="1-way">
    <Sites>
      <First
        ServerName="this.hostname"
        DSN="DXDatabase"
        DataDirectory="C:\MYDATA">
          <Files>
            <Include Path="*.mkd" />
            <Include Path="*.btr" />
            <Include Path="*.dat" />
            <Include Path="*.ddf" />
          </Files>
      </First>
      <Partner
        ServerName="remote.hostname"
        DSN="DXDatabase"
        DataDirectory="C:\MYDATA" />
    </Sites>
  </Configuration>
</DXDeployment>
3 EXPRESS.XML ファイルを ExampleRTB.xml という名前で保存します。
このファイルは第 1 サイトのマシン上の任意の場所に保存することができます。この例では C:\<インストール ディレクトリ>\Replication\Docs に保存しています。
4 第 1 サイトのマシン名または IP アドレスを指定します。"Localhost" はマシン名として認められません。
たとえば、第 1 サイトの名前が db_server1 の場合は、以下のようになります。
      <First
        ServerName="db_server1"
5 第 1 サイト上のデータ ファイルのルート ディレクトリ パスを指定します。
第 1 サイトの Servername については、DataDirectory="C:\MYDATA"> 部分を DataDirectory="C:\<インストール ディレクトリ>\Demodata"> に変更します。
この情報は、以下のようになります。
      <First
        ServerName="db_server1"
        DSN="DXDatabase"
        DataDirectory="C:\<インストール ディレクトリ>\Demodata">
これは単なる例であるため、DSN は DXDatabase のままになっています。
6 レプリケートするデータ ファイルへのパスを指定します。
Demodata データ ファイルの拡張子は .mkd になっています。したがって、<Include Path="*.mkd" /> の行はそのままにします。
7 以下の行を削除します。
            <Include Path="*.btr" />
            <Include Path="*.dat" />
Demodata にはデータ辞書ファイル(DDF)があるため、<Include Path="*.ddf" /> はそのまま残します。一般的に DDF はレプリケートします。DXDeploy が作成した DSN は Demodata DDF を使用しません。ただし、レプリケーションで独自の DDF を使用します。
8 パートナー サイトのマシン名または IP アドレスを指定します。
remote.hostname 部分をサイト名または IP アドレスに変更します。たとえば、パートナー サイトのマシンが db_server2 の場合は、以下のようになります。
      <Partner
        ServerName="db_server2"
9 パートナー サイト上のデータ ファイルのルート ディレクトリへの絶対パスを指定します。
パートナーの Servername については、DataDirectory="C:\MYDATA" /> 部分を DataDirectory="C:\Demodata" /> に変更します。
この情報は、以下のようになります。
      <Partner
        ServerName="db_server2"
        DSN="DXDatabase"
        DataDirectory="C:\Demodata" />
メモ: サンプル データベースを上書きする場合には、パートナー サイトのデータ辞書は C:\<インストール ディレクトリ>\Demodata に置きます。この例では、Demodata サンプル データベースを Pervasive PSQL がインストールしたまま保持するよう別のディレクトリを使用します。
10 ExampleRTB.xml ファイルを保存して閉じます。
作業 2:第 1 サイトで DXDeploy を実行
1 第 1 サイトでコマンド プロンプトを開いて以下のように入力します。この文字列では大文字小文字は区別されません。
DXdeploy /Site=First C:\<インストール ディレクトリ>\Replication\Docs\ExampleRTB.xml
2 Enter キーを押します。
DXDeploy は実行すると、画面に高レベルな状態メッセージを表示します。
CreateDSN 操作を開始しています. . .
Design 操作を開始しています. . .
Activate 操作を開始しています. . .
アクティブ化を完了し、現在はテーブルを同期させています. . .
より詳細なメッセージは、<インストール ディレクトリ>\Replication\LogFiles フォルダーにある dxdeploy.log に書き込まれます。DXDeploy の実行中に画面上にメッセージを表示させるには、/LOGFILE= オプションを使用します。たとえば、DXDeploy /Site=First /LOGFILE= ExampleRTB.xml のようにします。LOGFILE= の後には空白文字があります。
DXDeploy が完了すると、コマンド プロンプトが再度表示され、ログ ファイルに以下のメッセージが示されます。
「すべての配置操作が正常に完了しました。」
作業 3:第 1 サイトの配置を確認(省略可能)
配置操作が完了したことを視覚的に確認することができます。
1 まだ実行していない場合は PCC を起動します(オペレーティング システムの[スタート]メニューまたはスタート画面から[Control Center および PSQL ドキュメント]を選択します)。
第 1 サイトの名前が[エンジン]ブランチの下に示されます。
2 第 1 サイトのブランチやデータベースの一覧を展開します。
DXDatabase はデータベースとして一覧に加えられています。
3 DXDatabase ブランチを展開します。
"A" アイコンがレプリケーション ノードに表示され、データベースがアクティブであることを示しています。
図 4‑1 第 1 サイトでアクティブにされた DXDatabase
作業 4:テンプレートをパートナー サイトにコピー
DXDeploy が第 1 サイトで完了した後、以下を実行します。
1 第 1 サイトから、C:\<インストール ディレクトリ>\Replication\Docs\ExampleRTB.xml ファイルをパートナー サイト上の同名のフォルダーにコピーします。
2 パートナー サイトに C:\Demodata というフォルダーを作成します。
3 第 1 サイトのフォルダー C:\<インストール ディレクトリ>\Replication\Templates\DXDatabase の内容をパートナー サイトの C:\Demodata にコピーします。
メモ: パートナー サイトでどのフォルダーを選択したとしても、Demodata ファイルはそこからの相対パス上に存在します。お使いのアプリケーションは、データ ファイルによっては絶対パスを必要とすることがあります。詳細については、ファイルのコピーを参照してください。
作業 5:パートナー サイトで DXDeploy を実行
1 パートナー サイトでコマンド プロンプトを開いて以下のように入力します。この文字列では大文字小文字は区別されません。
DXdeploy /Site=Partner C:\<インストール ディレクトリ>\Replication\Docs\ExampleRTB.xml
2 Enter キーを押します。
DXDeploy は実行すると、画面に高レベルな状態メッセージを表示します。
CreateDSN 操作を開始します. . .
Design 操作を開始します. . .
Activate 操作を開始します. . .
より詳細なメッセージは、<インストール ディレクトリ>\Replication\LogFiles フォルダーにある dxdeploy.log に書き込まれます。DXDeploy の実行中に画面上にメッセージを表示させるには、/LOGFILE= オプションを使用します。たとえば、DXDeploy /Site=Partner /LOGFILE= ExampleRTB.xml のようにします。LOGFILE= の後には空白文字があります。
DXDeploy が完了すると、コマンド プロンプトが再度表示され、ログ ファイルに以下のメッセージが示されます。
「すべての配置操作が正常に完了しました。」
DXDeploy がパートナー サイトで実行された場合、第 1 サイトとパートナー サイト間で初期のレプリケーションも実行されます。最初のレプリケーションでは、第 1 サイトと同一になるよう、データをパートナー サイトに置きます。
おめでとうございます。Demodata をレプリケーション用に配置することに成功しました。
配置されたサンプル データベースを削除する
配置したサンプル データベースを保存しておく必要はありません。以下の作業では、第 1 サイトとパートナー サイトからこれらを削除する方法を説明します。
作業 1:両サイトのサンプル データベースを非アクティブ化する
作業 2:第 1 サイトで Template Remover を実行する
作業 3:第 1 サイトでファイルを削除する
作業 4:パートナー サイトでサンプル データベースとファイルを削除する
作業 1:両サイトのサンプル データベースを非アクティブ化する
1 第 1 サイトのマシンでコマンド プロンプトを開きます。
2 DXdeact DXDatabase」と入力します。
コマンド文字列では大文字小文字は区別されません。
3 Enter キーを押します。
これで第 1 サイトのサンプル データベースは非アクティブ化されます。
4 パートナー サイトでコマンド プロンプトを開き、この手順を繰り返します。
作業 2:第 1 サイトで Template Remover を実行する
1 第 1 サイトで以下のどちらかを実行します。
オペレーティング システムの[スタート]メニューまたはアプリ画面から[DX Template Remover]を選択します。
PCC で[DataExchange|Template Remover]をクリックします。
テンプレート リムーバ ウィザードが起動し、初期ダイアログが表示されます。
2 次へ]をクリックします。
削除するテンプレートを選択する画面が表示されます。
3 テンプレート ペインで、[LOCAL:DXDATABASE]をクリックします。
4 DataExchange システム テーブルを削除する]を選択し、削除を続行する警告メッセージで[はい]をクリックします。
5 DSN およびデータベース名を削除する]を選択します。
ウィザードは次のようになります。
6 次へ]をクリックします。
ウィザードによってテンプレートが削除され、概要が表示されます。
7 閉じる]をクリックします。
作業 3:第 1 サイトでファイルを削除する
1 第 1 サイトで、C:\<インストール ディレクトリ>\Demodata の下の DX_projectname ディレクトリを検索します。
DX_projectname は XML 配置ファイルのレプリケーション プロジェクト用の名前です。ここでは、ExampleRTB.xml ファイルにある以下の行の DXProj を指します。
<Configuration Project="DXProj" Network="DXNet" Release="1.0" Method="1-way">
2 C:\<インストール ディレクトリ>\Demodata\DX_DXProj フォルダーを削除します。
3 C:\<インストール ディレクトリ>\Replication\Templates の下の DXDatabase フォルダーを削除します。
作業 4:パートナー サイトでサンプル データベースとファイルを削除する
1 パートナー サイトで、PCC をまだ実行していない場合は起動します(オペレーティング システムの[スタート]メニューまたはスタート画面から[Control Center および PSQL ドキュメント]を選択します)。
2 データベース一覧の[DXDATABASE]を右クリックし、[削除]を選択します。
削除を確認するダイアログ ボックスが表示されます。
3 はい]をクリックします。
DSN の削除を確認するダイアログ ボックスが表示される場合があります。このウィンドウは、PCC で[関連付けられている DSN エントリは常に削除されます。]オプション([ウィンドウ]メニューから[設定|全般の設定]を選択)がオフになっている場合にのみ表示されます。
4 選択したデータベース名が[DXDatabase]であることを確認します。
5 関連付けられている DSN エントリは常に削除されます。]オプションでは、以下のどちらかを実行します。
レプリケートしていたデータベースを保持する場合は、チェックボックスをオフにします。
レプリケートしていたデータベースを削除する場合は、チェックボックスをオンにします。
6 OK]をクリックします。
PCC にあるデータベースの一覧から[DXDatabase]が削除されます。
7 パートナー サイトで配置したレプリケーション データベースの削除を完了するには、C:\Demodata ディレクトリを削除します。これは作業 4:テンプレートをパートナー サイトにコピーで作成されたディレクトリです。
データベースを使った作業
Demodata のサンプルでは、4 つの配置処理の例を示します。
1 DXDeploy ユーティリティで使用する XML 配置記述子ファイルを編集します。
2 XML 配置記述子ファイルをパラメーターとして、第 1 サイトの DXDeploy ユーティリティを実行します。
3 第 1 サイトからパートナー サイトへレプリケーション可能なファイルをコピーします。
4 パートナー サイトで、第 1 サイトで使用したのと同じ XML 配置記述子ファイルを指定して DXDeploy ユーティリティを実行します。
このセクションでは、ご自身のデータベースに適用できるよう、この処理についてさらに詳しく説明します。ただし、この処理を始める前に、どのテーブルをレプリケートするかを決定し、それらが確実にレプリケートできることを確認しておいてください。
最初に決定すること
レプリケートするデータベースを配置するには、まず、以下のことを決定する必要があります。
どのデータベース内のどのテーブルをレプリケートするかを決定する
レプリケートするテーブルにシステム データとシステム キーがあることを確認する
どのテーブルをレプリケートするか
どのテーブルをレプリケートする必要があるかを決定します。動的に作成されたテーブルがある場合には、それらもレプリケートする必要があるかどうか考慮します。『Pervasive DataExchange User's Guide』のアクティブなデータベースに動的テーブルを追加するを参照してください。
レプリケートするテーブルを XML 配置記述子ファイルに指定します。XML 配置記述子ファイルを参照してください。
システム データおよびシステム キー
リアルタイム バックアップ レプリケーションの場合、DataExchange はレプリケートされる各テーブルに一意のシステム キーがあることを必要とします。レプリケーション制御テーブルは、一意のキーを使用して変更を追跡します。
Pervasive PSQL の Butil ユーティリティを使用して、テーブルにシステム キーとシステム データがあるかどうかを調べることができます。たとえば、c:\mydata にある mytable.mkd を調べるとします。コマンド ラインで次のように入力します。
butil -stat c:\mydata\mytable.mkd
さまざまな情報の中で、統計情報の出力によってシステム データとシステム キーの情報を得ることができます。この出力が System Data = Yes および SYSKEY Status = Present となっていれば、システム キーとシステム データが存在します。
既存のデータベースにシステム キーがない場合、Pervasive PSQL のコマンド ライン Rebuild ユーティリティを使用して、システム データとシステム キーを追加する必要があります。Rebuild ユーティリティについては、『Pervasive PSQL Advanced Operations Guide』を参照してください。
Pervasive PSQL セキュリティ
Pervasive PSQL では Btrieve アプリケーションにセキュリティ モデルが提供されています。ただし、元のデータベースにセキュリティが設定されていたとしても、DXDeploy によって作成されたアクティブなデータベースにはセキュリティがありません。必要であれば、レプリケーション データベースにもセキュリティを追加することができます。『Pervasive DataExchange User's Guide』の Pervasive PSQL セキュリティを参照してください。詳細については、『Pervasive PSQL Advanced Operations Guide』で Pervasive PSQL セキュリティの章も参照してください。
XML 配置記述子ファイル
XML 配置記述子ファイルはテキスト ファイルで、DXDeploy ユーティリティの情報を指定します。2 台のマシン間のリアルタイム バックアップでは、EXPRESS.XML 記述子ファイルを使用します。このファイルは \<インストール ディレクトリ>\Replication\Docs フォルダーにあります。
状況に応じて XML ファイルを編集する必要があります。以下の表に編集を必要とする XML ファイル内の属性を説明します。属性のうちいくつかのデフォルト値は、変更せずそのまま使用することができます。Exclude Path を除き、DXDeploy はすべての属性を必要とします。DXDeploy の詳細については、『Pervasive DataExchange User's Guide』で説明しています。dxdeploy を参照してください。
 
表 4‑1 配置記述子ファイルの XML 属性
XML 属性
説明
Project
レプリケーション デザインでは、レプリケーション プロジェクト、レプリケーション ネットワーク、およびプロジェクト リリースに名前を付ける必要があります。これらの名前は、自身のレプリケーション設定をわかりやすく識別できるよう自由に付けることができます。
プロジェクトは、多くの場合特定のデータベースに対応します。"MyDB" という名前のデータベースをレプリケートするのが目的の場合、そのデータベースが対象であることを覚えやすい "MyDBProj" のようなプロジェクト名を付けることができます。
プロジェクト、ネットワーク、およびリリースの名前は、レプリケーション エンジンが使用するレプリケーション システム データベースに追加されることに注意してください。また、レプリケーション ユーティリティは、これらの名前を使用して特定の操作を許可または拒否します。たとえば、デザインされた複数のデータベースでリリースのみが異なる場合は、それらを一緒にレプリケートすることが許可されます。レプリケーションを許可するには、プロジェクト名とネットワーク名が一致する必要があります。
Network
レプリケーション ネットワークは、レプリケーションに参加しているレプリケーション サイトをグループ化したものです。グループを思い出すのに役立つ名前が便利です。たとえば、マシン A と B が参加している場合、そのネットワークに "Site AandB" のような名前を付けることができます。
Release
リリースは、レプリケーション データベース デザインのためのバージョン番号のようなものです。たとえば、最初のデザインはバージョン 1 です。そのデザインを後で変更した場合、バージョン 2、3、というように作成することになります。
Include Path
この属性は、レプリケーションのために配置するファイルを指定します。少なくとも 1 つの Include Path 属性が必要です。この属性には以下のプロパティが適用されます。
相対パスは、XML ファイルの <Sites> セクションにリストされている DataDirectory への相対パスです。
絶対パスは、指定する場合、すべて同じドライブ文字で始める必要があり、これは DataDirectory で指定したドライブ文字と同じである必要があります。
パスでは、個々にファイルを指定するか、ワイルドカードを使用します。"?" および "*" ワイルドカード文字が使用できます。
サブディレクトリは、パスに明示する必要があります(DXDeploy は指定されたルート ディレクトリから自動的にサブディレクトリを処理しません)。
属性行は複数にすることが可能です。
Exclude Path
この属性は、含まれているファイルからどのファイルを除外するかを指定します。Include Path と同じプロパティが適用されます。
First Servername
この属性は、第 1 サイトのマシン名または IP アドレスを指定します。"Localhost" は許可されません。
DSN
この属性は、レプリケーションのために配置されるデータ ファイルに関連するデータ ソース名(DSN)を指定します。DSN は各サイトで一意である必要があります。
DataDirectory
この属性は、Include Path および Exclude Path の相対パスのルートを指定します。DataDirectory の先頭はドライブ文字である必要があります。
First Servername 内の DataDirectory は第 1 サイトに適用されます。Partner Servername 内の DataDirectory はパートナー サイトに適用されます。
Partner Servername
この属性は、パートナー サイトのマシン名または IP アドレスを指定します。"Localhost" は許可されません。
第 1 サイトの DXDeploy ユーティリティ
XML 記述子ファイルの編集が終わったら、第 1 サイトで DXDeploy ユーティリティを実行します。このユーティリティはソース データ ファイルのテンプレートを作成します(説明を簡単にするために、これ以降ソース データ ファイルはまとめて「ソース データベース」と呼びます)。
テンプレートは、特にレプリケーション ツールと共に使用する特別な種類のデータベースです。これには、レプリケーションで使用するさまざまな種類の制御テーブルが含まれます。テンプレートにはソース データベースのデータも含まれます。DXDeploy はソース データなしでテンプレートを作成します。配置処理の 4 番目の手順で、ソース データは第 1 サイトからパートナー サイトにレプリケートされます。
テンプレートを使用してデータベースをアクティブ化します。アクティブ化とは、データベースがレプリケーションできるようにすること、および、データベースがサイトに属することを確定することです。DXDeploy は第 1 サイトのソース データベースもアクティブ化します。
次の表で DXDeploy がファイルをどこに配置するかを説明します。
表 4‑2 アクティブ化されたデータベースとテンプレートの場所
アクティブ化されたデータベース
テンプレート
アクティブ化されたデータベースは DX_projectname という名前のフォルダーに置かれます。これはソース データベース フォルダーの下位フォルダーです。
たとえば、ソース データベースが C:\myfolder\mydatabase にあり、プロジェクト名が myproject であるとします。アクティブ化されたデータベースは C:\myfolder\mydatabase\DX_myproject に置かれます。
ソース データベースは変更されません。
すべてのテンプレートは <インストール ディレクトリ>\Replication\Templates フォルダーに置かれます。
たとえば、アクティブ化したデータベースの名前が mydatabase で、その DSN 名が mydbdsn の場合、テンプレートは次のフォルダーにあります。
<インストール ディレクトリ>\Replication\Templates\mydbdsn -このフォルダーにはソース データ ファイルから作成された空のデータ ファイルが含まれます。空のファイルはテンプレートの一部と考えられます。このフォルダーには XML 記述子ファイルのコピーもあります。
<インストール ディレクトリ>\Replication\Templates\mydbdsn\DX_myproject-このフォルダーには、制御テーブルなどのレプリケーションを可能にする残りのファイルが含まれます。
メモ: DXDeploy が行うアクティブ化の処理は、関連するデータ テーブルのサイズと数によって、数分から数時間かかります。ただし、DXDeploy がテンプレートの作成を終えたらすぐにテンプレート ファイルをパートナー サイトにコピーし、次の手順を行うことができます。

画面上で「Activate 操作を開始しています. . .」というメッセージをチェックしてください。このメッセージが表示されたら、テンプレート ファイルをパートナー サイトにコピーすることができます。一般的に、多数のデータ ファイルがあっても、テンプレートは非常に短時間で作成されます。
ファイルのコピー
DXDeploy が第 1 サイトでテンプレートを作成した後、手作業でテンプレートをパートナー サイトにコピーする必要があります。
何をどこへコピーするかの例
DXDeploy はテンプレート ディレクトリを作成して、パートナー サイトのどこにファイルをコピーしたらよいかを判断する手助けをします。たとえば、アプリケーションの DSN は mydbdsn でそのデータベース名が mydatabase だと仮定します。mydatabase は第 1 サイトで以下のように 4 つのデータ ファイルを使用します。
C:\myapp\data\table1.mkd
C:\myapp\data\table2.mkd
C:\myapp\data\other\table3.mkd
C:\employees\accting\table4.mkd
編集後の XML 記述子ファイルは以下のようになります。
<First
  ServerName="db_server1"
  DSN="Mydbdsn"
  DataDirectory="C:
\myapp\data" >
    <Files>
     <Include Path="*.mkd" />
     <Include Path="other
\*.mkd" />
     <Include Path="c:
\employees\accting\table4.mkd"/>
1 番目と 2 番目の Inculde Path ステートメントは DataDirectory への相対パスです。table4.mkd はバウンド テーブルで C:\employees\accting にあるとします。これには絶対パスが必要です。
この例について、パートナー サイトのどこにテンプレート ファイルをコピーするかを説明します。
第 1 サイトのディレクトリ
内容
パートナー サイトのコピーする場所
\<インストール ディレクトリ>\Replication\
Templates\mydbdsn\
mydatabase\DX_myproject
空のデータ ファイル table1.mkd、table2.mkd、および table3.mkd
編集した XML 記述子ファイル
DX_projectname サブディレクトリ
<インストール ディレクトリ>
Replication
  テンプレート
    mydbdsn
      mydatabase
         DX_projectname
一般的に、第 1 サイトと同じ場所になります。つまり、C:\myapp\data です。ただし、ファイルは任意の場所に置くこともできます。その場合、パートナー サイト上の場所が XML 記述子ファイルの DataDirectory と一致する必要があります。
DX_projectname サブディレクトリには、制御テーブルのようなレプリケーションを可能にするファイルが含まれます。
\<インストール ディレクトリ>\Replication\
Templates\mydbdsn\
mydatabase\c_drive\
employees\accting
空のデータ ファイル table4.mkd
C:\employees\accting
メモ: アプリケーションをパートナー サイトにインストールしたとき、そのデータ ファイルは既に存在している場合があります。その場合、テンプレート ファイルが既存のデータ ファイルを上書きします。
パートナー サイトの DXDeploy ユーティリティ
テンプレートをパートナー サイトにコピーし、DXDeploy によって第 1 サイトでのアイクティブ化が完了したら、パートナー サイトをアクティブ化します。第 1 サイトで使用したのと同じ XML 配置記述子ファイルを使用して DXDeploy を実行します。編集されたファイルは <インストール ディレクトリ>\Replication\Templates の下のデータベース ディレクトリにあります。上の例の場合、\<インストール ディレクトリ>\Replication\Templates\mydbdsn\mydatabase になります。
注意: DXDeploy は、パートナー サイトで実行する前に第 1 サイトでアクティブ化を完了している必要があります。第 1 サイトの画面上で、「アクティブ化を完了し、現在はテーブルを同期させています...」というメッセージをチェックします。メッセージが表示されたら、パートナー サイトで DXdeploy を実行します。
レプリケーション スケジュール
DXDeploy がパートナー サイトで完了すると、第 1 サイトとの初期レプリケーションが実行されます。DXDeploy は第 1 サイトでも完了している必要があります。サイト間の初期レプリケーションによって、データ テーブルは完全にパートナー サイトに存在するようになります。
配置に続いて、レプリケーションを初期化するレプリケーション スケジュールを設定します。レプリケーション スケジュールは、定期的にパートナー サイトのデータを第 1 サイトのデータと一致させます。レプリケーション スケジュールの設定方法については、『Pervasive DataExchange User's Guide』のスケジュールの作業を参照してください。
メモ: スケジュールは必ず第 1 サイトで設定してください。そうすることによって、データの流れは第 1 サイトからパートナー サイトになります。
障害回復
第 1 サイトが不運にも損傷を受けた場合は、データをパートナー サイトから新しい第 1 サイトへ復元し、レプリケーション ネットワークを回復することができます。『Pervasive DataExchange User's Guide』の障害回復を参照してください。