Pervasive DataExchange について
Pervasive DataExchange とその機能について
この章では、Pervasive DataExchange、DataExchange のエディション、および Pervasive DataExchange に含まれるコンポーネントについて紹介します。本章は以下のセクションから成ります。
DataExchange の概要
Pervasive DataExchange は 2 つ以上の Pervasive PSQL データベース間でデータを高い信頼性で移動することにより、ウォーム バックアップ システムを維持し、データをレポーティング サーバーに送ったり、また、複数のリモート データベースを同期させたりします。
DataExchange の技術により、DataExchange レプリケーション ネットワーク内で、どれか 1 つの Pervasive PSQL データベースの変更を捕捉し、それをほかのデータベースと共有することができます。Pervasive PSQL エンジンは DataExchange によって補強されます。DataExchange は、レプリケーション イベント ハンドラーおよびレプリケーション エンジンの 2 つのソフトウェア コンポーネントを Pervasive PSQL データベースに追加します。
•レプリケーション イベント ハンドラー(REH)は、直接 Pervasive PSQL データベース エンジンに接続されます。REH はデータベース エンジン内で動作する DLL のセットであるため、データベースが実行中であればレプリケーション イベント ハンドラーも実行されます。データベース エンジンは、変更のイベント(追加、更新、削除)が発生したときに REH をアクティブにします。REH は REH のプライベート制御テーブルの 1 つにそのイベントを書き込みます。
メモ: レプリケーション イベント ハンドラーは、32 ビットおよび 64 ビット プラットフォームのいずれでも使用できます。
•レプリケーション エンジンは、実際のレプリケーション処理を行う別のプロセスです。これは制御テーブルを読んで、最後のレプリケーション セッション以降どのレコードが変更されたかを判断します。次にこれらの変更をパケットにまとめ、DataExchange ネットワークに参加しているほかのレプリケーション エンジンと共有します。ほかのエンジンはこの変更をそれぞれのデータベースに適用します。レプリケーション処理は、継続的に、スケジュールされた期間ごとに、または要求に応じて行われます。レプリケーション エンジンはネットワークの常時接続を必要としないので、DataExchange はダイヤル アップ接続のリモート ユーザーのような断続的に接続する状況にも適しています。
Pervasive DataExchange は 2 種類のデータ レプリケーションの方法に焦点を当てています。
•データへの継続的なアクセスを提供する(Real-Time Backup)
•複数のデータベースを同期させる(Data Synchronization)
どちらの機能も有用ですが、一般的には環境に応じてどちらか 1 つがデータ レプリケーション技術を実装する際の主要なドライバーとなります。
DataExchange のエディション
Pervasive DataExchange には Real-Time Backup および Data Synchronization の 2 つのエディションがあります。
Real-Time Backup Edition
Pervasive DataExchange Real-Time Backup Edition は、バックアップ サーバーをすばやく簡単に維持管理する場合に適してます。高いパフォーマンスと、最小のインストールおよび管理を組み合わせました。このエディションは、プライマリ サーバーとバックアップ サーバー間の一方向のレプリケーションをサポートします。
Real-Time Backup ソリューションは、必要に応じてオンサイトでもオフサイトでも使用できます。オンサイトのバックアップでは、ハードウェア障害からデータを確実に保護します。データの保護とは、データの回復時間を削減しダウンタイムを最小限に止めることです。オフサイト バックアップ サーバーを実装するソリューションでは、火事、洪水または盗難などの悲惨なデータ損失からデータを保護することができます。
Data Synchronization Edition
Pervasive DataExchange Data Synchronization Edition は、より複雑なレプリケーションの状況に合わせて最適化されています。このエディションは、複数のデータベースの参加と複数の方向へのデータの流れをサポートします。
Data Synchronization で提供されるリアルタイム データ レプリケーションは、すべてのユーザーが確実に同一の最新データを見られるようにします。トポロジを柔軟に構成する機能により、データの流れを業務の編成に合わせることができます。
DataExchange コンポーネント
Pervasive DataExchange は以下の主要なコンポーネントから構成されています。
•レプリケーション エンジン - 取得したデータベースの変更を配布および適用するのに使用します。
•レプリケーション イベント ハンドラー(REH) - データベースの変更イベントを記録および監視するのに使用します。
•DataExchange エージェント - レプリケーションの障害時に通知を行うために使用します。
•DataExchange ユーティリティ - デザインやアクティブ化など、レプリケーションに必要な作業を行うのに使用します。
•DataExchange マニュアル - Pervasive DataExchange を使用するための概念および操作説明の情報を提供します。
DataExchange各種ユーティリティ
Pervasive DataExchange には、レプリケーション処理の構成および管理に役立つようデザインされたさまざまなユーティリティが付属しています。
表 1‑1 Pervasive DataExchange ユーティリティの概要
ユーティリティの種類 | 含まれるユーティリティ |
GUI ユーティリティ | DataExchange Manager、DataExchange 監視ツール、Template Remover Wizard、および Deployment Wizard があります。 |
コマンドライン ユーティリティ | デザイン、アクティブ化、レプリケーションおよび配置のすべての段階を実行するユーティリティです。 |
サービス | データ レプリケーションの監視、レプリケーション セッションの設定およびログのオプションを設定します。これらの操作を実行するツールのセットは DataExchange 監視ツール と呼びます。 |
Pervasive DataExchange ユーティリティの詳細については、第
7 章
DataExchange のユーティリティとサービスを参照してください。
DataExchangeドキュメント
Pervasive DataExchange のすべてのオンライン マニュアルはいずれも、クリックやドラッグ、ファイルのオープンや保存などコンピューターの基本的な使用に慣れていることを前提としています。これらの基本的な使用に関する情報が必要な場合は、お使いのコンピューターやオペレーティング システムに付属するドキュメントを参照してください。
Getting Started マニュアル
Pervasive DataExchange には製品のインストールおよび設定に関するマニュアルが含まれています。ソフトウェアに含まれるマニュアルの内容は、ご購入いただいたエディションに固有のものです。ご購入いただいた製品によって、パッケージには以下のいずれかのタイトルのマニュアルが含まれます。
•Getting Started with Pervasive DataExchange(Real-Time Backup Edition)
•Getting Started with Pervasive DataExchange(Data Synchronization Edition)
これら『Getting Started』ガイドは、いずれも Pervasive DataExchange のインストール方法と、2 台のマシンを使用したサンプルのレプリケーションについて説明しています。
User's Guide
『Pervasive DataExchange User's Guide』にはデザイン、アクティブ化、およびレプリケーションに関する概念および操作の説明が含まれています。このマニュアルは、レプリケーション処理で使用されるツールと処理の理解を目的としています。
『Pervasive DataExchange User's Guide』には Real-Time Backup Edition および Data Synchronization Edition の両方に当てはまる情報が含まれています。これには、Pervasive DataExchange 製品を使用する上でのリファレンス情報と、段階的な処理を示す操作説明が含まれています。