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Actian Zenとモバイルデータベース事情

 

モバイル DB の歴史や特徴を、Actian Zen Core と Realm Database を比較しながら説明いたします。

Actian Zen Core と Realm Database

Actian Zen Core

世界初のデータベース Ingres を販売している米 Actian 社が開発した iOS / Android 向け NoSQL データベース。
サーバーエディションである Actian Zen Server はスーパーマーケットの POS システムや全国の調剤薬局のシステムに採用されています。Btrieve という独自クラスにより NoETL(No Extract Transfer Load = 高速読み書き)を実現しています。他に IoT エディションの Zen Edge があります。

 

Actian Zen Core がサポートしている言語は以下のとおりです。

  • C
  • C++
  • C#
  • Java
  • Python

Realm Database

モバイルデバイス向けオープンソース・データベース。
https://www.ossnews.jp/oss_info/Realm

 

iOS/Android スマートホン/タブレット間で使用でき、クロスプラットフォーム開発に適しています。iOS/Android で共通の DB が使えるのでそれぞれ SQLite、CoreData で別々の DB を作らなくて良いのは、開発者にとって大きな恩恵を及ぼしてくれます。
サポートしている言語は以下のとおりです。

  • Objective-C
  • Swift
  • Java(Androidのみ)
  • Kotlin
  • C#
  • JavaScript

印象としては、Actian Zen Core はレガシーなシステム開発に携わっているエンジニアに好まれ、Realm Database はスマホアプリ開発をメインにしている比較的若いエンジニアに好まれる傾向にあると感じます。

サーバー DB、モバイル DB の歴史

 

青字がサーバー DB の歴史で、赤字がモバイル DB の歴史です。厳密に言うとこれ以外にもモバイル DB には iOS/OSX 向けの CoreData もありますが、豊富なサーバー DB と比較すると種類が非常に少ない事が分かります。
そんな中 2015 年にリリースされた Realm Database はある意味モバイル DB の決定版と言われ、10 万人以上の開発者と 20 億人を超えるユーザーに使われています。
https://realm.io/jp/products/realm-database/

 

アップデートも早く機能も非常に優れた Realm Database ですが、気になるのは MongoDB が Realm Database を買収したことです。MySQL も Oracle に買収されたことによって完全無料ではなくなったことから、Realm Database も今後何年も無料で使い続けることは難しいかも知れません。
この点では Actian Zen Core の方にアドバンテージがあるでしょう。イニシャルでライセンスを買った後データベースファイルはバージョンを跨いでも互換性があるので長期間の使用に向いています。
特に DB は変更があるとシステム全体に影響を及ぼしますので、旧バージョンで作ったデータベースファイルが新バージョンで使える方が助かるでしょう。
基本的に IT の世界では新しい技術の方が生産性を上げることから重宝されますが、DB はシステムの他の要素がバージョンアップしても手を加えずに使い続けられる事を担保する方が重要ではないでしょうか。

結論:温故知新

言語には個々人の好みがありますしシステム要件に従う必要もあるので、使いたい言語をサポートしている方を使えばいいのではないでしょうか。最近のモバイルデバイスは性能が高いので、組み込みデータベースへのアクセス速度はそこまで気にならないと思います。よって NoETL はそれほど必要性は高くないと思われますので、スマホアプリ開発に慣れたエンジニアは Realm Database を採用するケースの方が多いでしょう。
一方で、C 言語などでレガシーシステムを開発していた熟練のエンジニアが新しくスマホアプリ開発をする場合は、Actian Zen Core の方が使いやすいのではないでしょうか。
また、計測機器や工場内システム、AI 用の DB などビッグデータを貯めて解析する必要があるシステムは DB への読み書き速度がクリティカルになるケースが多いので、Actian Zen Core は最適と言えます。

 

※Actian Zen Core は、無償で開発、配布を行うことができます。
https://www.agtech.co.jp/actian/zen/core/utilization/

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